家電大手3社の今期業績 スマホ台頭で「市場縮小」深刻
家電大手の今期業績
スマホ台頭で「市場縮小」深刻
2012年 10月 25日 17:27 JST
£±£°·£µÆü¡¢²ÈÅť\«¡¼Âç¼ꣳ¼ҤζÈÀӤϡ¢Ä̴ü·ײè¤β¼¿¶¤ì\ꥹ\¯¤¬¤¯¤¹¤֤롣¼̿¿¤ϥѥʥ½\˥寤Υ�¡£ÅÔÆâ¤ǣ¶·±ơʣ²£°£±£²ǯ¡¡\�\¿¡¼/Yuriko Nakao¡Ë
コラム:「円安」が長続きしない理由=佐々木融氏
焦点:米企業で物言う幹部が増加、仲良しクラブ脱却
[東京 25日 ロイター]
家電メーカー大手3社の業績は
通期計画の下振れリスクがくすぶる
テレビ販売が弱いだけでなくスマートフォン
(多機能携帯電話=スマホ)の台頭で
デジタルカメラ
ゲーム
パソコンなど主要製品の出荷が低調
年末商戦の反転も期待しづらい
▼:ソニーは売上減少を資産売却でカバーする余地があるが
▼:パナソニックは
追加の構造改革費用の積み増しで2年連続の大幅赤字に陥る可能性がある
▼:経営危機に陥ったシャープは
下期の営業黒字化を目指しているものの
今後の主力と位置付ける中小型液晶パネルの出荷拡大に苦戦しそうだ
<売上縮小を資産売却でカバーも>
主力製品の販売低下はスマホ機能の高度化が要因だ
スマホが1台あれば
デジカメ
ゲーム機
パソコンの機能が利用できるようになり
「専用ハードの市場縮小」(外資系証券アナリスト)が
深刻
ソニーも「いくつかのカテゴリーで食い合いが起きている」(幹部)
として一部でスマホに市場が侵食されていることを認めている
任天堂が24日の決算で携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の
2013年3月通期の販売計画を下方修正したが
ソニーの携帯ゲーム機「プレイステーションVITA」
の販売も厳しそうだ
一方で頼みのスマホ事業も
米アップルと韓国サムスン電子の2強の狭間で苦戦
完全子会社化した携帯子会社の赤字は今期も続く見通しだ
ソニーは
主力事業の売上縮小で1300億円の通期営業利益予想も下方修正
を迫られる一方で
9月末で化学事業を572億円で売却したほか
米国本社の売却を検討中
米国会計基準を採用するソニーは事業資産の売却益を
営業利益に計上できる
一部報道では米国本社の資産価値は7~10億ドル(560~800億円)の
価値があるとされており
売却が実現すれば「見かけ上の営業利益」は大幅に確保されそうだ
<減損処理で2年連続の大幅赤字も>
パナソニックは
4―9月期決算では「負の遺産の最終処理」が課題
三洋電機
旧パナソニック電工
旧松下通信工業など過去の買収で
「のれん代」の合計額は7574億円(2011年度末)
全社の無形固定資産は3457億円にのぼる
このうち
「携帯電話」「太陽電池」「民生用リチウムイオン電池」の
3事業の関連資産について減損処理に踏み切る
公算が高まっている
同社の構造改革費用の計画は410億円だが
アナリストは
2000~3000億円の積み増しを想定
減損処理で追加費用が大幅に発生すれば通期の最終利益予想
(500億円)の下方修正だけでなく2期連続の大幅損失は避けられなくなる
だがJPモルガン証券の和泉美治アナリストは
リーマンショック後の2008年度決算で巨額赤字を計上した
日立製作所が「V字回復」を果たしたことを念頭に
パナソニックが巨額赤字を計上しても「悪材料出尽くしと認識される」
と指摘
31日の決算で記者会見する津賀一宏社長が
来期以降の反転攻勢に向けてどのような発言をするか
が注目されそうだ
<中小型パネル工場の稼働引き上げがカギ>
下期の営業黒字化を目指しているシャープは
4~9月期の業績悪化の懸念が高まっている
9月末までに鴻海精密工業との共同事業化で大型液晶事業は
非連結化したが
課題になっているパネル在庫の評価損のリスクがくすぶる
さらに液晶テレビの販売が低迷しているほか
携帯電話事業もアップルとサムスン電子との競争で国内シェアが
一段と低下したとの見方が大勢だ
同社再建のカギを握るのは中小型液晶
だがアップルの「iPhone(アイフォーン)5」向けのパネルを
生産する亀山第1工場(三重県亀山市)の量産出荷は
当初予定の春から遅れ
製品発売の9月にずれ込んだ
今でも出荷数量が想定を下回っているとの見方が強い
タブレット端末向けのパネルを製造する同第2工場(同市)は
最新技術「IGZO」を採用した中小型パネルを
アップルのiPad(アイパッド)向けに供給しているが
同社幹部は
「稼働率はかなり低い」(幹部)ことを認めている
シャープが主力取引銀行に提出した再建計画によると
12年度
上期の稼働率は39%で
下期の計画は50%にとどまる
亀山第2工場の稼働率の引き上げに向けて
同社が取り組みを強化しているのが
マイクロソフトが10月26日に発売する基本ソフトのウィンドウズ8
を搭載したウルトラブック向けのパネル供給だ
関係筋によると
すでに米デル
米ヒューレット・パッカード
中国のレノボのパソコン大手3社のほか
世界各国のメーカー各社とIGZOパネル供給に向けて交渉を始めて
いる
ただウインドウズ8搭載のウルトラブックの次期モデルが発売される
のは早くても来春以降になりそう
このため
「これを今期の稼働率に織り込むのは無理がある」
(ドイツ証券の中根康夫アナリスト)との見方が多い
まずはIGZOパネルを搭載した自社のタブレット端末
「アクオスPAD」を12月中旬から発売する予定で
パネルの強みをアピールしていく段階だ
事業の悪化だけでなく
繰延税金資産の取り崩しや
パネル在庫の評価損の計上のほか
構造改革費用の積み増しに踏み切れば
2500億円の赤字を見込む最終損失が
さらに拡大し一段の自己資本の毀損が進むことになる
来年9月の2000億円の転換社債(CB)の償還資金のめども
立っておらず
「この下期に4000億円規模の資本増強が必要」
(シティグループ証券の江沢厚太アナリスト)との指摘が出ている
(ロイターニュース 村井令二;編集 久保信博)