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円安では完治しないガラパゴス症候群=斉藤洋二氏

2012-12-31 22:02:14 | 日記


コラム:円安では完治しないガラパゴス症候群=斉藤洋二氏
2012年 12月 27日 18:42 JST



12月27日、ネクスト経済研究所の斉藤洋二代表は、日本人の内向き志向すなわちガラパゴス化が様々な場面において成長の阻害要因となっており、その問題は円安では解決できないと指摘。提供写真(2012年 ロイター)


斉藤洋二 ネクスト経済研究所代表(2012年12月27日)

過去半世紀、自動車産業と共に日本経済を牽引してきた家電産業が苦境に陥っている。その主役であるソニー(6758.T: 株価,ニュース, レポート)、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)の3社は2012年3月期に合計で約1兆6000億円という巨額の最終損失を計上。13年3月期も、テレビや液晶パネルの不振により、パナソニックとシャープは2期連続の大幅赤字へと見通しを下方修正。残るソニーは黒字維持を予想するが、フィッチ・レーティングスは11月にパナソニックもろともその長期信用格付けを「投機的」とされる水準に引き下げた。

この3社合計の時価総額は、5年前の16兆円水準から2.5兆円程度(12月27日終値ベース)へと細っている。経営トップ自らが「デジタル家電分野の負け組」と称する日本勢とは異なり「勝ち組」とされる韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)(時価総額17兆円)や、シャープとの提携交渉が長期化している台湾の鴻海精密工業(2317.TW: 株価, 企業情報, レポート)(同3兆円)には、大きく水をあけられてしまった。

日の丸家電産業の惨状の背景には、技術水準で追いつかれたこと、M&Aによる合従連衡が進まなかったこと、米ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)が家電分野を徹底的に圧縮しエネルギーなどに注力したような業務ポートフォリオの見直しが不十分だったことなどがある。

さらに、「円高」だ。国際決済銀行(BIS)によれば、1970年1月を100とする実質実効為替レートは2012年11月時点で日本円が180に上昇したのに対して、米ドルは66、韓国ウォンは60である。事実上のドル・ペッグを採用してきたアジア通貨に対して、日本の通貨高は突出している。技術力などに絶対的な格差があったときならばいざ知らず、すでに東アジアの経済が離陸した現在、一般労働者の賃金がおおよそ韓国・台湾の2―3倍、中国(上海)の9倍である日本企業が同じ土俵での体力勝負に立ち向かえなくなるのはやむを得ない。

とはいえ、いくら円安を望んでも、変動相場制下における為替調整機能の発揮など期待通りにならないことは40年の歴史に学んだ通りだ。また、そもそも円安だけでは、国内における高いエネルギー価格、高い法人税、そして諸外国との競争環境の劣後など、製造業ひいては日本経済が直面する根本的問題を解決できるとは言い難い。

<日本はアジアで失速した一羽の雁>

1960年代初頭に注目された「雁行形態論」は、リーダーが群れを率いて飛ぶ雁(がん)の姿から名付けられた。この東アジア経済の発展モデルは、日本が産業発展を切り開き、低付加価値・低技術の産業を他の国へ順次移転させてゆくプロセスを示唆したが、現実に日本から四小龍(シンガポール、韓国、台湾、香港)へ、そしてその次の段階において東南アジアや中国沿海部など安価な労働力を有する地域へと産業は移転された。

93年の世界銀行調査報告書は、この成果を「東アジアの奇跡」と呼んだ。次の段階において、日本経済が停滞し存在感が希薄化する一方で、東アジア経済はアップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の製品が中国(広東)で台湾企業により生産されるように、ITなど新興分野において、米国、中国、四小龍、そしてアセアン諸国との地域分業体制へとシフトした。

この20年で、東アジアは通貨危機を乗り越えて一段の飛躍を遂げ、07年の世界銀行調査報告書はこれを「東アジアのルネッサンス」と評価したが、その過程において、「世界の工場」となった中国を中心とした大中華圏が形成され、日本は先頭を切る飛雁から一転して失速した一羽の雁となり、その群れに飲み込まれた。

この間、「日本のガラパゴス化」が指摘されてきた。エクアドルの沖合い900キロにあるガラパゴス諸島は1835年にダーウィンがピーグル号で訪れ「進化論」を着想したといわれる場所。大陸から隔絶され「特殊進化」した生物は「一般進化」したものと比べ外敵への適応力が弱く、絶滅の危機に晒されることに由来する。

日本の技術力は高機能の携帯電話、耐震構造の建築技術などに見られる通り、その先端性の例は枚挙にいとまがない。しかし、世界の標準仕様に照らせば特殊仕様になっていることから国際的には汎用性に欠ける。さらには海外へ輸出する場合は、品質をわざわざ落としたものとせざるをえないという皮肉な結果にもなっている。

一方、ヒト・モノ・カネの流入に対してはアレルギー反応を起こし、また若者の海外への興味が薄れるなど、日本人の内向き志向すなわちガラパゴス化が様々な場面において成長の阻害要因となっており、今後「脱ガラパゴス」が日本経済発展の鍵となるのではなかろうか。

日本は輸出立国と常々言われてきたものの、企業活動の実態は、一部の産業を除けば生産拠点の海外シフトが遅れ、また国内市場でのパイを奪い合って生き残りを図ってきた。これは日本が地理的に隔絶されていることや、長い鎖国政策により特殊進化してしまった結果とも言える。世界的にボーダレス化が進む中、生産・消費両面において、急激に成長するアジアとの垣根を低くし共生を図ることが、適者生存の生物界のルールに適うものと言えよう。

<「リオリエント」の時代に乗り遅れるな>

現在、東アジアにおける地域共同体については、通貨、財政、政治と統合のステップを進める欧州を参考としつつ、そのあり様が種々構想されている。しかし、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)が一体的に東へと拡大し巨大な市場を築いた欧州と前提条件が異なっており、その道のりは一段と困難となるだろう。

なぜなら政策研究大学院大学の白石隆学長とハウ・カロライン京都大学東南アジア研究所准教授が共著「中国は東アジアをどう変えるか」で説いているように、
東アジアの地域システムは、
米国のヘゲモニーの下で運用されてきた「安全保障システム」と、
中国を中核とした「通商システム」という二元性の故だ。

その結果、軸足をアジアに移した米国と海洋権益を主張する中国との構造的緊張は南シナ海や東シナ海での領土問題に見られる通りで、今後も東アジアの共同体構築を阻害するだろう。とはいえ現在、東アジアのGDPは、インドをも含めるとすでに世界の25%以上を占め、2050年には50%以上に達するとも試算される。それは18世紀、ムガル帝国と清朝が隆盛であった頃に匹敵するものであり、「リオリエント」(東洋への回帰)と言われもする。

この地域の発展性は日本が看過するには大きすぎる。

翻って日本は、2055年には人口が9000万人を割り込む見通しであり、国内市場は縮小する。一方で、日本の貿易総額に占める自由貿易協定(FTA)相手国の割合は19%にとどまり、30%を超える欧米や韓国などに比較するとその自由化の進捗は遅く、日本企業は不利な競争条件下に置かれている。

したがって、世界貿易機関(WTO)で新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が休止状態に陥っている現在、日中韓が交渉開始を決定したFTAや経済連携協定(EPA)、あるいは環太平洋連携協定(TPP)など様々な自由貿易交渉の戦略的取り組みは喫緊の課題である。それは、「脱ガラパゴス」へと日本の背中を押してくれるはずだ。

*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年、一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

『日本の病巣』←平和ボケが治っていない

2012-12-31 17:35:01 | 日記


歯に衣着せぬ言い方をすれば
日本は危機管理に弱くなっていると思います

その病巣は「平和ボケ」が治っていないことではないかと
推測しています

福島第1原発事故発生後数日間
日本政府も東電も米国の助力は必要ない
といった態度でした

技術面でも日本の方が優っているという思いがあったのかも
しれません日本だけでなんとかできるという過信が
あったのかもしれません

しかし
未曾有の危機を打開する為には
役に立ちそうなものは何でも試してみる態度が必要になってきます

妙なプライドは邪魔になるだけのときもあります

ただ当初の日本側の強気の構えはその後一変しました
日本だけでは手に負えないことがはっきり分ったのです

そして
心理的な振り子の揺れは大きく
今度は米国への依存心が急激に強まったかのようでした

3/15,16頃国務省内で妙な噂が流れた
日本政府が
原発事故に対処してくれる米軍部隊の派遣を要請しようとしている
という未確認情報でした

我々は困惑してしまいました
原爆事故に対応する能力を持った米軍部隊など存在しないからです

「福島に米軍を呼べって?原子炉を爆撃しろとでも言うのかい?」
国務省の同僚は呆れたように肩をすくめてジョークを飛ばしました

事実
最悪の場合には特殊な米軍部隊が出動し
問題を解決してくれるといった風聞が日本で流れていました

海兵隊所属の化学生物事態対処部隊の任務が誤解されたのでしょう
この部隊は
暴走する原子炉と格闘する技術を持った部隊ではないのです

そしてこの部隊はフクシマに派遣されたものの
大して活躍する機会は無く
出動の意味はあまりありませんでした


米側の支援リストには無人ヘリも記載されていました

日本側は
その性能や特徴に関する事細かな質問や
放射能で汚染された場合の補償はどうなるのか?
といったノンキな問い合わせを返信してきたのです

米国には
無人ヘリを提供する用意があるのだから
日本はまずそのオッファーを受け取って試してみるという態度が
必要だったのではないかと思います

無人ヘリが放射能に汚染された場合の補償などは
その時に相談すればいいことで
くどくどと議論している場合ではないのです

とにかく
震災・津波・原発事故処理という“戦争”に勝たねばならないのに
この期に及んでなお「石橋を叩いても渡らない」かのような
平時のお役所仕事がまかり通っていました

米国側の支援リストに対する問い合わせをめぐるやりとりで
およそ2週間が空費されその間我々は
何が必要なのか?早く決めて欲しいと言い続けていました

米国側の支援リストに
長々とした質問を寄せ「時間の浪費を恥じない」日本当局者にも
*児玉大将と同じことを云ってやりたかった

『そんな問い合わせはこの戦争が終わってからにして欲しい』
つまらない問い合わせの最中にも
放射能は漏れ続け陸も水も空も汚し

*「坂の上の雲」の児玉大将の言葉
「そんなことは戦争が終わってからやれ!今は戦の最中だ」

大地震と大津波を生き残った被災者たちは
避難所で寒さと飢えに苦しんでいたのです

国務省や国防総省の仲間たちは
『決断しないことが決断になるといってコンセンサスばかりを
重視し決断しない日本の指導者たちを批判することが
少なくありません』

残念ながら日本側の決断の鈍さは
今回もまた目立っていました

(出典):
文春新書821「決断できない日本」ケビン・メア著









クリントン米国務長官、血栓治療のため入院

2012-12-31 15:58:22 | 日記

クリントン米国務長官、血栓治療のため入院
日テレNEWS24

日テレNEWS24
2012年12月31日14時08分

 アメリカ・クリントン国務長官が30日、ニューヨークの病院に入院した。血栓の治療を受けているという。


 アメリカ国務省によると、クリントン国務長官は30日、検査の結果、血栓が見つかり、ニューヨークの病院で血液の凝固を防ぐ治療を受けている。
今後48時間は経過を見る必要があるという。

 ロイター通信によると、クリントン国務長官はウイルス性の腹痛を訴えて静養していたが、今月中旬、脱水症状を起こして意識を失い、脳震盪(しんとう)を起こしていた。血栓はその際にできたものだという。

「見て見ない」⇔決断できない日本;ケビン・メア著

2012-12-31 15:54:50 | 日記

「見て見ない」⇔決断できない日本;ケビン・メア著
見て見ぬ振りする日本文化は
政治エリートが現実を直視しない傾向にあるわけで
事はいささか深刻です

例えば
東日本大震災後アメリカ政府は
提供可能な支援品目リストを日本に送り返事を待ちました

ところが
日本側は長々とした問い合わせを送ってきただけで
どの支援品目を必要とするのかについて
具体的な回答がなく貴重な時間が浪費されてしまいました

醜いものを見ない文化

日本のエリートたちの現実を直視する力が衰えている
決断のできない優柔不断
希望的観測に頼る
傾向はおそらく同根の弱さではないでしょうか?

福島第一原発の安定化に向けた東電のロードマップは
目標を羅列したもので
具体的な段取りをきちんと書いたものではありません

いわば
希望的観測を書き出した机上のプランであって
直面する現実としっかりと向き合った
工程表ではないと思うのです

計画立案者が現実を見据えていない場合
その重いツケを支払わせられるのは
第一線の現場要員にほかなりません


今の東電と旧日本軍は重なる部分があると言えるかも
第二次大戦中愚かな作戦の下で
筆舌に尽くし難い辛酸を舐めさせられたのは
第一線の下士官・兵士たちでした

私はある日本専門家から
「日本の美意識の真髄は醜いものをあえて見ないことだよ」
と教えられたことがありました

この理論が正鵠を射ているように思われるときがありました
銀閣寺を見学した時
見事な日本庭園の傍に殺風景な自動販売機が
置かれていたのです

「なぜ?こんな美しい場所を台無しにする自販機を置くの?」
怒りを覚えたのですが同行の日本人は三人とも
「どこ?」
と尋ねてきました

周囲の日本人は誰も気にしているような雰囲気がない
ことに驚きました

日本人はその場にそぐわない醜悪な物体を
意識から自然に排除したのだろうと思いました


「出典」:文春新書821「決断できない日本」ケビン・メア著

▼ポイント:
冷酷無比な切り捨て御免
大衆切り捨ての天平時代の列島支配意識