■10月13日は世界血栓症デー・・
・10/13は《血栓症》という言葉の生みの親
Dr.ウィルヒョウ(独)の誕生日
■血栓、梗塞、塞栓のちがい・・
・血栓:フィブリンや血小板を主成分とした血の塊
・梗塞:動脈硬化や血栓などにより血管が閉塞し、血流が途絶えた結果、
その先の組織が壊死を起こした状態
主な病気)心筋梗塞、脳梗塞(梗塞は主に動脈系が多い)
・塞栓:血栓などが血流に乗って流れ、流れ着いた先の血管内腔を詰まらせた状態
主な病気)肺血栓塞栓症(静脈)、心原性脳塞栓症(動脈)
■静脈血栓塞栓症(=血栓症)の種類・・
・深部静脈血栓症《DVT》
:筋膜の内側(深部)の静脈に血栓が形成される病気
*対して静脈瘤は表在静脈にできる
・肺血栓塞栓症(=肺塞栓症)《PTE》
:深部静脈内にできた血栓が血流に乗って肺動脈を塞ぐ病気
※命にかかわることもある!
・DVTとPTEを併せて静脈血栓塞栓症(=血栓症)《VTE》
:動脈血栓症:心筋梗塞、脳梗塞の原因に
:静脈血栓症:肺血栓塞栓症の原因に
*血栓症自体は動静脈、毛細血管などどの血管にでも起こり得る
■日常生活の中での血栓予防法・・
・最も効果的な予防法は安静にしないこと!
※安静が必要な場合は足首の曲げ伸ばし、これだけでも十分予防可能
その他に・・
・脱水状態を避ける
・弾性(加圧)ストッキングの着用
※但し、正しく着用することが前提
■深部静脈血栓症《DVT》の3大予兆・・
※患肢(片脚、片腕)の浮腫・腫脹
:片脚だけむくむ、腫れる
※患肢(同上)の色素変調
:片脚だけ赤黒く変色する
※患肢(同上)の疼痛
:片脚だけ熱を持つ、痛む
■肺血栓塞栓症《PTE》の機序・・
・全身を巡り心臓(右心系)を通過した静脈の血液は肺へと向かう(=肺動脈)
・この時、四肢静脈に形成されていた血栓が剥がれ落ち、血流に乗って肺動脈を詰まらせ発症
※血栓が小さな場合は無症状なこともあるが、巨大血栓や複数の血栓により
肺動脈を閉塞し急死につながることもある
実例1)
・大量飲酒後に車中泊(座位で睡眠)
:睡眠中に下肢血栓症を発症→翌朝降車し、数歩歩いたところで倒れる・・
※飲酒による脱水、および狭い車中に数時間安静状態でいたことにより血栓が形成された
※更に、歩いた衝撃で血栓が飛び肺塞栓症を発症
実例2)
・元Jリーガー高原さんは、過去に2度の肺塞栓症発症
:うち1度は1h30mのフライトで発症・・
※ワーファリンを3カ月(最低限の服用期間)服用、現在は回復
■院内で血栓症発症の多い科・・
1位:整形外科
・股関節、膝等の術後1週間で発症の事例
2位:産婦人科
・妊娠中、分娩時、産後それぞれの時期に血栓発症のリスク
・ピル服用による血栓の形成(副作用)
・骨盤内手術中
■病中病後の静脈血栓塞栓症《VTE》予防法・・
※早期離床が一番の予防法(深部静脈血栓症《DVT》)
:運動や歩行、無理なら床上で足首の曲げ伸ばし運動だけでもOK
※術後安静解除時が危険(肺塞栓症《PTE》)
:活動量が増え、ふくらはぎの筋肉(ポンプ)によって血栓が押し出されるため
・弾性ストッキングの着用
・間欠的空気圧迫法
・薬物療法(ヘパリン)
■深部静脈血栓症《DVT》の危険3大因子(ウィルヒョウの3徴)・・
※血管内皮の損傷《がたがた》
:手術や血栓によって静脈が傷つき、新たな血栓が形成されやすくなる
※血液の凝固能亢進《どろどろ》
:癌や遺伝性疾患などにより血液が凝固することもある
:ピルは血液凝固を促進する可能性がある
:産後や手術後にも血栓ができやすくなる
:脱水と喫煙が血液の凝固を促進する
※血流異常→速度の低下による停滞《とろーり》
:長期間の安静時やケガで脚を動かせない場合、ふくらはぎの筋肉が収縮しないと
静脈血を心臓へ送り返す働きが弱まり、血流が遅くなる
:健康な人でも、ドライブや飛行機などで長時間座ったままでいると発症することがある
(ロングフライト血栓症=旧エコノミークラス症候群)
■動静脈別の血栓症危険因子・・
・動脈血栓症の危険因子
:がたがた&どろどろ
・静脈血栓症の危険因子
:どろどろ&とろーり
:静脈は、血小板の働きをおさえるよりも血流の停滞を防ぐべき
■癌と血栓症・・
※癌細胞自体に血液を固まらせる働きがある
:癌により産生された因子で凝固能が亢進され血栓が形成される
※癌細胞の増殖(すごく早い)により血管壁の損傷や炎症が起こり血液が固まりやすくなる
※手術、抗がん剤、放射線治療により静脈壁の細胞を傷め、血栓症を起こしやすくなる
:抗がん剤の副作用により静脈血栓塞栓症のリスクが高まる可能性も
:抗がん剤により細胞増殖が阻止され、血管内皮細胞(血栓の制御機能を備えている)が
傷ついたり壊れてしまった場合、抗血栓作用が弱まる
■カテーテル治療と血栓症・・
※血管内カテーテル操作により血管壁が物理的に傷つき、血栓が形成される
■血栓症の薬物療法(抗血栓薬)・・
・動脈:抗血小板薬
:血小板の働きを抑える薬(アスピリンなど)
・静脈:抗凝固薬
:凝固因子の働きを抑える薬(ヘパリン、ワーファリンなど)
*従来の抗凝固薬
・ワーファリン(内服)
血液検査を繰り返し最適な投与量を調整しなくてはならない
効果は食べ物や他の薬の影響をうけやすい
・ヘパリン(静注)
*新たな抗凝固薬
・プラザキサ(内服)
・イグザレルト(同上)
・リクシアナ(同上)
○ワーファリンのように血液検査を行って用量を調節する必要がない
○即効性あり、効果の持続時間は短い
○食事制限がない
×ワーファリンのように服用量の微調整ができない
×腎機能に問題のある人や高齢者は服用に注意
・アリクストラ(XA阻害薬)
・クレキサン(低分子用量ヘパリン)
■抗凝固薬の服用・・
・服薬期間は要因にもよる
・手術などにより発症した血栓症→服薬は3カ月でOK
*以下は一生服薬が必要
・特発性の人(体質)は服用をやめると危険
・癌に因る血栓→場合による
・服薬を1度やめて再発した人
■血栓後症候群・・
・深部静脈血栓症《DVT》の後遺症
・血流の鬱滞、静脈瘤、色素沈着、皮膚炎、湿疹、潰瘍
・4年後に浮腫み、痛みを訴える事例あり
:運動+抗凝固療法+圧迫療法(弾性ストッキング)を2年継続すると良いと言われている
■血栓により傷んでしまった血管内皮を正常化するために・・
※積極的に運動(ウォーキング)を!
*血管内皮には血栓の制御機能を備えている
:血栓ができても大きくさせない因子も・・
運動により血流が促され
↓
血管内皮細胞を刺激
↓
血管細胞が活性化され強化される
※但し・・深部静脈血栓症を起こした静脈の完全な回復は今現在不可能
※壊れた静脈弁を修復する手術もまだ試験段階
*血管内の弁は静脈のみにある(血液の逆流を防ぐ)
※膝下弾性ストッキングの着用が有効な場合もある??
■患者会・・
・生活等の相談ができる場、積極的に活用を!
・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.・。フヒ~オツカレ~Φ(◎o◎;)
・10/13は《血栓症》という言葉の生みの親
Dr.ウィルヒョウ(独)の誕生日
■血栓、梗塞、塞栓のちがい・・
・血栓:フィブリンや血小板を主成分とした血の塊
・梗塞:動脈硬化や血栓などにより血管が閉塞し、血流が途絶えた結果、
その先の組織が壊死を起こした状態
主な病気)心筋梗塞、脳梗塞(梗塞は主に動脈系が多い)
・塞栓:血栓などが血流に乗って流れ、流れ着いた先の血管内腔を詰まらせた状態
主な病気)肺血栓塞栓症(静脈)、心原性脳塞栓症(動脈)
■静脈血栓塞栓症(=血栓症)の種類・・
・深部静脈血栓症《DVT》
:筋膜の内側(深部)の静脈に血栓が形成される病気
*対して静脈瘤は表在静脈にできる
・肺血栓塞栓症(=肺塞栓症)《PTE》
:深部静脈内にできた血栓が血流に乗って肺動脈を塞ぐ病気
※命にかかわることもある!
・DVTとPTEを併せて静脈血栓塞栓症(=血栓症)《VTE》
:動脈血栓症:心筋梗塞、脳梗塞の原因に
:静脈血栓症:肺血栓塞栓症の原因に
*血栓症自体は動静脈、毛細血管などどの血管にでも起こり得る
■日常生活の中での血栓予防法・・
・最も効果的な予防法は安静にしないこと!
※安静が必要な場合は足首の曲げ伸ばし、これだけでも十分予防可能
その他に・・
・脱水状態を避ける
・弾性(加圧)ストッキングの着用
※但し、正しく着用することが前提
■深部静脈血栓症《DVT》の3大予兆・・
※患肢(片脚、片腕)の浮腫・腫脹
:片脚だけむくむ、腫れる
※患肢(同上)の色素変調
:片脚だけ赤黒く変色する
※患肢(同上)の疼痛
:片脚だけ熱を持つ、痛む
■肺血栓塞栓症《PTE》の機序・・
・全身を巡り心臓(右心系)を通過した静脈の血液は肺へと向かう(=肺動脈)
・この時、四肢静脈に形成されていた血栓が剥がれ落ち、血流に乗って肺動脈を詰まらせ発症
※血栓が小さな場合は無症状なこともあるが、巨大血栓や複数の血栓により
肺動脈を閉塞し急死につながることもある
実例1)
・大量飲酒後に車中泊(座位で睡眠)
:睡眠中に下肢血栓症を発症→翌朝降車し、数歩歩いたところで倒れる・・
※飲酒による脱水、および狭い車中に数時間安静状態でいたことにより血栓が形成された
※更に、歩いた衝撃で血栓が飛び肺塞栓症を発症
実例2)
・元Jリーガー高原さんは、過去に2度の肺塞栓症発症
:うち1度は1h30mのフライトで発症・・
※ワーファリンを3カ月(最低限の服用期間)服用、現在は回復
■院内で血栓症発症の多い科・・
1位:整形外科
・股関節、膝等の術後1週間で発症の事例
2位:産婦人科
・妊娠中、分娩時、産後それぞれの時期に血栓発症のリスク
・ピル服用による血栓の形成(副作用)
・骨盤内手術中
■病中病後の静脈血栓塞栓症《VTE》予防法・・
※早期離床が一番の予防法(深部静脈血栓症《DVT》)
:運動や歩行、無理なら床上で足首の曲げ伸ばし運動だけでもOK
※術後安静解除時が危険(肺塞栓症《PTE》)
:活動量が増え、ふくらはぎの筋肉(ポンプ)によって血栓が押し出されるため
・弾性ストッキングの着用
・間欠的空気圧迫法
・薬物療法(ヘパリン)
■深部静脈血栓症《DVT》の危険3大因子(ウィルヒョウの3徴)・・
※血管内皮の損傷《がたがた》
:手術や血栓によって静脈が傷つき、新たな血栓が形成されやすくなる
※血液の凝固能亢進《どろどろ》
:癌や遺伝性疾患などにより血液が凝固することもある
:ピルは血液凝固を促進する可能性がある
:産後や手術後にも血栓ができやすくなる
:脱水と喫煙が血液の凝固を促進する
※血流異常→速度の低下による停滞《とろーり》
:長期間の安静時やケガで脚を動かせない場合、ふくらはぎの筋肉が収縮しないと
静脈血を心臓へ送り返す働きが弱まり、血流が遅くなる
:健康な人でも、ドライブや飛行機などで長時間座ったままでいると発症することがある
(ロングフライト血栓症=旧エコノミークラス症候群)
■動静脈別の血栓症危険因子・・
・動脈血栓症の危険因子
:がたがた&どろどろ
・静脈血栓症の危険因子
:どろどろ&とろーり
:静脈は、血小板の働きをおさえるよりも血流の停滞を防ぐべき
■癌と血栓症・・
※癌細胞自体に血液を固まらせる働きがある
:癌により産生された因子で凝固能が亢進され血栓が形成される
※癌細胞の増殖(すごく早い)により血管壁の損傷や炎症が起こり血液が固まりやすくなる
※手術、抗がん剤、放射線治療により静脈壁の細胞を傷め、血栓症を起こしやすくなる
:抗がん剤の副作用により静脈血栓塞栓症のリスクが高まる可能性も
:抗がん剤により細胞増殖が阻止され、血管内皮細胞(血栓の制御機能を備えている)が
傷ついたり壊れてしまった場合、抗血栓作用が弱まる
■カテーテル治療と血栓症・・
※血管内カテーテル操作により血管壁が物理的に傷つき、血栓が形成される
■血栓症の薬物療法(抗血栓薬)・・
・動脈:抗血小板薬
:血小板の働きを抑える薬(アスピリンなど)
・静脈:抗凝固薬
:凝固因子の働きを抑える薬(ヘパリン、ワーファリンなど)
*従来の抗凝固薬
・ワーファリン(内服)
血液検査を繰り返し最適な投与量を調整しなくてはならない
効果は食べ物や他の薬の影響をうけやすい
・ヘパリン(静注)
*新たな抗凝固薬
・プラザキサ(内服)
・イグザレルト(同上)
・リクシアナ(同上)
○ワーファリンのように血液検査を行って用量を調節する必要がない
○即効性あり、効果の持続時間は短い
○食事制限がない
×ワーファリンのように服用量の微調整ができない
×腎機能に問題のある人や高齢者は服用に注意
・アリクストラ(XA阻害薬)
・クレキサン(低分子用量ヘパリン)
■抗凝固薬の服用・・
・服薬期間は要因にもよる
・手術などにより発症した血栓症→服薬は3カ月でOK
*以下は一生服薬が必要
・特発性の人(体質)は服用をやめると危険
・癌に因る血栓→場合による
・服薬を1度やめて再発した人
■血栓後症候群・・
・深部静脈血栓症《DVT》の後遺症
・血流の鬱滞、静脈瘤、色素沈着、皮膚炎、湿疹、潰瘍
・4年後に浮腫み、痛みを訴える事例あり
:運動+抗凝固療法+圧迫療法(弾性ストッキング)を2年継続すると良いと言われている
■血栓により傷んでしまった血管内皮を正常化するために・・
※積極的に運動(ウォーキング)を!
*血管内皮には血栓の制御機能を備えている
:血栓ができても大きくさせない因子も・・
運動により血流が促され
↓
血管内皮細胞を刺激
↓
血管細胞が活性化され強化される
※但し・・深部静脈血栓症を起こした静脈の完全な回復は今現在不可能
※壊れた静脈弁を修復する手術もまだ試験段階
*血管内の弁は静脈のみにある(血液の逆流を防ぐ)
※膝下弾性ストッキングの着用が有効な場合もある??
■患者会・・
・生活等の相談ができる場、積極的に活用を!
・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.+。・.・。フヒ~オツカレ~Φ(◎o◎;)
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