朝日新聞の自民党へのすり寄りが止まらない。
近年、じわりじわりと右傾化している朝日新聞だが、安倍氏殺害事件に関しては、一層の自民党へのすり寄りを見せている。7月18日の朝刊でも、一面に「民主主義の敗北」などという東大の宇野重規則の著しく的外れな意見を載せている。
そもそも、この事件は、事実上の「献金」を強要する極右宗教団体によって、容疑者家族が家庭を破壊され、この宗教団体最高幹部の殺害を狙ったが、それが困難なことから、この宗教団体との強い結びつきが考えられる自民党内でも右派に属する政治家の安倍晋三を銃撃して殺害したというものである。したがって、選挙活動の妨害を狙った「民主主義の敗北」に繋がる言論封殺とは、別な次元の事件であるのは明白である。
それにもかかわらず、朝日新聞は、この宗教団体、旧統一教会がどのような組織であるのか、また、政治家との結びつきはどのようなものなのかについては、一切記事にしていない。記事にしているのは、警察発表のこと細かな容疑者の武器製造など、容疑者の旧統一教会への恨みなどだけである。そして、「民主主義の敗北」などという体のいい、的外れな意見である。まるで、一見、自民党の機関紙ではないかと思わせるほど、安倍晋三が「民主主義の守護神」であり、その人物が殺害された、というような口ぶりで書かれている。
かねてから、この旧統一教会は、全国霊感商法対策弁護士連絡会が明らかにしているように、「不安や恐怖をあおる不当な方法」(2020年東京地裁判決) よって、家庭破壊を起こすほどの献金を要求している団体である。また、「合同結婚式」のように著しい人権破壊も繰り返している。
そして、この宗教団体が反共を基軸とし、政治的には極右であることから、自民党内の右派勢力との結びつきは、過去から現在まで数多く指摘されている。
このような背景については、朝日新聞は一切報じていない。上記の全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見については、デジタル版で僅かに触れただけであり、岩手県の達増知事が、世界平和統一家庭連合、旧統一教会と自民党との関係性がこれまでの選挙結果に影響を与えてきたのではないかと問題視したが、これについても無視している(自民党応援団の読売新聞ですら報道している)。
アメリカのワシントン・ポストは、「統一教会と日本の政治家との結びつき」という記事を載せているが、EXPLAINER: The Unification Church's ties to Japan's politics朝日新聞等の日本の新聞と、大違いである。
民主主義を問題にするなら、この事件で百田尚樹などの安倍晋三に近い思想の持ち主たちが、政治的立場による安倍晋三政治批判が殺害に結びついているかのような暴論の方が言論封殺であり、何よりも国葬とすることで、安倍晋三を英雄視し、改憲に突き進もうとする自公政府の姿勢の方が「民主主義の敗北」を招く。また、与党幹部の活動に対する警備強化が進むのは間違いなく、政府方針に反対する市民の不当逮捕も危ぶまれる。
ロシアのウクライな侵略では、朝日新聞はアメリカ政府機関と防衛省防衛研究所の研究員のからの情報・意見を大量に載せ、ここでもあたかも自民党機関紙と見間違うばかりだった。また、反中国姿勢も明確にしている。 朝日新聞は、このままの傾向で自民党にすり寄れば、恐らく数年後には、読売、産経よりもさらに極右のメディアになるだろう。そしてその時は、自公維による看板だけ「自由民主主義」という日本型ファシズム体制が確立しているに違いない。
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