体育が終わった後、3年12組に珍しいゲストが現れた。
「おーい、キム・チョル」
「見たよ、サッカー。おめでと」
「やっぱ上手いね。すぐ俺らとも対決だ」
突然現れたモ・ジンソプに、女子たちの視線が集まる。
そんな中、モ・ジンソプはキム・チョルの席を探していた。
モ・ジンソプはチョルの噂を聞きつけて、わざわざ別校舎の12組までやって来ていた。
自分よりチョルが目立つのが許せないくせに、そんな感情は微塵も感じさせないようオーラを纏う。
「とにかく次も頑張れよ」
「あ・・・うん。その・・ありがとう・・」
素直に礼を口にしたチョルを見て、モ・ジンソプは少し複雑な気分になった。
思っているよりも、本当の所キム・チョルは純粋な人間なのかもしれない・・・。
その時、突然外から女子の悲鳴が聞こえた。
「きゃああーーーーーっ!!」
急いで窓から下を見ると、なんとあの変態男がいるではないか。
「うわっ!なにあいつ!学校まで来たんだけど!?」
「先生ーーーーっ!」
その群衆の中に、ファン・ミエの姿があった。
それをいち早く見つけたのはチョルだ。
あんにゃろ・・!
そのわずか1秒後、チョルは外に向かって猛ダッシュで駆けて行った。
すぐに変態男の元に到着する。
「おいっ!この変態がっ!」
凄い形相の大男が迫ってくるのを見て、変態男は尻を出して逃げた。
「ヒイイイーーーーッ!」「うわっ!」
「そっち行ったぞ!」「捕まえろ捕まえろ!」と大騒動だ。
するとチョルの視界の端に、探していた人物がいた。
ファン・ミエは、今回は変態を追いかけることなく、平和にお菓子を食べていた。
チョルと目が合うと、だらしなく開けた口からお菓子をぼろぼろとこぼしている・・・。
ミエは一言も発さずにただ、
チョルに向かってサムズアップした。
はっ
そこで初めて、チョルはたくさんの人から見られていることに気がついたようだ。
チョルは心の中で、誰に向かってかは分からないが、必死に弁解する・・・。
ち、違うっ・・!!
違う違う違う・・っ!
第六十話③でした。
ヒェーーッ!変態が・・ババリメンが学校にまで出没・・
こんな真っ昼間から何してるんだろう・・
なんだかこの変態がだんだんと気になって来た私・・・
第六十話④に続きます
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