ぴあは消えるのか

「けっこんぴあ」がなくなるという。
別に結婚する男女が減ったからではない。
「ゼクシィ」に負けた、そして世の中の流れに負けたのだ。

ぴあは今年３月期決算で２５億円の最終赤字を出した。
赤字の理由としてチケット販売システムに不具合が生じ、その対応に手間取ったためとしているが、出版事業も２億円以上の赤字を出している。

今から２０年ぐらい前、コンサートやイベントの情報を手に入れるにはぴあを読むのが一番手っ取り早かった。
「Tokyo Walker」などの後発誌が発売されても、ぴあは情報誌の老舗としての地位は持っていたはずだったのだが。
当時ブームだった競馬などのムック本も、今となっては懐かしい。

情報誌発行元のライバルであったリクルートは数百円の週刊の情報誌ではネットに勝ち目はないと見たか求人、住宅などの情報誌を無料にして駅のホームなどに棚を作って並べている。

出版事業を縮小してチケット販売で生き残りを図ろうとしているぴあだが、チケットもいつの間にかコンビニで機械を操作して買う時代になり、ライバルが多くてかつてのような独占状況ではない。

ぴあは５月に、３割の社員を削減するリストラ策を発表している。
一時期は人気就職先のひとつだったぴあにその面影はないが、今から１０～２０年前、高倍率をくぐり抜けてぴあに入った社員の中には、現状に危機感を覚えて変えようと試みる人間はいなかったのだろうか。
それともさっさと見切りをつけて転職してしまったのか。