不思議な謎を提示して、みなを驚かせたり楽しませたりする。
そう聞いて、普通の人が思い浮かべるのは、「マジック」と「ミステリー」だと思います。
不思議さをエンターテインメントにするという点で、このふたつは似通っていますが、まるで違う点もあります。
きょうは、そこに焦点を当てて、南野の個人的な考えを述べてみたいと思います。
南野が思うに、両者の決定的な違いは、「マジック」は種をばらさないのに対し、「ミステリー」は必ず種をばらすことです。
これはいったいなぜでしょう?
マジックではマジシャンが観客に対し、演じているときがもっとも楽しませるべき時であり、逆に言えば、マジシャンは不思議なことを演じて、観客を楽しませる必要があるのです。
見ている方も、目の前でつぎつぎと不思議なことを演じられることで、わくわくしてみていられるのです。
もし、観客があらかじめすべてのトリックをわかっていればどうなるでしょう?
興味半減になることは間違いありません。
だからマジシャンはけっして種を割ろうとしません。(例外はあるかもしれませんが)
これに対してミステリー作家はどうでしょうか?
作品の中でどんなに不思議なことを書いても、それだけでは読者はけっして驚いてくれません。
それはなぜか?
文章で書くだけなら、どんな不思議なことだって簡単に書けるからです。
これがマジックとの決定的な差です。
ではミステリー作家はいつ読者を驚かせればいいのでしょう。
それはトリックを割ったときなのです。
不可能状況を、説明するとき。あるいは読者が考えもしなかった人物を犯人だと指摘するとき。
そのときになって、読者ははじめて驚いてくれるのです。
そうです。南野が長々と書いたのは、これが言いたかったためです。
ミステリー小説とは、種を割ったときに、読者を驚かせ、そして楽しませる小説なのです。
だからこそ、すべてのミステリーでは謎が解かれるわけです。
そして、これ重要。
たとえ、合理的に謎が解かれようと、それによって驚きがなければ、そのミステリーは詰まらないということです。
もちろん、別のおもしろさで引っぱるタイプのミステリーもあるかもしれませんが、すくなくとも本格ミステリーではこの驚きは大切です。
南野はそう信じています。
だから、ミステリー作家には、種を割ったとき、な~んだとあきれるような作品は書いて欲しくありません。
そして南野自身も、ミステリーを書くときは、読者を驚かせようと、ない知恵を絞るのです。
まあ、今だにミステリーの賞で認められていないわけですから、その努力が足りなかったのかもしれませんが……。
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そう聞いて、普通の人が思い浮かべるのは、「マジック」と「ミステリー」だと思います。
不思議さをエンターテインメントにするという点で、このふたつは似通っていますが、まるで違う点もあります。
きょうは、そこに焦点を当てて、南野の個人的な考えを述べてみたいと思います。
南野が思うに、両者の決定的な違いは、「マジック」は種をばらさないのに対し、「ミステリー」は必ず種をばらすことです。
これはいったいなぜでしょう?
マジックではマジシャンが観客に対し、演じているときがもっとも楽しませるべき時であり、逆に言えば、マジシャンは不思議なことを演じて、観客を楽しませる必要があるのです。
見ている方も、目の前でつぎつぎと不思議なことを演じられることで、わくわくしてみていられるのです。
もし、観客があらかじめすべてのトリックをわかっていればどうなるでしょう?
興味半減になることは間違いありません。
だからマジシャンはけっして種を割ろうとしません。(例外はあるかもしれませんが)
これに対してミステリー作家はどうでしょうか?
作品の中でどんなに不思議なことを書いても、それだけでは読者はけっして驚いてくれません。
それはなぜか?
文章で書くだけなら、どんな不思議なことだって簡単に書けるからです。
これがマジックとの決定的な差です。
ではミステリー作家はいつ読者を驚かせればいいのでしょう。
それはトリックを割ったときなのです。
不可能状況を、説明するとき。あるいは読者が考えもしなかった人物を犯人だと指摘するとき。
そのときになって、読者ははじめて驚いてくれるのです。
そうです。南野が長々と書いたのは、これが言いたかったためです。
ミステリー小説とは、種を割ったときに、読者を驚かせ、そして楽しませる小説なのです。
だからこそ、すべてのミステリーでは謎が解かれるわけです。
そして、これ重要。
たとえ、合理的に謎が解かれようと、それによって驚きがなければ、そのミステリーは詰まらないということです。
もちろん、別のおもしろさで引っぱるタイプのミステリーもあるかもしれませんが、すくなくとも本格ミステリーではこの驚きは大切です。
南野はそう信じています。
だから、ミステリー作家には、種を割ったとき、な~んだとあきれるような作品は書いて欲しくありません。
そして南野自身も、ミステリーを書くときは、読者を驚かせようと、ない知恵を絞るのです。
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