テーブルの上に乗って行儀の悪い猫である。でも今回のお題はそこではない。ライカにおける僕のメインレンズは、ズミクロンM35mm(ASPH)である。第4世代と呼ばれるもので、1997年に発売されたレンズである。2016年に細部がリニューアルされたが、基本的にほぼ同じ設計のレンズが今でも販売されている。25年以上に渡り、設計がほぼ変わらない、定番中の定番レンズである。カミソリズミクロンの異名を持っている。
しかしながら実際に使っていると、これは極めて凡庸なレンズでもある。食べ物でいえば「味噌汁」のようであり、染み染みとして欠かせない存在ではある。でも派手さは感じず地味な味なのである。もしかすると僕のズミクロンだけ何か問題があり、他のズミクロンよりも描写が劣るのではないか。そう思ったことも一度や二度ではない。その不安を払拭するように時々、切れ味鋭い描写を見せてくれることもある。今回の生活臭溢れる銀次郎(飼い猫)の写真。例によってブログ画質では分かりにくいが、絞り開放で珍しくピントが完璧に合った。毛の質感も、首輪についたネームタグも、瞳の写り込みも、無駄に完璧だった。出来れば、こんな写真ではなく、もっと違う場面でその描写を見せて欲しいと思う。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMICRON M35mm ASPH
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