先日、韓国の「文化日報」からインタビューの依頼があって応じましたが、
その記事が先週の金曜日に報道されました。
2面もの紙面を割いて
大したことのない私の脱北ストーリーや
北朝鮮に対する私の考えなどを記事にしてくださいましたね。
私の個人的な話の部分は省いて、
最近話題となっている集団亡命に関する内容があったので、
日本語訳をここに載せます。
“家族でない13人の集団亡命の意味大きい…北朝鮮そのうちつぶれるという考え澎湃”
「脱北女性博士第1号」 イ・エラン 自由統一文化院長
▲「脱北女性博士第1号」イ・エラン自由統一文化院長が、25日ソウル市チョンノ区所在の自由統一文化院にて文化日報とインタビューをし、「自由・所有権・投票権が北朝鮮住民にとって最も必要な価値」と強調し、自ら経験した資本主義体制の優越性について語っている
北朝鮮を脱出する前には資本主義を恐れていた李院長だが、今は資本主義の伝道師になっている。李院長は最近、キョンイン女子大学と全国経済人連合会で特別講義を行っているが、そのタイトルは「社会主義の配給体制と資本主義の市場体制との比較」である。彼女は「韓国が実績競争というなら、北朝鮮は忠誠競争」とし、「出身成分と階級によって最初から人生が決まる北朝鮮と比べれば、韓国は比較的に公正な競争社会ではないか」と問い返してきた。「北朝鮮はすでに崩壊の最中」であると診断する李院長が「金正恩政権を確実に崩壊させるべき理由がある」とあげたのが、北朝鮮住民の苦痛だった。彼女は「北朝鮮住民に最も必要で大切な価値が、自由・所有権・投票権」と3つを取り上げた。「韓国では当然と思われる価値」という説明も付け加えた。最近中国で起こった北朝鮮レストランの従業員13人の集団亡命事件を見て、20年前のことを思い出すのではないかと察しつつ、インタビューを始めた。
―今回の事件を聞いて、感想が人とは違うんじゃないかと思いますが。
「1997年、私が北朝鮮を脱出する時には、9人が家族同士なのになかなか合意に至らなかったんです。4人が先に脱出して中国に渡り、残りの家族を私たちなりに脅したりもしました。「我々はもうもどることはできない。この事実が放送に出たらあなたたちは即座に政治犯収容所に連れていかれる」とですね。父と母も一時期ひどいけんかが続きました。父が母に向けて「お前は赤(共産主義者をさげすんで言う言葉)なのか」と叫ぶと母は父に「革命の変節者」と対立していました。家族間で意見がまとまらないから結局二つの分かれて脱北しました。今回13人の集団亡命は、あかの他人同士という点で意味が大きいです。きっとその中で対立があったんでしょうが、集団で韓国行きを選んだことは、示唆する意味がかなり重いと思われます。個人的な考えとしては、韓流などを接して脱北を決心したんじゃなくて、北朝鮮制裁がそのうちつぶれるという考えを共有していたから可能だったと思います。実際、北朝鮮内部でも北朝鮮は崩壊するという雰囲気が澎湃としています。有識者階層は特にそうです。私の家族は出身成分が悪くて平壌から追放されて脱北したんですが、彼らとしては、北朝鮮はすぐ滅びるから自分一人だけでも先に韓国に行ってある程度定着していないとならないと考えたでしょう。出身成分のいい人たちの脱北という意味で象徴性はより大きいです。」
― 北朝鮮当局が、同じレストランで働いていた従業員らを平壌に呼んでCNN放送とインタビューをさせるまでして拉致を主張していますが、これは緊張感が大きいためでしょうね。
「住民の離反を防ぐためでしょう。13人もの人が脱北をしたんだから、いくら隠そうとしてもうわさになるでしょう。そうなると北朝鮮住民たちに今回の件をうめく説明をしなければいけませんが、集団亡命と言ったらみんが動揺するじゃないですか。「これは拉致」と大々的に説明しておかないと、民の心が離れるのを止められないからです。
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