検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

画期的な行政改革  連載小説127

2012年10月13日 | 第2部-小説
  占部町の住民は今、将太が酒を飲む居酒屋の妻と比べると、ひっそりつつましく生きているように思う。そして寝込むことなくポックリ逝くことができたら幸せだと思っている人が多いと聞く。その心情を察すると占部町が好きなのだ。
 生まれ育った地は思い出がいっぱい詰まった箱庭なのだ。それがさびれるのは嬉しいことじゃない。良くなると嬉しいし自慢もしたくなる。日常会話の中で、町を自慢する。家を出た息子や娘、兄妹に町の近況を誇らしく知らせる。そんな町になって欲しい気持ちは町のすべての人が持っている。
 そしてその気持ちの中に、自分にできることがあれば多少でも役に立ちたい気持ちもある。そうした気持ちに応え、汲みつくす。「町おこし理念」とした。

公平はその「プラン」を持ってきていた。封筒から取り出すし「冨田さん、これは言うはやすし、されど行うは難しですね」
将太「たしかにこれは占部町では画期的な行政改革になると思います」
公平「抵抗があるのでは」
将太「だれが?」
公平「それは分かりませんか」
将太「新しいことをすると必ず抵抗はある。その場合、最も警戒すべき抵抗は様子見です」

公平「様子見とは」
将太「お手並み拝見です。指示があるまで何もしない」
公平「多いですね、そういう人が会社にもいます。でも結構、要領よく立ち回ります」
将太「そういう人は目立つところにいるでしょ」
公平「そうですね。そういわれるとそうです」
将太「町長と役場が気持に応え、汲みつくす対象は住民です。町長を先頭に役所の人間はすべて、目線を住民に置く。住民がどのように暮らしているのか。まずそれを知る。これをすべてのスタートにしなければいけない。太平さんはどう思いますか」

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