今日は珠洲市議会の3月定例会一般質問の日だ。
午前中は家にいるのが惜しいくらいの快晴だったが、10時からケーブルテレビで議会中継を観る。
途中、来客があったりしたのですべてを聞けたわけではないが、以下、12月議会に続く傍聴記である。
今日の質疑の中で浮かび上がった2011年度予算の一番の争点は、「きのうら荘」の解体と新たな施設建設に向けた実施設計費7550万円だ。
泉谷市長は昨年の3月議会で「平成22年度中には、施設の廃止及び再開や施設更新、新築等について判断を下したいと考えております」と答弁し、さらに6月議会でも「本年中には建て替えを含めた「きのうら荘再整備」についての最終的な判断を下したいと考えております」としていたが、いきなりの実施設計費の計上に3人の議員から疑問の声があがった。
泉谷市政、またしても乱暴な政策決定手続きが露呈した形だ。
5億円程度の総事業費が想定され、しかも運営状況によっては一般会計からの持ち出しも危惧される施設である。設立準備中のNPOや地元住民と協議しているというが、明らかに順序が違う。
施設を廃止するのかどうか。廃止するとしたら新たな施設を整備するのかどうか。整備するとしたらどのような施設にするのか基本構想、基本設計を明らかにし、議会をはじめとした市民の議論と合意を得た上で実施設計費を計上するのが順序ではないか。寺井、向山、浜田各議員の指摘は当然である。
私は、小泊の自然学校にない機能を持った、里山里海保全の取組をさらに拡大・充実させていくための施設を新たに整備していくこと自体はあってもいいと考える。それは木浦地区(日置地区)の活性化策という位置づけではなく、奥能登全体の里山里海の取組の中にしっかりと位置づけられる施設であるべきだし、今年9月にも期待される世界農業遺産への登録も踏まえたものでなければならない。
もちろん地元住民の意向を尊重することも否定はしないが、これまでの経緯を踏まえて、県や金沢大学関係者にも入ってもらった基本構想検討委員会を設けて、施設のコンセプトや内容、規模、財源、運営主体等しっかり煮詰めるべきではないか。
当然、新たな施設が木浦でなければならないのかも含めて、また、きのうら荘の敷地はあえてハコ物は建てないということも含めて、様々な角度から検討すべきである。
市議会として、予算案の修正をぜひとも期待したい。
このほか、印象に残った質問を列挙したい。
大兼政議員は、来年度から上黒丸地区で着手が予定される上水道整備事業を含めた水道事業基本計画について取り上げ、市民の間で心配された料金体系の見直しは今後10年間ないことが示された。
また、スポーツ振興事業団の解散による体育振興に関連して、事業団職員の処遇について職員任用試験を迅速に行う方針が示された。
市民の健康管理も取り上げた。
小泊議員は、花卉栽培センターの運営について取り上げた。かつて「花の里珠洲」構想の中で整備された施設だが、花卉の需要の低迷やハーブ園閉鎖によるシワ寄せもあり、多難な環境にある。新しい事業に目が向きがちだが、既存施設の見直しも大切であり、「あらゆる角度から今後のあり方を検討する」との答弁を引き出した。
行革大綱や市職員の地域活動も取り上げた。
寺井議員は先の「きのうら荘」問題のほか、宝立小学校跡地に北陸電力が建設を予定するメガソーラー施設とマグロ蓄養事業について取り上げた。
マグロの蓄養は、昨年の休止以降、市民にとって「どうなった?」という疑問や関心のある問題だが、巷では泉谷市長と塚崎県議の関係が悪化したきっかけがこの問題とも言われており(あくまでちまたの話で当事者から確認したわけではないのであしからず)、県議選も絡んで、このタイミングでの質問は微妙・・・。
本来なら「道水」に再開を積極的に働きかけるべき、という質問をすべきところなのだろうが、「微妙」なテーマであり、あえて状況の確認にとどめたか。
向山議員は、「きのうら荘」問題のほか、来年度予算編成や道徳教育、体育館の耐震工事について取り上げた。
道徳教育は、年間3万人の自殺者を踏まえ、命の大切さを道徳教育の中で教えるべきとのことだったが、教育長答弁にもあったように「赤ちゃん登校日」の実施など学校教育全体、さらには家庭、地域全体の取組の中で考えるべきテーマだろう。
3月5日の朝日新聞の報道では、石川県内で人口あたりの自殺者が最も多いのは珠洲市であることが明らかにされた。学校教育も大切だが、地域全体での自殺防止対策が求められている。
耐震問題に関連して、向山議員は能登半島周辺の活断層として、邑知潟断層帯を挙げていたが、実は珠洲に最も大きな影響を与える活断層は輪島市沖から珠洲市・狼煙沖へと延びる珠洲岬沖断層帯で、全長69km、マグニチュード7.9が想定されている。ちなみに北陸電力はこの活断層の存在を、珠洲原発凍結後に発表した。地震・防災対策は手を抜くわけにはいかない。
赤坂議員は、水元副市長再任、陶芸センターの名称変更、世界農業遺産登録について取り上げた。水元副市長については力いっぱいヨイショしており、違和感を感じたのは私だけだろうか。
浜田議員は、「きのうら荘」問題のほか、乗りタク・交通費助成問題や指定管理者問題について取り上げた。
「きのうら荘」問題では、施設再整備ありきはおかしいとし、別荘としての分譲や民間施設誘致なども含めて検討すべきと提案し、再質問、再々質問で食い下がったようだが、来客のため聞けず。今日一番のハイライト?だったと思うが残念。
中板議員は世界農業遺産、ファミリーサポートセンター、珠洲まるかじり、珠洲市総合計画・行財政改革について取り上げた。またまた来客のため、答弁はほとんど聞けず。
このほか瑣末なことだが、政友会の皆さん、質問の前置きでこの冬の大雪と春の訪れを期待する発言が繰り返された。12月議会では菅政権批判が相次いだが、今回は最後に登壇した中板議員が政局に若干触れただけ。もはや批判する気もしないということか。
政権批判はともかく、来年度国家予算関連法案の成立の目途が立たない情勢下、市政運営や市民生活への影響を問う質問があってもよかったのではないか。
午前中は家にいるのが惜しいくらいの快晴だったが、10時からケーブルテレビで議会中継を観る。
途中、来客があったりしたのですべてを聞けたわけではないが、以下、12月議会に続く傍聴記である。
今日の質疑の中で浮かび上がった2011年度予算の一番の争点は、「きのうら荘」の解体と新たな施設建設に向けた実施設計費7550万円だ。
泉谷市長は昨年の3月議会で「平成22年度中には、施設の廃止及び再開や施設更新、新築等について判断を下したいと考えております」と答弁し、さらに6月議会でも「本年中には建て替えを含めた「きのうら荘再整備」についての最終的な判断を下したいと考えております」としていたが、いきなりの実施設計費の計上に3人の議員から疑問の声があがった。
泉谷市政、またしても乱暴な政策決定手続きが露呈した形だ。
5億円程度の総事業費が想定され、しかも運営状況によっては一般会計からの持ち出しも危惧される施設である。設立準備中のNPOや地元住民と協議しているというが、明らかに順序が違う。
施設を廃止するのかどうか。廃止するとしたら新たな施設を整備するのかどうか。整備するとしたらどのような施設にするのか基本構想、基本設計を明らかにし、議会をはじめとした市民の議論と合意を得た上で実施設計費を計上するのが順序ではないか。寺井、向山、浜田各議員の指摘は当然である。
私は、小泊の自然学校にない機能を持った、里山里海保全の取組をさらに拡大・充実させていくための施設を新たに整備していくこと自体はあってもいいと考える。それは木浦地区(日置地区)の活性化策という位置づけではなく、奥能登全体の里山里海の取組の中にしっかりと位置づけられる施設であるべきだし、今年9月にも期待される世界農業遺産への登録も踏まえたものでなければならない。
もちろん地元住民の意向を尊重することも否定はしないが、これまでの経緯を踏まえて、県や金沢大学関係者にも入ってもらった基本構想検討委員会を設けて、施設のコンセプトや内容、規模、財源、運営主体等しっかり煮詰めるべきではないか。
当然、新たな施設が木浦でなければならないのかも含めて、また、きのうら荘の敷地はあえてハコ物は建てないということも含めて、様々な角度から検討すべきである。
市議会として、予算案の修正をぜひとも期待したい。
このほか、印象に残った質問を列挙したい。
大兼政議員は、来年度から上黒丸地区で着手が予定される上水道整備事業を含めた水道事業基本計画について取り上げ、市民の間で心配された料金体系の見直しは今後10年間ないことが示された。
また、スポーツ振興事業団の解散による体育振興に関連して、事業団職員の処遇について職員任用試験を迅速に行う方針が示された。
市民の健康管理も取り上げた。
小泊議員は、花卉栽培センターの運営について取り上げた。かつて「花の里珠洲」構想の中で整備された施設だが、花卉の需要の低迷やハーブ園閉鎖によるシワ寄せもあり、多難な環境にある。新しい事業に目が向きがちだが、既存施設の見直しも大切であり、「あらゆる角度から今後のあり方を検討する」との答弁を引き出した。
行革大綱や市職員の地域活動も取り上げた。
寺井議員は先の「きのうら荘」問題のほか、宝立小学校跡地に北陸電力が建設を予定するメガソーラー施設とマグロ蓄養事業について取り上げた。
マグロの蓄養は、昨年の休止以降、市民にとって「どうなった?」という疑問や関心のある問題だが、巷では泉谷市長と塚崎県議の関係が悪化したきっかけがこの問題とも言われており(あくまでちまたの話で当事者から確認したわけではないのであしからず)、県議選も絡んで、このタイミングでの質問は微妙・・・。
本来なら「道水」に再開を積極的に働きかけるべき、という質問をすべきところなのだろうが、「微妙」なテーマであり、あえて状況の確認にとどめたか。
向山議員は、「きのうら荘」問題のほか、来年度予算編成や道徳教育、体育館の耐震工事について取り上げた。
道徳教育は、年間3万人の自殺者を踏まえ、命の大切さを道徳教育の中で教えるべきとのことだったが、教育長答弁にもあったように「赤ちゃん登校日」の実施など学校教育全体、さらには家庭、地域全体の取組の中で考えるべきテーマだろう。
3月5日の朝日新聞の報道では、石川県内で人口あたりの自殺者が最も多いのは珠洲市であることが明らかにされた。学校教育も大切だが、地域全体での自殺防止対策が求められている。
耐震問題に関連して、向山議員は能登半島周辺の活断層として、邑知潟断層帯を挙げていたが、実は珠洲に最も大きな影響を与える活断層は輪島市沖から珠洲市・狼煙沖へと延びる珠洲岬沖断層帯で、全長69km、マグニチュード7.9が想定されている。ちなみに北陸電力はこの活断層の存在を、珠洲原発凍結後に発表した。地震・防災対策は手を抜くわけにはいかない。
赤坂議員は、水元副市長再任、陶芸センターの名称変更、世界農業遺産登録について取り上げた。水元副市長については力いっぱいヨイショしており、違和感を感じたのは私だけだろうか。
浜田議員は、「きのうら荘」問題のほか、乗りタク・交通費助成問題や指定管理者問題について取り上げた。
「きのうら荘」問題では、施設再整備ありきはおかしいとし、別荘としての分譲や民間施設誘致なども含めて検討すべきと提案し、再質問、再々質問で食い下がったようだが、来客のため聞けず。今日一番のハイライト?だったと思うが残念。
中板議員は世界農業遺産、ファミリーサポートセンター、珠洲まるかじり、珠洲市総合計画・行財政改革について取り上げた。またまた来客のため、答弁はほとんど聞けず。
このほか瑣末なことだが、政友会の皆さん、質問の前置きでこの冬の大雪と春の訪れを期待する発言が繰り返された。12月議会では菅政権批判が相次いだが、今回は最後に登壇した中板議員が政局に若干触れただけ。もはや批判する気もしないということか。
政権批判はともかく、来年度国家予算関連法案の成立の目途が立たない情勢下、市政運営や市民生活への影響を問う質問があってもよかったのではないか。
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