No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

飛翔

2016-12-19 | 街:秋田

今回の写真は解説が難しい。実はこの画像のイメージは、もう10年前から僕の頭の中にある。それは何の前触れもなく、突然頭の中に浮かんだ。カラスが餌を咥えたまま跳び立つ。その姿はシルエットとなり、羽の複雑な重なりがまるで影絵のように浮き立つ。僕には珍しく、くっきりと明確なイメージだ。ここからが複雑なのだが、だからと言って僕はそれを撮ろうと意識したことも努力したこともない。カラスを撮る努力というのも変だけど、とにかく努力なんかしていない。にも関わらず、時が来ればそのイメージを撮るであろうことは分かっていたのだ。

そして、先週末に幾つかの偶然が重なり、突然その写真を撮ることになった。実際には若干イメージとは異なる。僕のイメージでは、もう少し左前方に回り込んだ位置から撮るのだけど、それは大した問題ではない。頭の中にイメージが湧いて、それを後日形にしたことに意味があるのだと思う。カラスだけど・・・。生き物は全身全霊を込めて生を全うし、カラスですら美しい瞬間がある。「ですら」って失礼か。


LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH


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