楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

久しぶりの源氏

2013-03-23 23:26:06 | 
 
講師先生の都合で1、2月がお休みで、今年初めての「源氏物語を原文で読む会」の例会でした。
今月は久しぶりにみんなが顔を揃えたのと新しい会員さんも1人増えたりでなごやかで明るい雰囲気の中、内容もなかなかアカデミックで良かったですね。
とかいいながらやはりミーハーの視点からのレポートから始まります。
というのも、源氏が須磨にいるこの頃、九州の長官“大弐”が婦人たちに船の旅をさせているのですが、この船に乗った年頃の娘達が、近くに源氏が隠棲しているということを聞いて誰も見ない船の中にいながら身なりを気に病むというシーンがあるんですね。
女心、分かりますね~。わたくしだって、若いハンサムさんに会うときは相手にされないのは分かっていても化粧を直します。
さて、この一行の中に“五節”という源氏の愛人の一人がいてて、切ない手紙を送ったり、船から下りて須磨に残りたいと願ったりするのですが、調べますと後々この“五節”は今も源氏に随行している腹心の良清の妻になるらしいですね。
それから面白いと思うのはこの頃の歌には枕詞や掛詞がよく出てきますが、今回近くで煙の立ってるのを海藻を焼いているものだとばかり思っていたら柴(しば)を焚いている煙と知り
「山がつの庵に焚けるしばしばも言問い来なむ恋ふる里人」と歌うんですね。
つまりは一種のダジャレでしょ?機転をきかせることにいつも腐心しているお笑い芸人の心意気と通じません?
さて冬になり、ある日、琴を弾く源氏は、漢の元帝が敵国、匈奴(きょうど)に和睦のため差し出した絶世の美女“王昭君”の琵琶を弾いて自らを慰めたという故事を思い出し「胡角一声霜後夢」と口ずさむんですね。意味は
“もの悲しい胡人の角笛の音が砂漠の夜空に冴えて、霜夜の夢ははっとさめます。故郷の漢の国の都は万里のかなたに遠ざかり、冷たい月の光に腸を断つおもいです。”と言う感じですが、もちろん現在の源氏の心境をそのまま表わしている訳です。
紫式部が如何に漢文に通暁していたかの片鱗をうかがい知ることができます。
王昭君については話を聞くうち思い出しました、こちらにプレーンな説明がありますので、ご紹介しておきます。
写真は本日の茶菓子“イチゴ大福”とご紹介サイトの王昭君イラストです。
コメント (2)
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