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韓国スミダの闘いの映画「海を越えた初恋――1989スミダの記憶」特別試写会開かれる

2010年12月22日 11時11分10秒 | 労働組合

 

12月20日夕方、1989年韓国スミダの闘いと、そしてその後の20年を追ったドキュメンタリー映画「海を越えた初恋―スミダの記憶」の日本で初の特別試写会が、当時のゆかりの地葛飾区の金町地区センターで開かれました。会場は当時の支援者や労働組合・市民運動の人々など200名で埋め尽くされました。上演前にこの日のために韓国から来日した女性監督のパク・チョンスクさんが紹介され、制作に4年間の年月をかけ、今年10月に完成したばかりである事、そしてそのきっかけが、日本の友人が、韓国スミダの闘いの勝利の一枚のテレフォンカードを17年間も大切に持っていた事に深い感銘を受け、かかわった人々のその後を追い求めるきっかけとなったことなどが話されました。

 映画は84分。金町駅から歩いて会社スミダ電気跡を探し出すところから始まり、当時の闘いの様子と、勝利後帰国した4人の足跡をたどって、現在どんな生活をしているかが克明に描かれており、感銘深いドキュメンタリー映画でした。

 上映後、監督と共に来日した当時来日して闘った4名と当時の組合員など含め8名が紹介され、当時の思い出など一人ひとりの発言がありました。

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韓国スミダの闘いとは――

 1970年代多くの日本企業は韓国に多数進出、韓国政府の税制面の優遇と低賃金・長時間労働などで、暴利を欲しいままにしていた。葛飾区に本社のあるスミダ電気も韓国・慶尚南道の馬山市の自由貿易地域に100%子会社「韓国スミダ電機」を作っていた。
 しかし、韓国の労働者の闘いの高揚により暴利が得られないと判断したスミダ電気は、「渡り鳥企業」の本性を現し、今度は中国に工場を移すため1989年10月、日本の本社からFAX一枚で「韓国工場閉鎖、450名全員解雇」を通告してきた。
 一夜にして失業者となった450名の労働者は、工場籠城で闘うと同時に、日本に逃げ帰った社長を追い、本社と交渉するため、労働組合の代表として女性4名を東京へ送り日本での闘いが始まった。
 
 日本ではカトリック教会の大倉一美牧師が受け入れ、代表4名は積極的に労組や市民団体に支援要請に回った。
 4名の決意は固く「死んで灰になって帰ることはあっても、負けて故国に帰ることはできない」と決死の決意を述べ、日本の労働者市民に大きな感動を与え、多くの支援を勝ちとっていった。
 「韓国スミダ労組に連帯する会」が結成され、日増しに支援の輪は広がり、強化されていった。しかし、会社は交渉を拒否し、会社内の労働組合も支援を拒んできた。彼女らは、各省庁・連合・取引銀行・国会議員などに訴え続けた。社前で2回のハンストに突入した。61日間の座り込み闘争で身体を張って闘った。支援は昼夜をとわず雨の日も大雪の日も24時間の防衛支援体制、私達東部労組もよってたかって連帯し連日多くの組合員がかけつけた。東部労組内に「支援隊」を結成し、地域ビラ・地域署名・泊り込み防衛支援に参加。連続の支援で病に倒れた組合員も出た。

 会社の周りの一丁目二丁目の住民315人による「早期解決を求める」署名は、小日向葛飾区長をも動かし、小日向葛飾区長は社長に対し、「早期円満解決」を突きつけた。社内でもほぼ全員の社員が「早期解決」の署名を行うなど会社に打撃を与え、社会的孤立に追い込み、ついに闘争8ヶ月目の1990年6月8日、社長が韓国スミダ労組に謝罪し、生存権対策費として組合員全員に一人あたり賃金15ヶ月分を支払った。
 
 韓国スミダの闘いは、海を越え国境を越えた労働者市民の固い団結と連帯で勝ち取られた闘いであった。

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1 コメント

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スミダは中国でも! (森彪(教育社労組員))
2014-06-13 19:01:05
89年! もうあの闘いから25年もの年月が過ぎたのですか。当時は闘う労働組合がこの国にも多数存在し、国際連帯運動の先駆けとして、共に闘った記憶があります。そのスミダが性懲りもなく、中国でも同じことをやっていると知り、腹の底から怒りを覚えます。
 私は『カサナグの会』の一員として、フィリピンの労働者との連帯を求めて、現在でも闘いを共有するために闘っています。資本が海外進出をして、現地の労働者を低賃金、過酷な労働条件で搾取してことに対抗するためにも、労働者が国際的な連帯運動の重要性を身をもって実感しています。労働者の国際連帯が権力による領土問題などを引き起こしていることの裏の意味を探ると共に、世界の労働者の連帯運動の重要さを供給しなければならないと考えています。
 そのための実効性のある闘いを私たちは考え出さなければなりません。フィリピンの労働者との連帯運動では、フィリピントヨタの闘いがあります。それらと共に、共闘会議のような組織を立ち上げることが必要ではないでしょうか。
 共に考え、共に闘うにはどうしたらいいか、今後の大きな課題にしていきませんか。
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