「この人は私の友達です!」と大きな声で言ったミエ。
チョルとミエ、そして体育教師の周りを、クラスメートたちが遠巻きに眺める。
「はぁ?友達ぃ?お前らが?」
「私・・小さい頃からチビだからって理由でよく殴られてきたから・
[ファン・ミエは、必死である]
使える武器はなんだって使う。
「う・・その・・」
こういう場合、当事者の言葉と同じくらい第三者の発言は重要である。
そしてさらに、キム・チョルと席が近い男子や女子まで声を上げてくれた。
「本当です!二人で授業中にメモでやり取りしてたりします!僕それ見ました!」
いつもサッカーに誘ってくれる彼を、キム・チョルはじっと見た。
彼は「俺やったよ」と言わんばかりに首を縦に振る。
体育教師はキョロキョロと周りを見回した。
ミエの言葉といい、クラスメートの言葉といい、自分の誤解なのは間違いないようだ、と。
そして目の前には、「でしょ?」と言わんばかりのミエがいる・・。
「そ・・そうか、それなら・・」「良かった〜!」
[再びファン・ミエの勝利であった]
体育の授業が終わった後、チョルとミエは再び職員室に呼び出された。
けれどそれは事態を担任が把握するためのもので、特にお咎めがあるわけではなかった。
[どうにかうまく行った]
担任は体育教師を嗜め、チョルとミエには離室してよしと言ってくれた。
ミエは胸を撫で下ろし、チョルと共に廊下に出る。
ぷは〜〜〜
「ああ〜良かったぁ・・家にも連絡しないって」
ミエがそう口にしても、チョルは背を向けて何も言わない。
ミエはチョルが怒ってるかもしれないと思って話し掛けた。
「あっ、もしかして怒ってる?!みんなの前で色々言っちゃって・・でもあの状況じゃ・・」
「けど結局こうなったと思うよ!うちら・・」
するとミエの言葉を遮って、チョルは再び聞いてきた。
「知らない奴に殴られたって?」「えっ?」
「誰だ」「ええっ」「顔は見たのか?」
尚も聞いてくるチョルに、ミエはしどろもどろながら説明する。
「わ、わかんないよ!全校生徒の顔みんな知ってるわけじゃないし・・
「なんでだ?お前も俺がそいつ殴ると思ってんのか?」
「ええっ?!」
心のドス黒い部分に渦巻いている感情が口に出たことに、その時チョルはようやく気がついた。
はっ
「いや・・なんでもない・・」「え?あの・・ちょ・・」
「すまん」
二人の心に、ざわめく感情が渦巻く。
[ザワザワ]
[ザワザワ]
[あぁ]
[胸がザワザワする]
去っていくチョルの背中を見つめながら、ミエの胸がざわめいた。
チョルの抱える重たい荷物は、どうすれば軽くなるのだろう————?
第五十九話②でした。
ああ〜〜〜チョル・・
ミエはそんなつもりはないにしても、完全に違うとは言い切れないのが辛いとこですよね・・
読者の胸もザワザワです・・
第五十九話③に続きます
(お名前出てこないのか?柳にしちゃいます?…w)
この、「誰にやられた?」「俺に言えよ」的なやつ
イイですよね…♡
>「誰にやられた?」「俺に言えよ」的なやつ
これはリメンバー亮さん・・うおーん!!
そして柳カムバーック!!