子育て・私流

子供を三人育て、孫も五人になった。
男親の私がどのように考え、子供や孫に接してきたかを書く。

6 戦後の結婚事情・私の場合 その3

2008年12月24日 | 私が歩んできた道を振り返って
昭和31年である。(1956)私も26才になった。
サラリーマンになって6年を経過していることになる。

その2年後の昭和33年には「東京タワー」が開業した。
同時に「一万円札」が新規に発行されている。

歌謡曲は、島倉千代子さんの「からたち日記」が流行していることを覚えている。
     井沢 八郎さんの「ああー上野駅」の歌につれられて、
     東北地方から、集団列車で東京に上京して来た人が上野に大勢上京してきた記憶がある。

26才から28才までの職場での仕事の責任もますます重くなり、仕事量も増えた。
最初の仕事は、「出納業務」で、夜間大學に行くという事で、全体の仕事で一番早く終わる分野に配属してもらい、20才から4年間勤めた。
夜間大學卒業後は、「預金業務」に回されて3年間経験した。
さらに、融資係の窓口を2年勤める。
その後、27才から「営業係」に回されて、外周り。預金・積金の勧誘、集金を担当する。

20才で就職して、同じ店舗で9年間いたことになり、転勤の辞令が出る。
周りの仲間は、既に転勤しており、私が同期の中では一番永い期間同じ店舗にいたことになる。

《この時機の私の結婚事情》

前項でも書いたが、家庭でのお袋のお茶のみ話にも出てくるが、「婿入り」の話が二つ、わたしの頭の上を通りすぎていった。

 A.婿入り話が頭をかすめていく。
 B.職場での男女の交際事情。
 C.職場以外での仕事上の結婚話。

私が結婚に至る話は以上の3つに分けられる。

 A.この話は、前項でも書いたので省略する。

 B.職場手の男女の交際事情。

ここは、色々書くことがある。
一つは、「男女交際ご法度」が、三代目の支店長から言明されていたので、やたらと女子職員とぺらぺらと話しをしていると、支店長に呼ばれて注意される。

私は、晩熟(おく)で女子職員に向かって上手く話すことが不得手であった。
支店長に言われた「男女交際ご法度」が自分の頭から離れないという事もある。

ただ、こんな事情を乗り越えて、同期の若者の中には上手く交際している者も出てきている。

専ら私の関心は、「ハイキング」「夏の海水浴」「冬のスキー」に向かっていた。
この、職場外の行事に、最近は職場の女子も参加してくるようになり、女子職員の素顔(性格)や家庭事情などが少し判るようになってきた。

ある日曜日、今日は予定が何も無いので、自宅で午前11時近くまで寝ていたら、隣の襖の向こうで、お袋と近所の人がお茶のみ話をしていた。
その話のなかで「嫁さんをもうなら、お尻が大きくて、おっぱいが大きく人がいいのだよ。」と言っている。
こういう女の子は、「安産型」だからね。

もう一つ「家庭を任せる女性は、顔じゃないよ。器量(心だよ)と。」言っている。
隣の部屋で寝ている私は、「そうなんだ」と思った。

嫁さんの条件は、「安産タイプで、器量(心優しい人)」と言うイメージが、私の心の中に沁み込こんだ。

《職場外の行事で》

「ハイキング」「海水浴」「スキー」などを実施する時に必ずと言ってよいほど、一人の女子職員が休まず参加してくる。
この女子職員は、「キヤンプでのカレーライス」の作り方もわからず、ジャガイモの皮も上手く剥けない女子だった。

だが、「顔じゃないよ、器量(心だょ)」だが「尻が大きい安産型」だと言うお袋の言葉が私の耳に響いた。

少し私が気を引かれる女子職員だ。家庭も「取引先の中小企業の次女」であるということもわかった。
親が取引先の人だというと、特に注視しなければ拙い。

《もう一つの結婚話し》
 
 C.職場以外での仕事上の結婚話。

私が27才過ぎに外回りになって1年目、店舗の近くの中小企業に集金に伺うと、何時もは奥さんがお茶を出してくるのだが、奥さんは居るのに、最近娘さんがお茶を運んでくるようになった。
それから半年になる頃、「貴方は結婚されているの」と社長が聞いてきた。
「いいえ」と応えると、「良かったら、家の娘と付き合ってくれないか」との申し出があった。
この家は、娘さんに姉さんがいて、婿さんが仕事をやっているので、「婿入り」の話ではない。

まだ、交際しているわけではないが、「職場にいる女子職員」が相性もよさそうだしと思い、集金先の話は、数か月後に丁寧に断った。
後で外から聞いた話では、社長の奥さんは、後妻で花街の芸者だった人だという。
道理で凄く美人である。話の出た娘さんは、後妻の子供であるという。
この娘さんがまた凄く「美人」で、素直なやさしい感じの人だった。「もったいない」と今でも思うが、お袋の言葉「顔じゃないよ心だよ」の声が私の胸に響いた。

しかし、これを契機に勤務先の女子職員に急接近することになった。