レンコン(蓮根)は承和14年(847)慈覚大師が唐から持ち帰ったのが全国に広まったという。蓮が城の堀に植えられていたのは備蓄用としての機能を果たしていたともいわれている。
レンコンの史上最高の収穫量は昭和48年産の10万4,400トン(作付面積:6,180ha)である。その後,減少に転じたが,このところ,6万トン前後で推移している。
平成26年産は5万6,300トン(3,910ha)であった。
主な都道府県別収穫量は下図の通りである。半数強を占める茨城県は霞ケ浦周辺の土浦市など,徳島県は鳴門市など,佐賀県は白石町などが主産地である。
ここで,家庭内での消費状況を『家計調査』でみてみると,下図の通り,消費は上向き傾向にある。これを反映し,食料費に占める割合も上昇傾向にある(12年:0.08%→26年:0.12%)。レンコンの薬効などが知られるようになったことなども背景にあるのかもしれない。食料費に占める割合が上昇傾向を示す野菜は少ない。
都市別に購入量をみると,産地県の佐賀市や水戸市は上位2位,6位にランクインしているが,徳島市や名古屋市,「辛子レンコン」で知られる熊本市は全国平均以下。最多購入量(北九州市:894g)と最少購入量(鳥取市:105g)とは8.5倍の差,変動係数は41.3%で,都市間格差の大きい野菜の一つである。なお,購入価格については,最高値(札幌市:123.22円/100g)と最安値(佐賀市:49.47円)の差は73.75円,変動係数は17.6%である。都市の購入価格と購入量との間には弱い相関関係がある(R=0.6644)。
食料費に占める割合の最高都市は金沢市(0.22%),最低都市は鳥取市(0.04%)。全国平均は0.12%(都市平均ではない)。