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オカンとワンコ

過去と他人は変えられない 自分と未来は変えられる

読書の記録(覚書)

2023年08月28日 23時44分00秒 | 読書

「おやごごろ」(畠中恵著 まんまことシリーズ第九巻)

●「たのまれごと」
嫡男の悪行で家が滅ぶと愚痴る旗本だが、悪行は見当たらず
●「こころのこり」
大店から大事なものが失せるのは、ある芝居のせいだというが
●「よめごりょう」
妻のお和歌と結婚するはずだったと息巻く男が突然現れた
●「麻之助走る」
妻が子を宿した麻之助。何かが気になり支配町を走り回るが
●「終わったこと」
与力の娘につきまとう謎の男。
麻之助は真犯人に辿りつけるか
●「おやごころ」
息子が生まれたばかりの麻之助の周りに親子の相談事が続々と…
(紹介文より)
 
 

「はなちゃんのみそ汁 青春編」(安武信吾、千恵、はな共作)
 
今でも、ふとしたことで涙が止まらなくなることがある。
しかし、かつての悲しみとは明らかに違う。
つらく苦しいだけだった悲しみが、
「すばらしい悲しみ」に感じられるようになった。
愛着の対象であった存在からの応答を永遠に失ったとしても、 決して失われないものがある。
グリーフは抱えたままでいい。
無理に乗り越えるべき感情ではなかった。
「はなちゃんのみそ汁」続編
本文より
グリーフ「悲嘆」や「深い悲しみ」を意味する英単語
 


「汝、星のごとく」(凪良ゆう著)
 
わたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、
自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、
惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、
ひとつではない愛の物語。
まともな人間なんてものは幻想だ。
俺たちは自らを生きるしかない。
紹介文より
 
 

『汝、星のごとく』凪良ゆう著

2023年08月28日 09時43分07秒 | 読書
「女は手に職をつけないといけん」と母に言われた。
多分、父が亡くなったあとの暮らしが落ち着いた頃だと思う。
読中にそれを強く思い出した、
『汝、星のごとく』(凪良ゆう著)を読了しました。


男を追いかけて京都から移り住んだ母と暮らす櫂。
幼い頃から放ったらかしにされ続け、それでも母を支え店を手伝っている。

父が出ていった家に母と暮らす17歳の暁海。
父を連れ戻すよう母に頼まれた暁海は、
たまたま居合わせた同級生の櫂を道連れに、
女性と暮らし始めた父を訪ねる。

それがキッカケとなり櫂と暁海は付き合い始める。

暁海は女性から、
「あなたには申し訳ないと思っている」と詫びられる。
その言葉は母には詫びるつもりがないことを示している。
暮らしの伝を持たない母は憤りと不安から酒に逃げ鬱になる。

漫画原作者として活動を始めた櫂と一緒に、
高校を卒業して東京に行くつもりの暁海は、
母との暮らしを支えるため地元に残った。

プロローグは現代。
暁海の夫が月に一度、愛人のもとで過ごすのは何故か。
暁海の夫は誰で今の暮らしがあるのは何故か。
本編は高三の夏から始まり、年を追って交互に二人の視点から話が綴られていきます。

二人が付き合い始めた辺りまでは良かったの。
卒業して別々になり遠距離恋愛が始まると、
気持ちが波打ってきて目が離せなくなり久しぶりに夜明かししたです。
読み終えたのは日付が変わって3時半でした。

成功と挫折と病の櫂。
暮らしのための副業が認められて本職とした暁海。
傍で見守り手を貸してくれる人。
様々に紆余曲折を経た二人の最後。
ずっしり重いけど良かったです。
読んでいて映像が浮かぶのですもの。
ドラマに、いや映画になるよねこの本も。

作中に出てくる刺繍がどんなものか見たくて調べて、
オートクチュール刺繍」という名称を知ったのも勉強になりました。
とても繊細な刺繍なのですねぇ。

「自分で自分を養う力がない不自由さ、
自分の生活基盤を夫という名の他人ににぎられている不安定、
その他人がある日突然去っていくかもしれない危うさを、
わたしは母親を通じて何年も味わってきた。」
(作中の暁海の言葉より)

暁海とは境遇は違うけど暮らしが変化しても、
自分の口を養う経済力は必要ということを母は言ったのよね。