前回に引き続き、スピーカーユニットの固定方法について紹介していきます。まずは、後ろから引っ張るタイプのスピーカーユニットの固定方法についてです。
この方法に熱心なのが、皆さんご存じ「B&W」です。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/802-d4
こちらは「802d4」というスピーカーのミッドレンジです。アルミニウムかSUSかは分かりませんが、金属の棒が背面まで伸びているのが分かります。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/702-signature
下位機種の「702 Signature」でも同様に、ミッドレンジの磁石から伸びる棒が見受けられます。
興味深いのは、赤丸で囲った部分にバネ状の部品が見られることです。800シリーズのミッドレンジが入るエンクロージュアは金属のアルミニウムで作られた「タービンヘッド(旧ノーチラスヘッド)」であるのに対し、700シリーズでは木製のエンクロージュアに格納されます。木材は金属と異なり湿度での伸縮が起こりやすいため、それに耐えられるようバネ部品を使っているものと思われます。
さらにその下位機種にあたる「603S2 AE」では、ミッドレンジはバッフル面にネジ止めになっているようです。この辺は、コストパフォーマンスとの兼ね合いを考えての判断と思われます。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/603-s2-anniversary-edition
<「603S2 AE」の構造>
このように、B&Wの上位機種のミッドレンジは「後ろから引っ張る」方式で固定されています。しかしながら、ウーハーとツイーターは異なるようです。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/801-d4
まず、ウーハーはバッフル面にネジ止めする方式です。バッフル面をアルミニウム部材で強固にすることで、十分な制振効果を得ているものと思われます。とくに上位機種では、ウーハーユニットの重量が大きくなり、このような固定方法が採用されたものと思われます。
このアルミニウム部材は、内部の補強構造(Matrixブレーシング)と一体化しており、疑似的に下から支える方法になっているとも言えます。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/803-d4
<Matrixブレーシングは、下から支える効果を生む?>
ツイーターの固定方法については、あまり明確な資料を見つけることができませんでした。有名な流線形上のボディ(ソリッドボディー・トゥイーター・オントップ・ハウジング)と一体化され、デカップリング(本体と非結合)されているものと思われます。いわゆるフローティングに近い構造なのではないでしょうか。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/805-d4
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/802-d4
B&W以外に、「後ろから引っ張る」固定方法をしているメーカーがあるか探しましたが、殆ど見つけることができませんでした。唯一あったのが「TIME DOMAIN(タイムドメイン)」です。
「Yoshii9」というタイムドメイン社を代表するスピーカーでは、図のようにスピーカーユニットから吊るされた棒があります。棒の質量により、ユニットは適度なテンションで常に引っ張られることになります。
http://www.timedomain.co.jp/tech/theory/td_theoryA4.pdf
「後ろから引っ張る」固定方法は、振動板の反作用を効果的に支持する方法として好ましいものと思われます。
しかし、その支持する張力を長期にわたって維持することができるか?など、構造的に難しい面があるものと思われます。B&Wとタイムドメイン以外にも採用例があれば、情報を頂きたいと思います。
なお、サブウーハーの世界では、左右対称にユニットを配置し、その背面を結合する方法がしばしばとられます。
https://www.eclipse-td.com/products/td520sw/index.html
これについては、また次回説明しようと思います。
お楽しみに!
ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。
この方法に熱心なのが、皆さんご存じ「B&W」です。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/802-d4
こちらは「802d4」というスピーカーのミッドレンジです。アルミニウムかSUSかは分かりませんが、金属の棒が背面まで伸びているのが分かります。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/702-signature
下位機種の「702 Signature」でも同様に、ミッドレンジの磁石から伸びる棒が見受けられます。
興味深いのは、赤丸で囲った部分にバネ状の部品が見られることです。800シリーズのミッドレンジが入るエンクロージュアは金属のアルミニウムで作られた「タービンヘッド(旧ノーチラスヘッド)」であるのに対し、700シリーズでは木製のエンクロージュアに格納されます。木材は金属と異なり湿度での伸縮が起こりやすいため、それに耐えられるようバネ部品を使っているものと思われます。
さらにその下位機種にあたる「603S2 AE」では、ミッドレンジはバッフル面にネジ止めになっているようです。この辺は、コストパフォーマンスとの兼ね合いを考えての判断と思われます。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/603-s2-anniversary-edition
<「603S2 AE」の構造>
このように、B&Wの上位機種のミッドレンジは「後ろから引っ張る」方式で固定されています。しかしながら、ウーハーとツイーターは異なるようです。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/801-d4
まず、ウーハーはバッフル面にネジ止めする方式です。バッフル面をアルミニウム部材で強固にすることで、十分な制振効果を得ているものと思われます。とくに上位機種では、ウーハーユニットの重量が大きくなり、このような固定方法が採用されたものと思われます。
このアルミニウム部材は、内部の補強構造(Matrixブレーシング)と一体化しており、疑似的に下から支える方法になっているとも言えます。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/803-d4
<Matrixブレーシングは、下から支える効果を生む?>
ツイーターの固定方法については、あまり明確な資料を見つけることができませんでした。有名な流線形上のボディ(ソリッドボディー・トゥイーター・オントップ・ハウジング)と一体化され、デカップリング(本体と非結合)されているものと思われます。いわゆるフローティングに近い構造なのではないでしょうか。
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/805-d4
https://www.bowerswilkins.com/ja-jp/product/loudspeakers/802-d4
B&W以外に、「後ろから引っ張る」固定方法をしているメーカーがあるか探しましたが、殆ど見つけることができませんでした。唯一あったのが「TIME DOMAIN(タイムドメイン)」です。
「Yoshii9」というタイムドメイン社を代表するスピーカーでは、図のようにスピーカーユニットから吊るされた棒があります。棒の質量により、ユニットは適度なテンションで常に引っ張られることになります。
http://www.timedomain.co.jp/tech/theory/td_theoryA4.pdf
「後ろから引っ張る」固定方法は、振動板の反作用を効果的に支持する方法として好ましいものと思われます。
しかし、その支持する張力を長期にわたって維持することができるか?など、構造的に難しい面があるものと思われます。B&Wとタイムドメイン以外にも採用例があれば、情報を頂きたいと思います。
なお、サブウーハーの世界では、左右対称にユニットを配置し、その背面を結合する方法がしばしばとられます。
https://www.eclipse-td.com/products/td520sw/index.html
これについては、また次回説明しようと思います。
お楽しみに!
ひのきスピーカー「SOLA Mk2」の詳細はこちら。
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