監督 ルー・アントニオ
音楽 デヴィッド・シャイア
出演 ジェフリー・ライナス、マーク・シンガー、ジェラルディン・S・オルーリン
1973年12月、プロ野球の三冠王など比べることも出来ない程の栄誉だという全米大学フットボール界の最高賞ハイズマン・トロフィーの授賞式が、ニューヨークからTV中継された。受賞者は、ペンシルバニア州立大学のジョン・キャパレッティ。彼のスピーチは副大統領をはじめとする列席者に、自分の父母、兄弟、姉妹を感謝の意を込めて紹介することで終わろうとしていたが、11才の末弟ジョーイを紹介する瞬間に至って、不意に激情にかられた彼は、ジョーイが不治の白血病と戦う身であり、その想像を絶した苦しみに比べれば、自分のフットボールにおける苦しみはなにほどのこともない、トロフィーは弟のものだと叫ぶ。青春の栄誉をたたえる最高の舞台で、ドラマチックに明かされた若者のスポーツに賭ける情熱の動機が最愛の肉親の生命に対する限りない激励であり、その運命の苛酷さに対する怒りの挑戦であったかという事実、その事実が全米を感動させた、泣かせた。
監督はTVの『警部マクロード』『ロックフォードの氏の事件メモ』などで注目を浴びたルー・アントニオ。
音楽はデヴィッド・シャイアが担当。公開当時、日本ではサントラはリリースされなかった。代わりにキャニオンのシネ・ディスクレコードからサントラ・スコア盤がドーナツ盤でリリースされ、関光夫氏の映画音楽番組でたびたびオンエアされたのを覚えている人も多いであろう。キャニオンおかかえのシー・バレンツ楽団の演奏ではないと思われるが、国内録音とはいえ、実によく出来ている。『ジョーイ』愛のテーマと「ジョン・キャパレッティのテーマ」の二曲収録。最近になり、サントラがリリースされた。
『ジョーイ』愛のテーマ