刑事要素のある話として登場はさせていた元凶の大臣(元大臣だっけか?)を逮捕する展開を作るより、ネットの誹謗中傷性質に一矢報いることを優先した意外な最終回だった。VS視聴者視点。確かにフェイクニュース自体が無効になれば武智達が行っていたような潰しは使えなくなり、被害者だけでなくその周囲の生徒達まで強制的に大なり小なり加害者として当事者になってしまうことはなくなるが、作中の結末通り直接指導した生徒以外は僅かに効果があったかもしれない、というぐらいだ。死ぬ程体を張っても手の届く範囲外の悪意にはほぼ為す術ないが、柊程同時に色々重なって詰められてしまうと何か行動せざるを得なかったんだろう。五十嵐まで引っ張り込んだから大臣まで届くんじゃないかと思ったが娘の気持ちが救われるならそれでよし、てことか。娘が相当お人好しだから丸く収まっていたとも思う。しかし景山があそこまで追い詰められていたのはこれまで描写がほぼ無かったから驚いた。いきなりアレをやられたらショックで茅野の記憶が一瞬ぶっ壊れるのも致し方ない。罪が発覚した後の武智程は騒がれてないから、より繊細だった景山。茅野にミスがあったとするなら引っ張り上げる豪腕を持っていなかったということではなく(無理)、景山の状況を『悲劇に耐えている』とまでしか想像できていなかったことだな。想像できなかったことを責めるのも酷な話ではあるが。全体の方向性の変遷から状況成立のパワープレイ、着地のぶっ込み具合、それなりのカオスではあった。それでも異様な気迫と若い役者達のエネルギーで押し切ったドラマだった。時にこういう作品も必要なんだろう。色々新陳代謝が起こった気がする。そろそろ教員役をやってみたい、とふんわりとした志望を事務所に出していただけであろう菅田もこの数ヵ月、思わぬ大冒険だったに違いない。そのガチンコが話に気を入れていた。
相変わらず荒唐無稽ながら前回よりかは無茶は少なかった気はしないでもない。飯豊まりえが河原で爆殺されることは無かった。むしろガッツリ刺されても生き返ってきたっ! 何ぃっ?! 無事ぃーっ?!! 揉み消しに協力した老中はぶっ殺されたが(よく殺れたな、と)松井玲奈の役は見過ごされていたりもした。悪運の強い松井。何で踊らされたかそこそこ不条理っ。いや、書いている内にやっぱりそこそこ無茶だった気もしてきた・・・。地上げするのに一々皆殺しにしてたし、やっぱ半端ねーな仕事人。目利きの利く商人の男はどのタイミングで闇落ちしたのかちょっとわかり難かった気もしたかな。まぁだいぶ詰んではいたが。わかり難いといえば黒幕の大商人も随分ややこしい『育成』をしていた。自分と同質の人間に仕立てないと信用できないタイプ。総じてターゲットが無防備でちょっと物足りない気はしたかな? 最終段ではターゲットの総数に対して仕事人に数が足りなくて小五郎の立ち回りも忙しい。もう一人仕事人がほしいが予算が厳しいか。新しい母上ならぬ叔母上が登場したりもして、少しずつ変わりつつ今後も続いてゆくんだろうな。