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北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

香山リカ著「ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか」

2014-08-20 | 雑感


ブログを書き、仕上がったらFBやツイッターに投稿するくせに、と思われるかも知れないが香山リカ著「ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか」(朝日新書)がなかなかわかりやすくて示唆に富む。
本の帯の裏には「SNSへの違和感の正体がわかる!」とある。
FBやツイッターをやり始める前からなんとなく違和感を感じていた身としては、コロリと衝動買いである。

「何が気持ち悪いのか」というタイトルにもある通り、この本は科学的な手法に裏付けられた論文ではなく、著者の違和感、気持ち悪さについて書いた本である。
ただ、精神科医と言う立場から、近年の新型うつやSNS疲れ、ネット依存といった症状の多くの患者さんと接する立場、あるいは立教大の教授として普段からいまどきの学生と日常的に接している立場からのSNSの問題点の指摘であり、あるいは分析でもある。
全てのページが非常に具体的であり、その切込みはすべて正しいかどうかはわからないが、少なくとも違和感なく、なるほどなるほどと読み進めていける説得力がある。

「その昔、携帯電話がなかった時代があったと聞いた」
学生のレポートの冒頭の1行だそうだ。
その時代の人たち(つまり親世代、私の若いころのこと)は、どうやってコミュニケーションしていたのか想像もつかず、あたかも文化人類学的な研究対象であるかのような異次元の世界とのこと。
たかだか20年前のことなのに。
コミュニケーションが加速度的に激変している。

「長文から短文」「短文からワンフレーズ」「文字から画像」へとコミュニケーションは移行している。
小泉ワンフレーズ政治から安倍映像政治
安倍には「自民党をぶっ壊す!」といった(瞬間的に)説得力ある言葉すらない。
尖閣諸島に迫る中国漁船の映像、あるいは赤ちゃんを抱いた親の画像で事足れりである。

プライバシーの侵害に目くじらを立てる一方でFBで私生活を赤裸々に世に公開する人が同一人物だったりする。
現実の世界では全然道徳的な振る舞いをしない人が、ネットの世界では正義や道徳を振りかざす。

なんでこうなるの???
あっという間についていけなくなっている私らおじさん世代に、SNSの特徴や問題点、さて、これから一体どうなるの?といったことまで少しずつ解き明かしていく。
お薦めの一冊。


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