地中海沿岸地域が原産地といわれ,戦後一般に知られるようになったブロッコリーの公式の生産統計は,意外と新しく平成1年(1989)からである。この年の収穫量は8万8,800トン(8,150ha)であった。その後,一時減少期もあったが,手軽にいろいろな料理に用いられることなどから,生産も増加基調を続け,26年には史上最高の14万5,600トンを記録した。
旧来の多くの野菜が横ばい,ないしは減少する中で,今後,需要増が期待できる数少ない野菜の一つであろう。
冷涼な地での栽培が盛んで,主な都道府県別収穫量は下図の通りである。
ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』(平成2年1月から品目別調査<購入金額,数量,価格>の対象)をみてみると,下図の通り,堅調に推移している。なお,11年以前は農林漁家世帯を除く結果,12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。
都市別にみると,上位に関東地方の都市が,下位に西日本の都市が多い。最多購入量(相模原市:1,976g)と最少購入量(福井市:875g)とは2.3倍の差,変動係数は18.1%で,大根(2.2倍,18.8%)やほうれん草(2.5倍,18.2%)に近い値となっている。なお,那覇市は購入量が少ないにもかかわらず,食料費に占める割合が高いのは,価格(56.26円/100g)が掲載都市の中で最も高いためである。全国平均(掲載都市の平均ではない)は45.67円。価格の最高値と最低値(長崎市:36.58)とは1.5倍の差,変動係数は10.1%である。
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