生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美の産出■◆

2011年02月01日 09時45分46秒 | 美術/絵画
2011年2月1日-1
美の産出■◆

 大橋(2007)『美のゆくえ』に、アリストテレス『自然学』の193b10から、

  「人間は人間から生まれるが、寝台は寝台からは生まれない」

が引用されている(30頁)。そこで、
 
  「人間は人間という○○から製作され、寝台は寝台という○○から製作される」

を対置しよう。○○に、たとえばイデアを入れた場合は、「イデアにしたがって、あるいはイデアが参照されて[この受け身的言い方に注意。イデアは解釈されるのであって、物質的作用や制御を行なう存在者は、別に存在すると想定される(かもしれない)。]、うんぬん」となる。

 アリストテレスの『生まれる』は、どのような定義なのか。『人間』を『人』と読み替え(つまり、同一の意味を持つとし、ゆえに「人」と表記し)、人とは、_Homo sapiens_という分類カテゴリーに同定される生物体であることにする。
 人が産出されるとき、空間的には人の内部から外部へであり、受精卵を追えば、精子(それは同一種の生物体内部から外部へ、である)という外部からの侵入者が関与するように、或る定まった種類に属する物体の空間的な運動が関わっている。
 それらの物体は、種システムが産み出したものであって、或る(_Homo sapiens_に属する)生物体が産み出したものではない。というのは、或る生物体が持つ_Homo sapiens_の諸性質は、種システムが形成したものだからである。身体を構成する素材は、或るシステム的環境(母体。これもまた、種システムが形成する)から取り込まれ(この選択的取り込み作用の機構の成り立ちについて考えよ)、


 
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*大橋良介.2007.4.美のゆくえ:カント・ヘーゲル・アドルノ・ハイデッガー[阪大講義プロトコル].x+291頁.燈影舎.