北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

「活断層」評価変わらず 志賀原発ピア・レビュー会合

2015-11-20 | 志賀原発


志賀原発の敷地内断層の評価について、有識者会合の委員以外の専門家の意見を聞くピアレビュー会合が今日開かれた。
有識者会合では4人の専門家が志賀原発1号機の原子炉建屋直下にあるS-1断層について、後期更新世以降に活動したとし、さらに2号機タービン建屋の下を走るS-2、S-6断層についても、地表に撓みを造る伏在断層として活動した可能性があるという評価で一致している。



今日のピア・レビューでは、意外にも「典型的な活断層」と指摘されたこのS-1のスケッチ図の評価に対する疑問から始まった。
指摘したのは産業技術総合研究所の粟田泰夫主任研究員。
これに対して有識者委員からはこれまでの様々な議論の経緯について説明がなされる。
部分的な疑問も、他のデータも含めて総合的に判断すれば整合性がとれなくなる。
そんな有識者委員の説明になるほどなるほどとうなづく。



S-1がどういうメカニズムで動いたのかを巡っても議論が。
今日は欠席だったが、渡辺満久先生(東洋大)からも文書で意見が届いており、渡辺先生はS-2、S-6が動いたその影響でS-1が動いたというシナリオには疑問を呈し、「いずれもより大きな活構造の中で検討すべき」と指摘している。
このような有識者の論理を補強する見解も多々あれば、その一方で推定と事実を書きわけてほしい、計算モデルの前提を明確に、といったいくつもの指摘も。
専門家が寄ればその人数だけ様々な見解が出るものだとあらためて感心する。
最後のまとめで有識者会合の座長を務めた石渡委員から評価書案の結論部分について異論はないか確認をとる。
産総研の粟田氏は不満がありそうだったが、活動性を全否定するだけの根拠はない。
かくして、1、2号機の下にあるS-1、S-2、S-6断層の活動性は否定できずという評価書案の結論をピアレビュー会合として了承することが確認された。
最終報告書は、今日の会合の様々な意見を踏まえ、より論理を強固にして1~2か月後にはまとめられる予定とのこと。

ということは、志賀原発を廃炉に!訴訟の次回口頭弁論で証拠として提出できる可能性もある。

北陸電力に残された選択肢は、自ら再稼働を断念し廃炉作業を開始するか、裁判で運転差止判決を受け、廃炉に追い込まれるかのどちらかだ。
敦賀原発のように再稼働申請の場でもがき続けても、司法が引導を渡すことになるだろう。

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