はじめての入院

1月4日
この日、両親は朝早くからC病院にいました。

年明けの大混雑を予想し、まずは順番取りをと考えてのことだったようで、とりあえずどの科を受診したらよいのかを、総合受付で尋ねたそうです。

係の方は父の説明を聞くと、しばらくして

『脳外科ですぐに診察するそうです。患者さんは…そちらの奥様ですか？』

そこであわてて自宅に戻り、パジャマのままの私を病院まで送り届けてくれたのです―

問診票の記入を済ませると、待ち合いのイスに横になりました。

とにかく横になりたかったので―

診察室に入ると、発症時からのことをかいつまんで先生に話しました。

経緯説明はこれで3度目。慣れたものです。

『出血しているかもしれませんね。MRを撮りましょう』

先生はそう言って、背後のストレッチャーに乗るよう促しました。

『大丈夫、歩けますから』
一度は遠慮しましたが、乗って横になったら身体が楽なこと！^^

ストレッチャーはするすると流れるように走りだしました。

《出血》の意味するものが何なのか、考える間もなく、背中から伝わる僅かな振動の中になにがしかの安心感を抱きつつ、私の意識も早々に遠のいていきました―


その晩、
私は病院のHCUのベッドの上で、会社の上司と同僚宛にメールを打っていました。

波乱の年末年始休暇は、こうして幕をひいたのです。