(旧) 地球のどこか片隅で

今まで行った旅行先のエピソードを中心に、日々感じたことなどをつぶやいてます!!

スペイン 心の中の暗黒

2005-04-20 | スペイン
プラド美術館のコレクションの中でも、有名なのが巨匠ゴヤのコレクションです。
宮廷画家として活躍したゴヤは、明るく優雅な宮廷生活を描いてきました。

しかし、1807年になると、フランスによるスペイン侵略が始まります。
スペイン独立戦争で、殺されていく武器も持たない力無き人々。

ゴヤの絵にもそんな暗い影が現れてきます。


スペイン独立戦争を描いた「1808年5月3日」(1814年)

そして晩年、ゴヤは人間の内面の暗黒をえぐりだしたような、「黒い絵」と呼ばれるシリーズを描きます。


「我が子を食うサトゥルヌス」(1820年-1823年)

上のサトゥルヌスの絵は黒い絵の中でも代表的なものです。

心の闇とともに、次第に色彩をなくしていくこの3枚の絵。
巨匠の叫びが聞こえてきそうで、思わず目を背けたくなってしまいます。

明るくカラフルなイメージのあるスペインにも、こんな暗黒の時代があったのです。


萌黄色、柑子色、浅黄色、菫色、若草色、山吹色、群青色。。。
日本にはたくさんの色があります。

それはとっても幸せなこと。
そんな色彩を感じる心を失わないでいたいものです。