羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

とと姉ちゃん

2016-07-05 18:22:23 | 日記
 綾は父と軍医の夫と実家の建物、そして経緯は不明だが他の財産をほぼ全て失い、親族も頼れないらしく、母と息子と共に蒲田近くで暮らしていた。仕事が見付からず、残った家財を切り売りして暮らしているという。自分と母の浴衣も息子のオムツにしてしまったと話す綾に「浴衣くらいは」と自分の浴衣を与えることにした常子。綾は感謝していた。夕食を済ませ、帰りに常子が途中まで送ると「久し振りに笑ったわ」と訪ねてよかった語る綾。常子は今度、綾の母に挨拶させてほしいと頼んだが「いえ、結構よ」綾は拒否した。それでも手紙のやり取りをしようと常子は綾から住所を聞き出していた。
 綾の没落に、すっかり卑屈になっている鞠子が「やっぱり、女って損ね」等と愚痴る中、翌日、常子だけを闇市に連れ出す鉄郎。常子は少し老いた君子が働いていることも気にしていた。闇市の喧騒を面白がる鉄郎。闇市の逞しい女達を見て、戦中の家を女だけで守り抜いた自負が強さに繋がってるんじゃないかと語り「女でもやりたいことができるようになった。今だったら、お前も大金掴めるかもしれねぇぞ?」鉄郎の言葉に常子は揺れ始めたようだった。
 7月の発売へ向けて、甲東出版の業務は順調で、売上がよければ常子の企画も通り易くなると、五反田は元気付けてきたが、常子は浮かない顔だった。帰り道、甲東出版を辞める気になってきた常子は鉄郎が仕入れた木綿を、学生の頃に助けてもらったお返しにすると半分分けて貰い、綾の家を訪ねて行った。
 綾達一家はバラック街の女の家に間借りする形で暮らしていた。「こっちの部屋に入れるんじゃないよっ!」息子のことで女に怒鳴りつけられ、綾は母と土下座させられていた。汚れたガラス戸の向こうから目が合い、常子は綾に頭を下げるしかなかった。
・・・常子、容赦無き訪問。やっぱりあった辛酸パートは綾が担当か。
 それから明日は更新できません。明後日再開します。