ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

与野党の攻防 その行方は

2024-03-03 11:45:44 | 日記
新年度の政府予算案が、衆議院本会議で自民・公明両党の賛成多数で可決され、参議院に送られた。これで政府の予算案は、憲法の規定により年度内に成立することになる。


野党は立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党がこぞって反対したが、いかんせん多勢に無勢、結果は初めからわかっていた。


むろん野党側は、指をくわえてただぼけっと座視していたわけではない。「審議時間が足りない」として3月4日の採決を求めたり、自民党の裏金事件に関与した議員を出席させた上での政倫審(衆院政治倫理審査会)の開催を求めたり、政治改革のための特別委員会の設置を求めたりと、それなりの抵抗はしたが、与党側は2日の採決を頑として譲らず、結局のところ政府予算案は年度内に成立することになった。


与党側が土曜日の審議を強行してまで予算案の採決に持ち込んだのは、この日が予算案・年度内成立のタイムリミットだったからである。予算案の年度内成立には、それなりの大義名分があった。
「能登半島地震の被災地の復旧復興への切れ目ない対応や、物価高に負けない賃上げの実現に向けた対応を最大限図るため、予算案の速やかな成立が求められる」(上野賢一郎議員)からである。


予算案をめぐる与野党の攻防は、数の論理からいっても、大義名分からいっても、しょせん野党に勝ち目はなかく、与党が勝利するのは確実だった。抵抗のために野党がくりだす種々の要求は、蟷螂の斧の感を否めないが、それ以上に私が気になるのは、この戦術が今後の政局に及ぼす影響である。


野党側の当初の目的、それはいうまでもなく予算案の採決阻止である。自民党の裏金事件に関与した議員を出席させた上での政倫審(衆院政治倫理審査会)の開催や、政治改革のための特別委員会の設置といった要求は、その目的を実現するための手段に過ぎない。


目的は果たせなかったものの、しかしこれらの要求は与党側も呑まざるを得なかったのだから、これはこれで攻防の一応の成果となり、今後は「与党・自民党を追及する」という(本来の)目的に対する手段の役割を果たすことになる。今後、与野党の攻防は「政倫審」の場に舞台を移し、「自民党の闇の徹底的解明」という次の目的の実現に向かって進められることになるはずだ。野党は、野党本来の役割を発揮して、与党のどす黒い闇を徹底的に暴いてほしい。


さて、与野党のせめぎ合い、今後はどうなりますことやら。

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