東峰村の予防医療をテーマにした実験番組の試作が完成して昨日関係者で試写しました。番組は10分です。
東峰村住民ディレクターの有名人梶原伯夫さんが健診を受けるために保険士さんを訪ねます。受けるにはどうすれんばいいか?受けたらどうなるか?結果が出たらどうなっていくか、などを普段役場を訪れて聞きにいったように軽妙に突っ込んでいきます。保険士の井上さんも普段村民の方に接するような感じのままで話してくれるので会話がスムーズに耳に入ってきます。
この種の番組は実は非常に難しいのです。専門的な用語はいっぱいありますし、いい悪いは抜きにして行政情報ですからなかなか微妙な言い回しのところがあります。それだけに登場する人の血の通った会話が要です。スタッフで侃々諤々議論をしましたがとにかく1回目にしては相当わかりやすく面白い番組に仕上がったと感じました。何しろ今回はプロが手伝いますが、近い将来は村だけでやれるようにいかに仕組みをつくり、人材を養成するかが大きな課題です。番組レベルもプロがいるので(わたし以外のいわゆる制作会社のスタッフ)最初に高くなりすぎるといつか格差が負担になる時が来ます。そのへんのボーダーラインはどの辺にあるのか?そこがプロデュースのミソです。
自分で言うのも何ですがその辺の輪郭を正確に掴んで村に着実にバトンタッチすることはそう簡単にできるものではありません。14年間全国の様々な地域に住みながらあらゆる手法を実践してきたからわかる輪郭があります。今回の東峰村ではこの「村民で運営できる輪郭」をプロデュースする大仕事です。ローマは一日にしてならず・・、村民とプロ制作者とのゆるやかな恊働態勢がここで実現すれば全国の自治体にお役に立ちます。実験とは言いたくない事業ですが人口2800人の小さな村でとても大きく壮大な社会実験に取り組んでいるのです。この成功のカギはお互いの人間力です。