ミエはモ・ジンソプの方をじっとりと睨みながら、彼がチョルと”友達”になったという事実に納得できないでいた。
何度考えてみてもムカつくんだけど。
なんでこの人に???
英語の宿題の件といい、ピアスのことといい、ミエが抱くモ・ジンソプの印象は良くはない。
チョルがどうして自分からこの人に近づいたのかが、ミエには全然納得できないでいるのだ。
するとミエの視線に気づいたのか、モ・ジンソプが口を開く。
「ん?どした?」
そして二人は、再びピアス探しを始めた。
「あ、これは?」「違うー」「じゃあその横のこれは?」「違うね〜」
疑問を呈するミエに、モ・ジンソプは内心「めんどくせーな」と思いながらも付き合った。
するとピアスを掴んだミエの手が、するりとそれを落っことしそうになる。
「それじゃこれ・・あっ・・!」
が、セーフだった。
「あーびっくりした」「これ?見せてよ」
「気をつけてね」
モ・ジンソプはそう言いながら、ミエの手に添えた自分の手に、若干力を込める。
「あっ、うん・・!」
ドギマギとすぐに手を離すミエと、その反応を見て笑顔になるモ・ジンソプ。
形勢はモ・ジンソプの方が優勢だ。
「ね〜あんたも探してよ!」「んー」
はっ!
が、少しまずいことになった。
二人が探しているもの、つまりミエが失くしたピアスと同じものを、モ・ジンソプが見つけてしまったからだ。
「あれ?店の中にももっとあるよ!」
ヤバイ、と思うやいなや、モ・ジンソプはミエの足元に自分のそれを伸ばした。
「あっ」
ガシッ
「ほら、気をつけないと」
ミエの背中を片手で支えるモ・ジンソプ。
まるでダンスのようなその姿勢のまま、ジンソプはふっと微笑む。
「ミエは大雑把だねぇ」
すると背後から、ドンッという音がした。
背中を支えられたその姿勢のまま、ミエはその音の方を向く。
フードを被ったその男の顔は、ガラスに反射して見えそうで見えない。
サッ
しかしすぐにその男はいなくなってしまった。
「じゃ、ここはもうないみたいだから、他のところにも行ってみようか」
先ほどの男は、路地裏に逃げ込んでいた。
肩で息をしながらしゃがんでいる。
その男は、変装したその人、キム・チョルであった——・・!
第五十三話④でした。
いやチョル、バレバレだと思うよw
娘のデートについて行くお父さんのようで健気や・・ほろり
第五十四話①に続きます
私もです^^!!