「女のバインダー」発言のロムニー氏 女性への無理解の表れか
「女のバインダー」発言のロムニー氏
女性への無理解の表れか
2012.10.22 Mon posted at 09:20 JST
ロムニー氏の「バインダー発言」をやゆしたFBページも登場
(CNN)
共和党大統領候補のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、16日夜の大統領テレビ討論会で、州知事時代に「女性で一杯のバインダー」が彼の下に届けられたと発言した。どこかいかがわしい感じさえする、あまり聞きたくない表現だ
この発言は、2回目となる討論会で、職場での男女不平等の是正について、聴衆からの質問に答えたものだった。州知事に就任して新しい州幹部を任命するときに候補者が男性ばかりだったので、多くの女性団体に出向いて適任者探しへの助力を頼んだところ、「女性で一杯のバインダー」をいくつも持ってきてくれたと語った
この「女のバインダー」発言は、短文投稿サイト「ツイッター」や交流サイト「フェイスブック」などで批判と共に一気に広がり、ロムニー氏の男女平等問題への無関心さなどをさらけ出す結果となってしまった
実際のところ、うっかりした失言だったのだろう。しかし、なぜロムニー氏が、特に女性の有権者から信頼を得られず、女性たちのことに無理解だと思われるのかを端的に示していると言える
まず言っておくと、女性の「履歴書を綴じた」バインダーは、州知事選挙の前に既に準備されていたものであり、当選後にロムニー氏に届けられたに過ぎない
ロムニー氏が出向いて頼んだわけではない
共和党候補のロムニー氏
またロムニー氏は州知事として女性を積極的に採用したとしている
がマサチューセッツ大学と同大学で女性の政治活動を促進する団体
による調査では
ロムニー氏が州知事就任前に30%だった幹部職員に
占める女性の割合は同氏の離任時には27%に低下した
その後
新しい知事の下で33%以上に回復している
実業界でのキャリアが長いロムニー氏が
幹部に指名できそうな有能な女性に出会わなかったのであれば
それは驚きだ
結局
ロムニー氏の企業経営哲学の中では
女性やその他少数派の登用は重要ではなかった
のである
そしてこれがロムニー氏が女性票獲得に非常に苦労している
核心的理由なのだ
ロムニー氏はさらに
男女平等に関する問題に適切に答えられなかっただけでなく
銃規制の強化に反対する発言に絡めて
母子・父子家庭の子どもを暴力的文化に結びつけるような発言
までした
反対にオバマ大統領は
女性に同一職種同一賃金を保障する法律に署名し成立させた
大統領としても男女平等の問題に適切に答えていた
一方
ロムニー氏は
この法律への賛否を明らかにはしていない
大統領の問題対処方法の方が
女性の気持ちや全ての国民が正しいと信じるものと
一致している
さらに
「バインダー」発言は
オバマ大統領が討論会で優勢な中で飛び出してしまった
大統領は
雇用
医療保険制度
そして女性などの問題について
中間層を中心とする有権者のために働き続ける
との情熱や意欲を示している
今回の問題は
ロムニー氏が有権者と理解しあえない事実を端的に示している
ロムニー氏は
1回目の討論会後には少しは女性の支持を増やせたようだが
その流れが16日の夜以降
なぜ止まってしまったのかに関する「世論調査のバインダー」が
出てくるだろう
◇
本記事は
民主党戦略担当などを務めるマリア・カルドナ氏によるものです
カルドナ氏は
ヒラリー・クリントン現米国国務長官の上級アドバイザーや
民主党全国委員会の広報担当ディレクターを務めた経験があります
記事における意見や見解は全てカルドナ氏個人のものです