北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

石川県教育研究集会に参加 学校現場はブラック化してない?

2013-10-26 | 教育
 昨日(25日)から今日(26日)にかけて輪島市内を会場に開催された石川県教育研究集会に参加。


 主催者を代表してあいさつする糸矢敏夫石川高教組執行委員長。

 

 池田賢市さん(中央大学文学部教授・国民教育文化総合研究所副所長)による記念講演。


 現在の教育を巡る誤解、錯覚を「国際化」の罠、「ICT(グーグル)化」の罠という切り口からわかりやすく解きほぐし、教育や学力観の本質に迫る。
 その一端を紹介する。
 国際社会に認識について「ユネスコは国際状況を調和的にとらえるのではなく、矛盾と緊張関係にあるものととらえた上で、それをいかに克服していくかを教育課題と位置付けている。ところが文科省は、自国への愛情と発展を追求していけば国際平和は達成されるという、極めて単純で予定調和的なものとして「国際化」を考えてきた。関係性が抜け落ちている」と長年の社会科教育の基本方針を批判。ここからは本当の国際化に向けた教育課題は見えてこないと厳しく指摘する。
 加えて国際化といえば英語教育だが、アジア諸国が英語での授業に力を入れる理由を植民地化されたアジアの歴史の中から解明していく。その論旨は非常に新鮮かつ明快。
 ICT化による現状肯定的思考パターンへの警鐘も鋭い。

 講演内容は今日の分科会での議論にしっかり引き継がれていく。

 私は「民主的な学校づくり・地域・保護者を結ぶ教育」の分科会に参加。
 目から鱗の教育実践もあり大いに刺激を受ける。

 一方、学校現場が抱える厳しい労働環境も高教組の各分会から相次いで報告される。
 年々悪化する職場環境についての報告を聞く中で、これはたまたま昨日、一昨日と飛行機の中で読んでいたこの本の内容と大きく重なることに気付いた。


 
 著者は若者の労働相談を受け付けてきたNPO法人「POSSE]代表の今野晴貴さん。

 長時間のサービス残業はもちろんのこと、ベテラン教師のプライドさえ打ち砕く「指導力充実」と称した取り組み。次々と精神疾患を生み出し優秀な人材をつぶしていく労働衛生環境。管理職や教委への忠誠を試すことが目的としか思えないような、あきらかに無駄、無意味と思われるような業務の山・・・

 今野さんは日本の労働社会の構造な変化を明らかにする中で、ブラック企業とは決して一部の企業に限らず、日本のすべての企業がブラック企業になりうると警告する。
 
 しかし、はたして企業だけがブラック化するのか。
 学校現場すらブラック化しつつあるのではないか。
 これまでの認識の甘さを痛感する。
 


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