昭和28年(1953)現在の私は24才になりました。
職人から転身してサラリーマンになって4年経過した。
石の上も3年のつもりも超えました。
私は、定時制高校を戦争のため普通より2年遅れ、通常は18才ですが私は、20才で卒業し就職したのです、
(夜間の高校は4年で卒業です。ここで1年遅れています。)
当時、昼間は親父の仕事「レンガ職人」の手伝い「土方仕事」をしながら、夜間に定時制の商業高校に通学していました。
高校の同級生が「地元の信用金庫」の求人募集に30人のクラスから、10人程信用金庫に応募して入庫していきました。
私も、この機会を逃さずに「職人からサラリーマン」に転身したのです。
石の上にも3年の覚悟で「職人生活からサラリーマン」になったのです。
(この経緯は、前文!の 勤めながら夜間大学に行きたい)に書きましたのでお読み下さい。
《新支店長の仕事振り 2》
1か月に一回の支店職員の全体会議は休まずに、新支店長になってから開かれています。
① 新支店長の人柄も大分わかってきました。
こわもて、と当初思われていましたが、それほどでもないと言うことが少しずつ職員に解るようになってきました。
これは、「金融機関の仕事が殆どわからない。」ことから。
「貸し出しの焦げ付きを作ってはいけない。」
「職員の不詳事件が発生してはいけない。」
「職場のモラルの低下してはいけない。」
こんなことに気を使っている様子だ。
普段の「こわもて」怖い顔に、この心配事が加わり普段は「ブス」とした態度のようです。
② 月一回の会議の準備と後片付け。
会議は、土曜日の12時閉店後、昼食事が終わったころからはじまります。
新支店長は、役所出ということか、毎月一回の全員会議はかかしません。
毎月一回とはいえ、会議の準備は大変です。
当時の支店には、会議室がありませんでしたから、会議の都度真ん中の事務席に4個の机を移動してきてつなげ。
35人前後の職員が全員顔が揃うようにしてから始まります。
この4個の事務机を移動するわけですが、いつも若い男子職員が呼ばれてやるのですが。
要領のいい若手は、この時間になると、何時も何処かに消えて姿が見えません。
毎回、この仕事をする若手の男子は決まって、同じ人で4個の事務机の移動です。
職人から転身した私としては、「サラリーマンとは、なんと要領のいい集団なのか」という思いがします。
違うよ、長老が言いました。
「要領が悪くて、いいのだよ。サラリーマンは、要領が悪いぐらいがいい。とくに若い内はな。」
「まあ、なにごとにも、真面目に、蔭・日なたなくやる者は、ちゃんと人は見ているものだからな。」
「要領を旨とする若者は、結局先にいってバカを見ると言うのが、世間の常識だからな。貴方がたは真面目にやりな。」
3 《会議の後始末》
翌週の月曜日の朝、出勤してきた女子職員が騒いでいます。
「私の机ではない。」「引き出しの文房具類が違う。」と言うのです。
とっさに、「昨日の全体会議の際の机の後始末が上手くないのだな。」
と私は思いましたので、騒いでいる女子職員の傍に行って調べました。
土曜日の会議終了後に机を移動したのは、何時も準備や後片付けをしない。
若手の男子職員が、新支店長に捕まって命令されて、後かたずけをしたことが判りました。
《私の解決作》
そこで、今度は間違いなく、4個の机の移動の後始末が誰でも上手く出来るように、こんな風にしました。
移動する事務机、4個の足元に「A・B・C・D」と書いた小さな紙を貼りました。
さらに、事務机の「足元の床に」も「A・B・C・D」の印をつけておきます。
次回の会議の時にでも、逃げ回る若手男子職員に、この用にしてあるからと言う説明をしました。
結果、この後には事務机の移動についての問題が発生しなくなりました。
職人生活を6年も経験してきた私としては、このようなことは、さして難しいことではありません。
④ 《朝の挨拶・新支店長の狙い》
毎朝、職員が出勤してくると必ず、「新支店長の机の上にある出勤簿に印鑑を押します。」
当然に「職員から、おはようございます。」の朝の挨拶をするわけですが。
この職員の挨拶には、小さい声で「おはよう」の返事があります。
しかし、中には印鑑を黙って押して「支店長に挨拶をしない若い職員もいます。」
先にも、書きましたが、職員から挨拶の無いものには支店長から「おはよう」の挨拶を返しません。
「偉そうに」「変な人」と言う職員の評価が出ていましたが。
新任してきて、6か月立ちましたが、この「おはよう」の挨拶の仕方・やり方は変わりません。
何か支店長としては、考えがありそうです。
この件については、次回に。
職人から転身してサラリーマンになって4年経過した。
石の上も3年のつもりも超えました。
私は、定時制高校を戦争のため普通より2年遅れ、通常は18才ですが私は、20才で卒業し就職したのです、
(夜間の高校は4年で卒業です。ここで1年遅れています。)
当時、昼間は親父の仕事「レンガ職人」の手伝い「土方仕事」をしながら、夜間に定時制の商業高校に通学していました。
高校の同級生が「地元の信用金庫」の求人募集に30人のクラスから、10人程信用金庫に応募して入庫していきました。
私も、この機会を逃さずに「職人からサラリーマン」に転身したのです。
石の上にも3年の覚悟で「職人生活からサラリーマン」になったのです。
(この経緯は、前文!の 勤めながら夜間大学に行きたい)に書きましたのでお読み下さい。
《新支店長の仕事振り 2》
1か月に一回の支店職員の全体会議は休まずに、新支店長になってから開かれています。
① 新支店長の人柄も大分わかってきました。
こわもて、と当初思われていましたが、それほどでもないと言うことが少しずつ職員に解るようになってきました。
これは、「金融機関の仕事が殆どわからない。」ことから。
「貸し出しの焦げ付きを作ってはいけない。」
「職員の不詳事件が発生してはいけない。」
「職場のモラルの低下してはいけない。」
こんなことに気を使っている様子だ。
普段の「こわもて」怖い顔に、この心配事が加わり普段は「ブス」とした態度のようです。
② 月一回の会議の準備と後片付け。
会議は、土曜日の12時閉店後、昼食事が終わったころからはじまります。
新支店長は、役所出ということか、毎月一回の全員会議はかかしません。
毎月一回とはいえ、会議の準備は大変です。
当時の支店には、会議室がありませんでしたから、会議の都度真ん中の事務席に4個の机を移動してきてつなげ。
35人前後の職員が全員顔が揃うようにしてから始まります。
この4個の事務机を移動するわけですが、いつも若い男子職員が呼ばれてやるのですが。
要領のいい若手は、この時間になると、何時も何処かに消えて姿が見えません。
毎回、この仕事をする若手の男子は決まって、同じ人で4個の事務机の移動です。
職人から転身した私としては、「サラリーマンとは、なんと要領のいい集団なのか」という思いがします。
違うよ、長老が言いました。
「要領が悪くて、いいのだよ。サラリーマンは、要領が悪いぐらいがいい。とくに若い内はな。」
「まあ、なにごとにも、真面目に、蔭・日なたなくやる者は、ちゃんと人は見ているものだからな。」
「要領を旨とする若者は、結局先にいってバカを見ると言うのが、世間の常識だからな。貴方がたは真面目にやりな。」
3 《会議の後始末》
翌週の月曜日の朝、出勤してきた女子職員が騒いでいます。
「私の机ではない。」「引き出しの文房具類が違う。」と言うのです。
とっさに、「昨日の全体会議の際の机の後始末が上手くないのだな。」
と私は思いましたので、騒いでいる女子職員の傍に行って調べました。
土曜日の会議終了後に机を移動したのは、何時も準備や後片付けをしない。
若手の男子職員が、新支店長に捕まって命令されて、後かたずけをしたことが判りました。
《私の解決作》
そこで、今度は間違いなく、4個の机の移動の後始末が誰でも上手く出来るように、こんな風にしました。
移動する事務机、4個の足元に「A・B・C・D」と書いた小さな紙を貼りました。
さらに、事務机の「足元の床に」も「A・B・C・D」の印をつけておきます。
次回の会議の時にでも、逃げ回る若手男子職員に、この用にしてあるからと言う説明をしました。
結果、この後には事務机の移動についての問題が発生しなくなりました。
職人生活を6年も経験してきた私としては、このようなことは、さして難しいことではありません。
④ 《朝の挨拶・新支店長の狙い》
毎朝、職員が出勤してくると必ず、「新支店長の机の上にある出勤簿に印鑑を押します。」
当然に「職員から、おはようございます。」の朝の挨拶をするわけですが。
この職員の挨拶には、小さい声で「おはよう」の返事があります。
しかし、中には印鑑を黙って押して「支店長に挨拶をしない若い職員もいます。」
先にも、書きましたが、職員から挨拶の無いものには支店長から「おはよう」の挨拶を返しません。
「偉そうに」「変な人」と言う職員の評価が出ていましたが。
新任してきて、6か月立ちましたが、この「おはよう」の挨拶の仕方・やり方は変わりません。
何か支店長としては、考えがありそうです。
この件については、次回に。