諸々雑記メモワール

諸事,気にとめたことなどを書きしるしたいと思います。

食の数字は語る 10万4,400トン レンコンの史上最高の収穫量 (昭和48年産<1973>)

2015-09-30 23:00:06 | 日記

レンコン(蓮根)は承和14年(847)慈覚大師が唐から持ち帰ったのが全国に広まったという。蓮が城の堀に植えられていたのは備蓄用としての機能を果たしていたともいわれている。

レンコンの史上最高の収穫量は昭和48年産の10万4,400トン(作付面積:6,180ha)である。その後,減少に転じたが,このところ,6万トン前後で推移している。

平成26年産は5万6,300トン(3,910ha)であった。

 

主な都道府県別収穫量は下図の通りである。半数強を占める茨城県は霞ケ浦周辺の土浦市など,徳島県は鳴門市など,佐賀県は白石町などが主産地である。

 

 ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』でみてみると,下図の通り,消費は上向き傾向にある。これを反映し,食料費に占める割合も上昇傾向にある(12年:0.08%→26年:0.12%)。レンコンの薬効などが知られるようになったことなども背景にあるのかもしれない。食料費に占める割合が上昇傾向を示す野菜は少ない。

 

 都市別に購入量をみると,産地県の佐賀市や水戸市は上位2位,6位にランクインしているが,徳島市や名古屋市,「辛子レンコン」で知られる熊本市は全国平均以下。最多購入量(北九州市:894g)と最少購入量(鳥取市:105g)とは8.5倍の差,変動係数は41.3%で,都市間格差の大きい野菜の一つである。なお,購入価格については,最高値(札幌市:123.22円/100g)と最安値(佐賀市:49.47円)の差は73.75円,変動係数は17.6%である。都市の購入価格と購入量との間には弱い相関関係がある(R=0.6644)。

食料費に占める割合の最高都市は金沢市(0.22%),最低都市は鳥取市(0.04%)。全国平均は0.12%(都市平均ではない)。

 

 


食の数字は語る 65万9千トン サトイモの史上最高の収穫量 (昭和11年産<1936>)

2015-09-30 10:13:00 | 日記

縄文時代に米より先に主食化されていたともいわれるサトイモは東南アジア方面から伝来したという。サトイモの名称は山地に自生する山芋に対し,里や野畑で栽培される芋に由来するという。長い歴史を有する作物だけに全国各地に多くの種類の品種が作出された。正式の生産統計が開始された明治42年産は52万3千トンで,大根(264万4千トン)に次いで生産量の多い野菜であった。その後,漸増し,昭和11年には史上最高の65万9千トンを記録した。その後は他の野菜の出回りなどから減少傾向にある。

 

 

 平成26年産はピーク時の4分の1の16万5,700トンであった。

サトイモの大部分を占める秋冬サトイモの主な都道府県別収穫量は下図の通りである。

ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』でみてみると,下図の通り,収穫量の場合と同様に,消費も減少傾向にある。購入価格は上昇傾向にあるが,26年の価格(47.71円)は22年前の価格(4年:47.97円)を下回っている。消費の減少に伴い,食料費に占める割合も低下している(昭和45年:0.24%→平成26年:0.10%)。なお,11年以前は農林漁家世帯を除く結果,12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。

 

 

都市別に購入量をみると,産地県の新潟市や宇都宮市は上位1位,2位にランクイン。最多購入量(新潟市:1,283g)と最少購入量(札幌市:218g)とは5.9倍の差,変動係数は32.28%である。なお,北海道ではサトイモの生産は行われていない。購入価格については,最高値(札幌市:78.89円)と最安値(宇都宮市:27.54円)の差は51.35円,変動係数は19.2%である。

 都市の購入価格と購入量との間には弱い相関関係がある(R=0.4541)。

食料費に占める割合の最高都市は「芋煮会」で知られる山形市(0.20%),最低都市は青森市(0.04%)。全国平均は0.10%。なお,青森県ではサトイモの生産は行われていない。

 

 


食の数字は語る 60万4千トン カボチャの史上最高の収穫量 (昭和20年産<1945>)

2015-09-28 23:52:19 | 日記

 カボチャの名称は16世紀中葉にシャム(現タイ)の東カンボチャから渡来したことに由来するという。各地で改良,淘汰されて多くの種類のカボチャが生まれた。

正式の生産統計が開始された明治42年産は18万3千トンと10万トンを超えていた。戦時中から戦後にかけて食料増産の対象作物となり,昭和20年産は史上最高の60万4千トンを記録した。この年に史上最高の収穫をあげた作物は他にないようである。その後,食料事情の好転などに伴い減少傾向をたどる。

 平成26年産はピーク時の3分の1の20万トンであった。

主な都道府県別収穫量は下図の通りである。全国の約半分を占める北海道は上川管内などが主産地。

 ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』でみてみると,下図の通り,消費は減少傾向にあるが,減少に歯止めがかかるのではないかとも思われる。購入価格は上昇気味である。なお,11年以前は農林漁家世帯を除く結果,12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。

 

 

都市別に購入量をみると,産地北海道の札幌市は上位1位にランク。最多購入量(札幌市:2,323g)と最少購入量(那覇市:967g)とは2.4倍の差,変動係数は17.8%である。購入価格については,札幌市は安値2位にランク。最高値(静岡市:42.42円)と最安値(佐賀市:23.79円)の差は18.63円,変動係数は12.2%である。

都市の購入価格と購入量との間には相関関係はない(R=0.1897)。

食料費に占める割合の最高都市は相模原市(0.21%),最低都市は熊本市など7都市(0.12%)。全国平均は0.16%。

 

 


食の数字は語る 30万9千トン ゴボウの史上最高の収穫量 (昭和40年産<1965>)

2015-09-27 22:26:52 | 日記

中国から伝来したといわれいるゴボウは,食べているのは世界中で日本人だけだという。正月のおせち料理やキンピラ,煮ものには欠かせない素材である。

正式の生産統計が開始された明治38年産は10万700トンと10万トンを超えていた。その後漸増を続け,昭和40年産は史上最高の30万9千トンを記録した。その後は食生活の洋風化などの影響を受け,減少傾向にある。

平成26年産は15万5千トンで,ピーク時の50%減であった。

 主な都道府県別収穫量は下図の通りである。青森県は夏場,冷涼な気候の太平洋側が主産地。京都府には「堀川ゴボウ」,千葉県には「大浦ゴボウ」など各地に著名なゴボウがある。

   ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』でみてみると,下図の通り,消費は減少傾向にあるが,25年は上向きに転じたこともあり,減少に歯止めがかかるのではないかとも思われる。購入価格は上昇,下降を繰り返しているようである。なお,11年以前は農林漁家世帯を除く結果,12年以降は農林漁家世帯を含む結果である。

 

 

都市別に購入量をみると,産地県の青森市は上位10位。最多購入量(佐賀市:897g)と最少購入量(徳島市:356g)とは2.5倍の差,変動係数は18.9%である。購入価格については,最高値(神戸市:80.54円)と最安値(青森市:52.33)の差は28.21円,変動係数は9.9%である。下図の通り,価格の高い都市の購入量は少なく,安い都市は多いようであるので,両者の相関係数を算出したところ,「R=0.5278」(弱い相関)であった。