(1972/シドニー・ポラック監督/ロバート・レッドフォード、ステファン・ギラシュ、アリン・アン・マクレリー、ウィル・ギア、マット・クラーク)
数ヶ月前にNHK-BSで流れたのを録画していたもの。30年前に見て以来<ジェレマイア・ジョンソン【原題:JEREMIAH JOHNSON】>という名前は忘れたことがない。♪ジェレマイア~ ジョンソン~♪という唄のフレーズも。
レッドフォードとシドニー・ポラックという名コンビの2作目の作品。今や名監督の一人だが、ポラックさん昔っからイイ映画作ってました。
“異色の西部劇”と呼ぶんでしょうなあ。
時代はよく分からないが、主人公ジョンソンが初めてロッキーの山に入っていく時に履いていたのが、南北戦争の時の兵隊ズボンのようなので、19世紀の話なんだろう。彼が山に入っていく理由も明らかには語られていない。ただ、文明や人間に背を向けて山に入ったのは明らかで、更に、山での狩猟生活に対する覚悟があったことも分かる。
この白人ジョンソンが、先に山に入って生きている白人の先輩達に生活の術や先住民(インディアン)とのつき合い方などを習い、色々な経験をしていく姿が描かれている。若者の成長記録ではない。立派な大人が、厳しい自然と調和して生きていこうとする話で、一種のサバイバル・ストーリーの様にも見える。
成り行きで、孤児となった男の子を引き取ったり、インディアンの女性と生活するようになったりして、いつしか、川のそばの山を背にした平たい土地に家まで建てる。それは、ジョンソンの理想の生活になりそうだったのだが・・・。
▼(ネタバレ注意)
孤児の男の子は、インディアンに襲われた開拓者一家の生き残り。母親も生きていたが、その他の子供たちが残虐に殺されたため気がふれていて、生き残った男の子をジョンソンに託す。
一緒に暮らすインディアンの女性は、ある部族の長の娘で、ジョンソンが迂闊に贈り物をした為に、お返しにと嫁さんにいただいたもの。つまり、赤の他人の三人が一から幸せを築いたのだ。
そんな一家の所に、山中で立ち往生している白人入植者の一団を助けるために道案内をしてくれと白人達がやってくる。その道中で、あるインディアン部族の神聖な墓場を汚したために、ジョンソンの家族は殺される。
ここの、ジョンソンの落胆ぶりは痛ましい。
その後、たまたまその殺戮者達と遭遇したため、ジョンソンは復讐を果たすが、一人を殺し損ねたため、その後は刺客に狙われることになる。
▲(解除)
ロッキーの雄大な自然が画面一杯に映し出されていて、見ているうちになにか哲学的な気分になってくる映画。原作があるとのことなので、その辺は読んだ方がいいかも。
30年ぶりで、ストーリーはほとんど忘れていた。雪山のシーンばかりが印象に残っていたが、勿論、数年に渉る話なので、雪以外のシーンもある。
ある映画サイトを覗くと、コレを見て号泣したという男性がいた。確かにそういうシーンもある。男が感動する作品ですな。
ユタの山の中に“サンダンス”という広大な土地を持っているというレッドフォード。二枚目とは無縁で、髭をぼうぼうに伸ばしてジョンソンを演じています。
レッドフォード=ポラックのコンビのこの他の作品には、「雨のニューオリンズ(1965)」「追憶(1973)」「コンドル(1975)」「出逢い(1979)」など沢山ありますが、一番有名なのはアカデミー作品賞を獲った「愛と哀しみの果て(1985)」でしょう。
考えてみたら、「雨のニューオリンズ」は観てなかった。今度観てみよう。
「コンドル」はスパイもののサスペンス。「追憶」は相手役(バーブラ・ストライサンド)が難点だが、主題歌が忘れられんです。
追記:道案内を頼む白人達の先頭に宣教師がいるが、横着な人間として描かれている。又、インディアンのお嫁さん(スワンという名だった)は、その部族がフランス人にキリスト教を教えられたため食事の前に十字を切ったりするが、ジョンソンはやめて欲しいようなことを言う。ジョンソンが、宗教に関して懐疑的であったことが伺えますな。確かに、大自然を相手にした時には神の存在など関係ないのかも知れない。(04.29 Fri)
数ヶ月前にNHK-BSで流れたのを録画していたもの。30年前に見て以来<ジェレマイア・ジョンソン【原題:JEREMIAH JOHNSON】>という名前は忘れたことがない。♪ジェレマイア~ ジョンソン~♪という唄のフレーズも。
レッドフォードとシドニー・ポラックという名コンビの2作目の作品。今や名監督の一人だが、ポラックさん昔っからイイ映画作ってました。
“異色の西部劇”と呼ぶんでしょうなあ。
時代はよく分からないが、主人公ジョンソンが初めてロッキーの山に入っていく時に履いていたのが、南北戦争の時の兵隊ズボンのようなので、19世紀の話なんだろう。彼が山に入っていく理由も明らかには語られていない。ただ、文明や人間に背を向けて山に入ったのは明らかで、更に、山での狩猟生活に対する覚悟があったことも分かる。
この白人ジョンソンが、先に山に入って生きている白人の先輩達に生活の術や先住民(インディアン)とのつき合い方などを習い、色々な経験をしていく姿が描かれている。若者の成長記録ではない。立派な大人が、厳しい自然と調和して生きていこうとする話で、一種のサバイバル・ストーリーの様にも見える。
成り行きで、孤児となった男の子を引き取ったり、インディアンの女性と生活するようになったりして、いつしか、川のそばの山を背にした平たい土地に家まで建てる。それは、ジョンソンの理想の生活になりそうだったのだが・・・。
▼(ネタバレ注意)
孤児の男の子は、インディアンに襲われた開拓者一家の生き残り。母親も生きていたが、その他の子供たちが残虐に殺されたため気がふれていて、生き残った男の子をジョンソンに託す。
一緒に暮らすインディアンの女性は、ある部族の長の娘で、ジョンソンが迂闊に贈り物をした為に、お返しにと嫁さんにいただいたもの。つまり、赤の他人の三人が一から幸せを築いたのだ。
そんな一家の所に、山中で立ち往生している白人入植者の一団を助けるために道案内をしてくれと白人達がやってくる。その道中で、あるインディアン部族の神聖な墓場を汚したために、ジョンソンの家族は殺される。
ここの、ジョンソンの落胆ぶりは痛ましい。
その後、たまたまその殺戮者達と遭遇したため、ジョンソンは復讐を果たすが、一人を殺し損ねたため、その後は刺客に狙われることになる。
▲(解除)
ロッキーの雄大な自然が画面一杯に映し出されていて、見ているうちになにか哲学的な気分になってくる映画。原作があるとのことなので、その辺は読んだ方がいいかも。
30年ぶりで、ストーリーはほとんど忘れていた。雪山のシーンばかりが印象に残っていたが、勿論、数年に渉る話なので、雪以外のシーンもある。
ある映画サイトを覗くと、コレを見て号泣したという男性がいた。確かにそういうシーンもある。男が感動する作品ですな。
ユタの山の中に“サンダンス”という広大な土地を持っているというレッドフォード。二枚目とは無縁で、髭をぼうぼうに伸ばしてジョンソンを演じています。
レッドフォード=ポラックのコンビのこの他の作品には、「雨のニューオリンズ(1965)」「追憶(1973)」「コンドル(1975)」「出逢い(1979)」など沢山ありますが、一番有名なのはアカデミー作品賞を獲った「愛と哀しみの果て(1985)」でしょう。
考えてみたら、「雨のニューオリンズ」は観てなかった。今度観てみよう。
「コンドル」はスパイもののサスペンス。「追憶」は相手役(バーブラ・ストライサンド)が難点だが、主題歌が忘れられんです。
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追記:道案内を頼む白人達の先頭に宣教師がいるが、横着な人間として描かれている。又、インディアンのお嫁さん(スワンという名だった)は、その部族がフランス人にキリスト教を教えられたため食事の前に十字を切ったりするが、ジョンソンはやめて欲しいようなことを言う。ジョンソンが、宗教に関して懐疑的であったことが伺えますな。確かに、大自然を相手にした時には神の存在など関係ないのかも知れない。(04.29 Fri)
・お薦め度【★★★=一度は見ましょう、私は二度見ましたが】
使用中だったということですか?それはそれは
>お話を歌で伝えるバラッド形式で進行しているわけでして・・
♪ジェレマイア・ジョンソン~
そういえば「さすらいのカウボーイ」もそんな感じだったなぁ。
僕も主人公の名前と映画の原題としてこの名詞をよく覚えていまして、同じようなことを書こうとしておりましたが、パソコンが壊れた影響で、すっとんでしまいました。
ニューシネマ西部劇というイメージが強かったのですが、意外にもお話を歌で伝えるバラッド形式で進行しているわけでして、土台はオーソドックスだったのですね。
しかし、詩的な素晴らしい作品でした。
多分、映画の印象は変わってないように思います。
レッドフォードファンだったので見たんですが、ま、女性映画というよりは男性映画的な内容ですよね。
「イントゥ・ザ・ワイルド」未見なので、覚えておきます。
わかります、大自然と向き合うと、おのずと自分とも向き合うことになりますよね~。
こういうところも「イントゥ・ザ・ワイルド」を連想しました。
十瑠さんは40年前と10年前にご覧になってるんですね。観る時期によって印象も変わってくるでしょうか?
とくに男性には感じるもののある作品なのかな。
でもこの映画といい、ダンス・ウィズ・ウルブズ
といい他のインディアンが登場してくる映画を見ても、当時の開拓時代の厳しさやインディアンの恐ろしさ(もちろん良いインディアンも登場しますが)、慣わしなど、色々興味深いことを知らされます。
もし、ありましたらお教え下さい。
また、お邪魔します。