羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

とと姉ちゃん

2016-07-01 18:47:27 | 日記
「昔、銀座で」「銀座? ああ、マフラーの」常子のことを思い出すお竜。一先ずお竜とお竜の妹と弟を家に連れ帰る常子。腕に怪我をしていたお竜の手当てをする常子。美子と鞠子は妹と弟の面倒を見た。「大した物、出せないけど」君子が菜っ葉がわずかに浮いた汁物を出すと「あたいらには御馳走さっ」焼け出されてから何も口にしていなかったお竜と妹達は大いに喜んだ。焼夷弾の炎はバケツの水等ではとても消せず、お竜の咄嗟の判断で家の防空壕を離れたことで蒸し焼きならずに済んだという。「火と煙と死体と悲鳴」お竜は辛そうな顔で『何とも思わなくなった』と言った。
 一息ついて、美子と鞠子にじゃれる妹達を見てお竜は、いつか出征するのかといたたまれなくなり、表に出てしまった。後を追う常子。お竜の父は昨年空襲で死んでいた。自分まで死ぬことを恐れるお竜。常子は同じ気持ちだと話した。お竜は目黒に来るまでに妹達の為に食料を恵んでもらったが、男の二人組に力ずくで奪われたことも打ち明けた。腕の怪我は空襲ではなくその時のものだった。「女何て弱いもんだ」一人で妹達を守れるのか? と悔し泣きするお竜だった。
 家に戻り、皆で戦後の夢をそれぞれ語ると、お竜は戦争が終わってくれたらいいとだけ答え、常子は「女の私でも自由にやりたいことを考えて、それを実現できる雑誌をやりたい」と答えた。翌日、親類のいる川崎へ向かう前に甲東出版で出していた雑誌『新世界』を手に取ったが、お竜は漢字が読めなかった。「戦争が終わったら色んなことを知りたいね」一晩寝て落ち着いたお竜はそう語り、妹達と共に去って行った。
・・・銀座で暴れてたらしいお竜は鉄朗とは逆のベクトルのアウトサイダーなのかと思ったら、かなり真面目な一般市民だった。およよ? そして久し振りに鉄朗が現れる気配。これまでと同じパターンでやらかすと、今の小橋家は簡単に全滅しそうだが、一応役に立つのかな?

オオグチ 完

2016-07-01 18:47:05 | 日記
 投稿サイトに『オオグチ』の最終話をUPしました。起、承、転、結、結。になりましたね。過去の要素の大きい話なので明日を意識して締めを書いていました。冥府学園シリーズ自体、これでおしまいです。次は同じサイトでやっている怪談コンテストに参加してみようと思います。開始日までエントリー詳細が出ないヤツだから、若干戸惑っていますが、読み切りを用意しようと思っています。取り敢えず、そんなところですね。