昨年の姉からご馳走になった海鮮丼を昼飯と思い、市場から散歩を開始した。丼は料金とはかけ離れた、東京のちょっとした飲み屋のランチ程度のものだった。昨年は姉がいたから、責任者テ-ブルまで挨拶にきて、中身もよかった。一見観光客と足元を見ているか。羽咋産の岩牡蛎を魚屋の前で食べさしてくれるので、一口で食した。夏牡蛎を危ないメキシコの屋台で食べた記憶が甦った。炎天下の中、少年の出してくれた冷えた牡蛎は格別だった。 20年ほど前の湾岸戦争で、海外渡航自粛の頃、一人メキシコへ事情調査と称して、サンフランシスコでゴルフで遊び、バハカリフォルニアのCabo San Lucasに飛んだ。 アメリカ国境ティファナから約千キロ離れた半島突端にあり、半島は砂漠に近い赤茶けた荒地が延々と、いや炎々と続き、当時、無人の道路では山賊も出て、女一人の車運転は危ないと日本のテレビで放送されてたこともある。ホテルは地元系で、外資系はメリアだけが建築中だった。アメリカ人の金持ちが自家用機で別荘に来て、クルーザーでマグロ釣りに来る。パージンビーチが遙か彼方まで続き、特上のパラダイスだった。今は、ホテルもホノルルもどきで林立しているらしい。帰国後、取引先の釣り好き社長に話したら、翌週もう飛び立ったが、シイラしかあがらなかったが、ご満悦だった。 牡蛎は英語でERの月が一番というが、それは養殖の牡蛎だろう。
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