オバマ氏 2期目の政策課題に焦点
▼:オバマ氏
2期目の政策課題に焦点=米大統領選
2012年 10月 24日 8:56 JST
【デルレービーチ(米フロリダ州)】
終盤を迎えた米大統領選は
オバマ大統領陣営が23日2期目の政策課題に焦点を当て
ロムニー共和党候補の政策課題との違いを際立たせるテレビ広告や
ダイレクトメール戦術を開始した
これは共和党だけでなく民主党内からもオバマ氏は
2期目の政策について十分に語っ ていないとの批判が出ていることに
対応したものだ
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イメージ
Associated Press
オバマ米大統領
オバマ氏は同日
デルレービーチで開かれた支持者の集会で
ロムニー氏が絶えず立場を変え
ロムネジア(記憶喪失を意味するアムネジアに引っかけてロム ニー氏を
皮肉った言葉)に陥っていると批判
その一方で
「私は選挙戦でロムニー氏と違い
雇用と中間層のためのプランを打ち出してきた」と述べ
これま で唱えてきた2期目の政策課題を強調し
ロムニー攻撃とのバランスをとった
オバマ陣営の幹部は
同氏のプランを列挙した20ページの豪華なパンフレットを350万枚刷り
150万枚は各地区の選挙事務所で配布し
残りは有権者 の家庭に送付すると明らかにした
小冊子では
例えば医療保険改革で実現したことを説明する一方
教育改革では今後10年間に授業料の伸びを半分に抑える
との目標を掲げている
これに対し
ロムニー陣営の広報担当を務めるライアン・ウィリアムズ氏は
「投票日の2週間前に配られた豪華なパンフレットは
政策課題という点では何の実体もないものだ」と述べ
オバマ氏はまだ2期目の課題を明確にしていないと断じた
一方
>オバマ陣営の60秒の新たなテレビ広告は
雇用が500万人増加し
輸出も増加して
住宅は値上がりしているなど明るいトーンを前面に出し
さらに
今後4年間の課題を取り上げ
「教育と職業訓練を優先課題にして
製造業を回復させ
財政赤字を削減し
富裕層に多少の負担を求める
さらにアフガニスタ ン戦争を終結させる」
と約束した
このテレビ広告は
フロリダ、オハイオ、アイオワなど激戦州のすべてで放映されている
多くの共和党員だけでなく一部民主党員からも
オバマ氏はビジョンがなく
その政策課題についても医療保険の抜本改革などを掲げた4年前の
大統領選に比べかなり見劣りするとの批判の声が出ている
ロムニー氏はここに来て
「大統領の再選キャンペーンは信じられないほどスケールが小さく
細々したことしか言わない」と
オバマ氏の政策課題の貧弱さを突く戦術を採り始めている
民主党の選挙コンサルタントでこれまでの大統領選にも関与してきた
クリストファー・レハネ氏も
「米国民が直面する課題は大きいのに打ち出すボールは小さい
大統領陣営は大きなアイデアやテーマ
ビジョンを有効に発信する必要がある」
と語った
記者: Laura Meckler、Carol E. Lee
▼:毎日新聞「社説」:
米大統領選討論 世界の脅威を語ったか
毎日新聞 2012年10月24日 02時30分
米外交の主たる関心はやはり中東にある
と再認識させる舌戦だった
11月6日の大統領選投票日まで2週間余り
民主党のオバマ大統領と
共和党候補のロムニー前マサチューセッツ州知事が
米南部フロリダ州で最後の討論会に臨んだ
テーマは外交と安全保障
外交が苦手とされるロムニー氏を相手に
オバマ大統領は終始攻勢を保ち
最終盤で貴重なポイントを稼いだ格好だ
しかし
選挙の見通しは依然予断を許さないものがある
両候補の口調が熱を帯びたのはイランの核開発問題だ
イスラエルはイラン空爆を検討しており
これにイランが反撃すれば一大動乱に発展しかねない
という危機感がある
オバマ大統領は
「イスラエルが攻撃されたら米国は同国と連帯する」
と述べる一方
イランに種々の制裁を科してきたことを踏まえて
「私が大統領である限り、イランは核兵器を持たない」
と断言した
イスラエルの空爆をけん制したのだろう
ロムニー氏の方は
イスラエルが攻撃された際の支援には「軍事」も含むと明言し
親イスラエルの姿勢を強調した
米国では
親イスラエル団体の動向が選挙結果を大きく左右することもある
こうした政治風土には批判もあるが
今は両候補とも票固めに必死なのだろう
また
オバマ大統領が
国際テロ組織アルカイダを率いるウサマ・ビンラディン容疑者を
殺害しイラクとア フガニスタンでの軍事行動終結に道筋をつけた
意義を強調したのに対し
ロムニー氏は
在リビア領事館襲撃事件(9月)で米大使らが殺害された
ことを挙げて オバマ政権の取り組みの甘さを批判した
だが
シリアへの対応も含めて両候補に大きな政策の違いが
あるわけではなく中東における米国の影響力 も衰えている
ただ
「イスラムとの融和」を説くオバマ大統領に対して
ロムニー氏にはイスラムへの警戒感が強く
「21世紀の主たる敵はイスラムのファシ スト」と指摘した
ブッシュ前大統領(共和)の認識に似ている点が
注目されよう
約1時間半の討論はもっぱら中東問題に集中したが
重大な問題は他の地域にもある
オバマ大統領が
米国を「太平洋国家」と位置付けるのなら
東シナ海や南シナ海における中国の「海洋進出」と周辺国の対立
にも真剣に向き合う必要があろう
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