監督 クロード・ジディ
音楽 ボブ・ブローリー、トニー・レッドフィールド(日本版)
フランスには私立大学がないため、独特の国際バカロレア試験を実施している。この試験に合格しないと、フランスでは大学には入れない
。フランスに限らず、どこの国の大学入学資格取得の試験だという。
舞台はフランスのバカロレア国家試験のための、とある予備校。頭を使わずに楽をして難関を突破しようと、あれこれとアッと驚くカンニングのマル秘テクニックの数々を駆使する若者たちの青春喜劇。
音楽はフランス版ではボブ・ブローが担当しているが、日本公開版のみボブ・ブローリーの音楽と総入れ替えして、トニー・レッドフィールドが書いた主題歌二曲を含むすべての音楽を使っている。トニー・レッドフィールドは、数々の歌謡曲を世に送った赤野立夫氏で、日曜洋楽劇場のテーマ音楽もこの人が書いている。字幕版は日本公開されず、ジャニーズのタレントがほとんどのセリフを日本語に吹き替えている、何ともニセトラをそのまんまにしたような映画。
キャサリンなる得体の知れない女性歌手が歌う「ザ・カンニング・メイン・テーマ」と「ザ・カンニング・サブ・テーマ」は、ウラジミール・コスマを思わす、どこか間の抜けた爽やかさの感じる曲。実際、続編の『ザ・カンニング2』は、ウラジミール・コスマが音楽担当である。
『ザ・カンニング・メイン・テーマ』
『ザ・カンニング・サブ・テーマ』
これも本来のサントラも、はじめからそんなもんだと思って聞けば両方とも違和感のない仕上がりですね。
唯一問題があるとすれば、ニセモノの方はフランス映画なのになぜか歌詞が英語ということですが。
ただ、なぜわざわざ音楽の総入れ替えなんて作業を行ったのかは謎です。強いて言うなら、元々の方は多少エレクトロニック色が見られますが、それが理由とも思われません。