とにかく若い高校の同級生たちが、福島から駆けつけて、鶴ヶ城の駐車場に車を止めて、私の車椅子を押して、朱塗りの「廊下橋」に向った。本丸と二の丸を結ぶ長く美しい朱の橋である。
もう何十年になるだろう。私が寝たきりの状態から車椅子に乗れるようになり、初めて彼女たちに連れられてきたのがここだった。4人の同級生と記念写真を撮ったのを覚えている。この友情にこたえて生きなければと自分に言い聞かせた場所で昭和44年ころだったと思う。
あの日、私を連れて来てくれた友人の中の二人はもうこの世にいない。風になって花吹雪となって会いに来てくれた気がした。私は、白い雲の行く手に向って、心の裡で読んでみる。「成ちゃ~ん、マサちゃ~ん」・・・お中元の季節にふさわしい回顧録である。
もう何十年になるだろう。私が寝たきりの状態から車椅子に乗れるようになり、初めて彼女たちに連れられてきたのがここだった。4人の同級生と記念写真を撮ったのを覚えている。この友情にこたえて生きなければと自分に言い聞かせた場所で昭和44年ころだったと思う。
あの日、私を連れて来てくれた友人の中の二人はもうこの世にいない。風になって花吹雪となって会いに来てくれた気がした。私は、白い雲の行く手に向って、心の裡で読んでみる。「成ちゃ~ん、マサちゃ~ん」・・・お中元の季節にふさわしい回顧録である。