北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

3月を睨んでの攻防 第20回口頭弁論

2016-09-01 | 志賀原発廃炉訴訟


志賀原発を廃炉に!訴訟の第20回口頭弁論。
私たち原告からは、有識者会合の評価書を非科学的と批判する被告・北陸電力に対する反論として第52準備書面を提出した。
敷地内断層が活断層かどうかの科学的判断は有識者会合がおこなう。
このことについて、原子力規制員会の島崎委員長代理(その後退任)が次のように明確に述べている。
「この会合(有識者会合のこと)では、科学的な判断が必要となります。というか、それのみが重要となりますので、再稼働とかエネルギーだとか経済だとか社会的な問題だとか、そういうことは一切考えずに、純粋に科学的な御判断、科学的な意見をお願いしたいと思います。」
これが有識者会合の位置づけであり、こうした立場からの議論の結果が「活断層の可能性否定できず」である。
これを非科学的と批判する被告・北電こそまさに非科学的と第52準備書面は明らかにしている。

被告・北電からは第24、25準備書面の2本が提出された。
第24準備書面は、高浜原発の運転差止を命じた大津地裁の仮処分決定の意義を明らかにした私たちの主張に対する北電の反論(反論になっていますが)。
第25準備書面は有識者会合の評価書を証拠として提出した私たちの主張に対する反論。
北電の主張を後押しする3人の学者の鑑定書付きだが、評価書の反論にはなっていない。
したがって私たち原告からの再反論は時間と労力の無駄であり、あえて反論はしない。



今日の原告意見陳述は原告団副団長でもある盛本芳久県議。
志賀町で育ち、今なおご両親は志賀町に住む。
能登の歴史を体現するご両親の人生を振り返りながら、能登の住民にとって志賀原発とは何かを浮き彫りにしていく。
さらに県議会での知事との議論を踏まえ、志賀原発の再稼働の条件がまったくクリアされていないことを明らかにしていく。
(※近日中に志賀原発を廃炉に!訴訟原告団のHPにアップされます)



高浜、大飯の原発訴訟に取り組む福井の原告団も傍聴に駆けつけてくれる。
おかげで傍聴席はほぼ満席。
福井からは先般行われた大飯、高浜の防災訓練の様子が報告される。
再稼働に向けたアリバイ作りに過ぎない、お粗末な訓練だったことが明らかにされる。



今日の口頭弁論前に行われた原告・被告双方の弁護団と裁判官を交えた進行協議、そして法廷での両弁護団のやり取りは、今後の訴訟進行を占う、重要なやり取りだった。
早期結審を求める原告。
先延ばしを図る被告側。
一言ひとこと、微妙な駆け引きが絡み、今日の時点では結審の時期は明らかになっていない。
次回日程は12月5日14:30~、次々回は3月16日午14:30~
3月に裁判長が移動となる可能性が高く、現裁判長の下での結審を求める原告と、新たな裁判長による新たな訴訟指揮の下での訴訟進行を期待する被告・北電との間で駆け引きが続いている。

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