テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

デッドマン・ウォーキング

2003-01-27 | ドラマ
(1995/ティム・ロビンス監督/スーザン・サランドン、ショーン・ペン、スコット・ウィルソン)


 「ショーシャンクの空に」で、無実の罪で監獄に入れられた銀行マンを好演した、ティム・ロビンスが監督した作品。2作目だそうです。ティムと「さよならゲーム」で共演したスーザン・サランドンが尼さん(シスターヘレン)を演じ、死刑判決を受けた囚人マシューをマドンナの元旦那ショーン・ペンが演じている。
 実際に死刑囚の精神アドヴァイザーをやった尼さんの原作本があったとのことなので、この話もほとんど実話と考えていいのではないでしょうか。

 マシューは悪友達と二人で、デート中の若いカップルを襲い、女の子の方をレイプした上二人とも射殺してしまう。この罪で死刑判決を受けて収監されているわけだが、一方の悪友達の方は、弁護人を雇って裁判を戦ったため無期懲役刑になっており、不公平を感じたマシューは、シスターヘレンに手紙を出して特赦を得ようとする。ヘレンは、初めての経験であるが、刑務所付きの牧師に心を開いていないマシューを知り、アドヴァイザーになる事を決心する。被害者の親達との交渉もあり、ヘレンは色々と悩むが、基本的に死刑反対の立場なのでマシューの特赦に努力する。
 当初、マシューは、二人を殺したのは相棒で、自分は見ていただけで何もしていないと言う。この事件の真相も興味の一つですが、メインテーマは、ヘレンの苦悩から浮かび上がる死刑制度のあり方でしょう。それぞれの立場の人間を、大声を上げることなく淡々と描いていて、フィクションとしての面白い展開はないですが、その分役者の名演技を楽しめます。

 スーザン・サランドンはこの映画で、アカデミー賞を獲ったとのこと。ショーン・ペンもただのチンピラ俳優かと思っていたので、ビックリしました。実は、ラスト近くの、ペンとサランドンの格子越しの会話の途中で泣いてしまいました。事実はどうあれ、自らの罪を悔い改める姿に、人間の哀れを感じたものでした。
 「重い」という評価も聞きますが、私はそんなに重いとは思いませんでした。
 ネットで調べますと、サランドンとティム・ロビンスは、「さよならゲーム」の後同棲生活を始めて結婚、二人の子供もいるようです。サランドンの方が一回り上なんですけどね。ティム・ロビンスの演出は好きなタイプなので、他の作品を観たくなりました。
 尚、牧師役のスコット・ウィルソンは、「冷血」で殺人犯を演じた役者で、懐かしかったです。

・お薦め度【★★★=一度は見ましょう】 テアトル十瑠

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4 コメント

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宵乃さん (十瑠)
2012-03-16 18:17:29
なにせ犯罪が私欲の殺人ですから同情もくそもありませんが、懺悔の気持ちが湧いていたようですから、哀れだなぁと思いましたね。

>冷たいでしょうか?

つまり死刑制度には反対ではないということですよね。私も今の所は反対ではないですが、極端な仮定で、身内がそんな犯罪を犯したらどんな気持ちになるんでしょう?
というようなことを、考えさせる映画ですね。
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終盤はわたしも (宵乃)
2012-03-16 10:26:48
涙してしまいました。
かといってマシューに同情する事はありませんでしたが、どんな人間でも美しい心というか、純粋な部分があるんだなぁと。
それが、どんな人間も殺されていいわけがない、という考えに繋がるかというと、そうでもないんですけどね・・・。冷たいでしょうか?
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ショーン・ペンは (十瑠)
2006-10-24 09:06:52
役者だけでなく、映画監督としてもイイものを持っているようですよ。「プレッジ」というニコルソン主演の作品で感じました。



マドンナ。最近は養子問題で新聞を賑わしているようですな。

随分前の事ですが、会社の慰安会で女装して(勿論パツキン)「♪ライク ア バージン」を踊ったのが恥ずかしい思い出ですわ。(汗)
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マドンナは・・ (anupam)
2006-10-23 23:45:09
才能が世に出る直前の青田買いの才能があるのか、結婚したショーン・ペンも、今の夫である映画監督もしかり、彼女と出会った後、ブレイクしています。なかなか見る目があるようですね。



この映画は見たいな~と思っている作品のひとつ。ティム・ロビンスは役者としても超1級だし、こんな素晴らしい映画も撮るなんて、すごいな~~



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