筆の先端を点画の真ん中に通す事を『中鋒』と言います。
奥行きのある点画を書くには、この『中鋒』を用筆法として用いる事が必要ななのですが、これにこだわってしまうと自由な線が書けなくなることにもつながる、少々危険な用筆法でもあります。
今回の漢字課題の『花』をご覧ください。
草冠の二画目三画目は『中鋒』ではありませんし、『化』の一画目と三画目も中鋒ではありません。
文章にすると『?』と思いがちですが、書いてみると『そうだよね』となる。
しかし『著』の草冠は『花』と同じだけれど、似た左払い『者』四画目は中鋒なのです。
また、『寒』の一番長い横画は中鋒ですが、『著』の一番長い横画は中鋒ではないのです。
地位級以上の方々が、漢字課題の用筆法で一番大きな壁と感じているところはここだと思います。
横画を簡単に書き分けるには、進入角度を水平に近づければ中鋒に、進入角度を垂直に近づけて入れば中鋒でなく書くことができます。
そのような稽古を積んで書き分ける事を身につければ、左払い右払いが中鋒でない事が多いことや、それでも『著』の『者』の左払いのように中鋒で書く事も出来るようになります。
例えば『タ』と言う感じの二画目の転折部分は、中鋒にするために結果として出来る、コブのような形になる事もたくさんお稽古して来たと思います。
『寒』の一番長い横画と『著』の一番長い横画に差をつける方法として、中鋒と中鋒でない方法を選び、結果として『著』の横画は渇筆になった。
左払いを中鋒で書かなければ、ここも渇筆になってしまい慌ただしくなるばかり。
それはこの詩に相応しくないかもしれない。
左払いを中鋒にして書き、潤渇の対比で面白さを出した方が、鑑賞者より詩の内容を奥深く伝えることができるかもしれない。
書き手の気持ちを勝手に想像すると、そんな風に捉える事も可能です。
『中鋒』と言う言葉の捉え方は、様々あるようです。
簡単に言えば、道路を歩くときはルールとして右側通行を守らねばならないけれど、それも時によって変えなければ、面白い歩き方は出来ないし、場合によっては危険な事にもなり兼ねないよ、だから臨機応変、自由自在に書ける事が大切なんだよ。
例え、変?(笑)
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