受法寺本堂建築誌

伝統木造工法により建築中です

敷き瓦

2006年11月28日 | Weblog
玄関の床には当初は御影石を使う事を考えていましたが、より温かみのある敷き瓦に変更し、四角いいぶし銀の日本瓦を張りました。

工事に当たるのは、タイル職人さんです。

陰翳礼讃

2006年11月28日 | Weblog
美装があり、工事のよごれやほこりを取り除き、現場を美しく引き渡せるようにされました。ガラスの桟も、一つ一つ丁寧に掃除をしていました。

谷崎潤一郎も、ガラスにするか障子にするか『陰翳礼讃』で迷っています。

近年の建てられた寺院の多くは、アルミ戸だけになったのは残念です。

受法寺では、内側は未晒し楮土佐和紙・腰茂障子、外側は 強化ガラスのはいった格子戸です。

本堂の外では高い防水・防犯・防音性と、中に入れば、障子を通して入る光が、木と土佐漆喰とともに、温もりをもたらしてくれます。

組物

2006年11月28日 | Weblog
昨日は BS-iの二時間番組で『唐招提寺 平成宮大工の挑戦~天平の技を今に受け継ぐ~』の放送があり、興味深く見ました。

1200年間その姿を何度かの大地震や台風などの災害、腐食や虫害を、大工の手による何度かの修復を経て、その姿を保ってきた知恵を紹介していました。

受法寺本堂でも、用途が合わなかった部分は残すことが出来なったですが、向拝にある虹梁・山内家の紋のある蛙股・龍鼻・組物は残し、痛みが激しい所は、埋木や新しく造り直し、昔の姿も残しています。

番組の地震の実験では、組物が釘を使わず固定しない事により、揺れがあったときに、ずれたり浮き上がることにより、振動を逃がしているのが目で確かめられました。