〈戯言・暢遍陀羅理〉
北海道の臍と言われる富良野の端の布部の端の石綿に居ると毎日のBGMの基本は、自然の響きと成る。
今の季節だとウチの辺りは雨、風、鳥、虫、草木が演奏家の中心だ。
時々、汽車と車の音が重ねて来るな。(北海道では汽車と言う、何故か知らんが。)
『あまおとをききいれひとりただすわる』
そんな事が案外心地好い。
もちろん、たまにはCDも聞いたりするが。
遍路巡礼や一年の坊さん学校生活で、レコードやCDやTVが無い生活をしていたので、それほど苦にならない。無いなら無いで何とか成る!で、ある。
で、たまには旭川や札幌のライブハウスに東京時代の知人がツアーに来ると顔を出すわけである。
互いに「おお!久し振りだな!」と再会を楽しむ。
富良野も音楽イベントは結構あるんで、誘われればブラリと顔を出すことも多い。
富良野は比較的、ロックンロール(ロカビリー系)、ブルースやフォーク系、そしてヘビィメタルが盛んだ。
全国どこでも、ロカビリー、メタル、パンク、Oi、サイコビリー、ヒップホップ、ゴス、ノイズは活動を維持するのが大変である。
それでもロカビリーは、キャロルを聞いた世代が五十代~六十代前半、ブラックキャッツの世代が四十代~三十代半ば、マックショーの世代が十代後半~三十代前半と全国諸地域でシーンが根付きつつあるようだ。
シーン=チーム=団結力=組織=企画力=動員力=イベント黒字と繋がる。
シーンが出来てくると遠い所からバンドを呼んでもツアーでまわってもらえても、チケット販売、観客動員、ライブの盛り上がり、ギャラを含めた諸問題をクリアーしやすい事が企画者、出演バンドから話しを聴かせて頂いてわかって来る。
よく『外見じゃないんだ!中身だ!』とは言うが、二十代半ば、三十代四十代五十代を過ぎてもリーゼント・長髪・髪立てる、ドレッドは、外見にこだわる格好付けだけでは、出来ない。これは音楽関係のみならず芝居関係もアート関係も格闘技関係も皆同じだ。
好きな音楽にこだわって、その音楽のファッションにもこだわり続けながら働いて生きるのと、普通に働いて、その時々による好きなジャンルをコピー&カバー&作曲するのでは違うと言う事である。
もちろん音楽もファッションもジャンルに嵌まらない生き方もあるが、これも大変だ。
食えないジャンルと分かっていてもやり続けるのは大変なのである。
函館でも札幌でも江別でも旭川でも富良野でも、そのバンド、そのライブハウスやクラブや劇場があるから、本州からツアーでまわって来ると言う事実がある。
場所創り、層を厚くする、底辺の拡大はどこでもどのジャンルでも苦労するが、それでも続けることこそ道である。
南無