北野進の活動日記

珠洲市議としての活動報告。志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

「ふるさと納税」制度を憲法92条から斬る

2018-10-09 | 国政


内閣改造前の9月11日、野田聖子総務大臣(当時)がふるさと納税制度の見直しを表明した。
過熱する返礼品競争に対して総務省は是正を求めてきたが、言うことを聞かない自治体があるため、業を煮やした大臣が高額な返礼品で寄付を集める自治体は制度から除外するぞと最後通牒を突きつけたわけだ。

返礼品目当ての寄付が国民の間にかなり浸透した中での野田大臣の「制度存続への危機感」表明だったこともあり、新聞各社は大きく報じ、テレビも各局が時間を割いて報じていた。
しかしその内容はといえば、「さすがにここまできたら過熱しすぎ。やりすぎの自治体は制度本来の趣旨に立ち返れ」と野田大臣の方針を支持するもの、片や自治体の創意工夫を上から押さえつける総務省はケシカラン!返礼品は寄付額の3割というが3割の根拠は何だ!返礼品は地元のものというがどこまでが「地元」かあいまいだ!といった高額返礼品自治体の声を擁護するもの、どちらかといえば前者の方が多数派だったように思うが、いずれにしてもも総務大臣に旗を上げるか、高額返礼品自治体に旗を上げるかという話ばかりで、この機会にふるさと納税制度を根幹から考え直そうという記事や番組は、少なくとも私が見た範囲では一つもなかったように思う。

そんな中、制度の本質を全く見ようとしないマスコミ各社の報道をバッサリ斬ったのが世界11月号に掲載された片山善博元総務大臣のこの評論。
「ふるさとなど応援したい自治体を、納税者が選ぶ。自治体は応援してもらえるよう、まちおこしなど政策を競う。そんな制度の趣旨を踏まえれば、当然の判断だろう」と見直し方針を肯定的に受け止める朝日新聞の社説を例に挙げ、「そんな制度の趣旨」はどこに根拠があるのかと指摘する。
そもそも「ふるさと納税制度」とは「自治体に対して寄付をした人に適用される減税措置」、すなわち地方税法上は単なる「寄付税制」に過ぎない。
なのに総務省は「ふるさとを応援したい」だの、「納税者が選ぶ」だの、「まちづくりの政策を競う」など、架空の「制度の趣旨」を脚色している。
まさに総務省のフェイクなのに、そのフェイクをマスコミは鵜呑みにしているという片山氏の指摘は鋭く明快。

片山氏は返す刀で総務省も斬る。
「そもそも返礼品競争がエスカレートするのは、自治体の姿勢に問題があるのではなく、ふるさと納税制度自体に欠陥が内在していることにも気づくはずだ。ならば『返礼品は三割まで』という弥縫策ではなく制度そのものを廃止すべき」とし、さらに「(ふるさと納税制度は)負担分任の原理に支えられる地方自治を大きく毀損するもので、憲法92条の『地方自治の本旨』に悖っている」と踏み込んだ。

ふるさと納税制度導入前後は税法関係や地方財政関係の学者の皆さんから制度を批判する主張が多く聞かれたが、返礼品競争が過熱、定着し、一方で安倍内閣に何を言っても無駄というあきらめムードもあってか、最近は制度の根本を批判する論調が減ってきたように感じる。
マスコミまでもが制度の存続を前提にしか報じない中、一貫して制度の本質に踏み込み、制度廃止を主張する片山氏の存在は貴重、かつ重要。
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