目から鱗(うろこ)。言われてみて、「あ、な〜んだ、そういうことだったのか」と気づかされ、呆気にとられることがある。
きのうはデイサービスへの「出勤」の日だった。着座して行う集団体操の後で、個別のリハビリを待つ空き時間に、私は(2つの絵を見比べる、子ども騙しのような)「間違い探し」をやるように言われた。
同じにしか見えない2つの絵なのだが、違いが8個あるという。目を皿にして探しても、私には5つしか見つからなかった。気分が悪いので、残りの3つがどれかを、スタッフの(比較的)若い女の子に訊いてみた。
「えーと、ここと、ここと、あとはここですね」
言われてよく見ると、たしかに違っている。
「な〜んだ。参ったな」
私は頭を掻いた。
これと同じ思いを、私はけさ次の記事を見て味わったのである。
「たしかに、そう言えばそうだよな」
起きがけのベッドで、私が目にしたのはこんな記事だった。
「26日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した俳優・武田鉄矢(73)。東谷容疑者について『人の悪口を言っただけ』『(悪口を)公に言わない、言った、それだけの差で国際指名手配? パスポートを取り上げられるんですか? どう考えたって、法のはかりがあったら合わないんですよ!』と持論を展開した。」
(日刊ゲンダイDIGITAL 3月28日配信)
参院議員だったガーシーこと東谷義和氏(51)は、国会への欠席を続けたため、懲罰として除名処分を受けている。東谷氏は海外にいて帰国できないため、国会へは出席できなかったのだが、なぜ帰国できないのかというと、芸能人や実業家などの著名人に対する暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉棄損で逮捕状と旅券返納命令が出ているためだという。
東谷氏に逮捕状が出されるに至った経緯について、私はそれまで全く疑っていなかった。東谷氏といえば、YouTubeで芸能人のスキャンダルを暴くうるさ型の人として有名だったが、逮捕状が出されたからには、それだけ悪いことをしたのだろう。「カネを払わなければ秘密をバラすぞ!」と、芸能人に対して、脅迫を常習的に行っていたに違いない、そう思っていた。
しかし、これはあくまでも私の想像に過ぎない。東谷氏に逮捕状を出した警察が嫌疑の具体的な内容について話したことではない。だから、嫌疑はただの嫌疑にとどまり、実際には東谷氏が脅迫行為をはたらいていなかった可能性もあることになる。
とすれば、武田鉄矢が言うように、東谷氏は「人の悪口を言っただけ」ということになる。東谷氏は高々「名誉毀損」の罪を犯したに過ぎないのだ。したがって東谷氏は「公に言わない、言った、それだけの差で国際指名手配の対象になり、パスポートを取り上げられる」ことになる。これは「 どう考えたって、法のはかりがあったら合わない」ということになる。
武田鉄矢は、(だれもが考えてもみなかった)東谷氏が冤罪をこうむる可能性を気づかせてくれたと言えるだろう。ところが武田の発言を紹介した「日刊ゲンダイ」の記事は、これを「老害」のなせる業とし、東谷=極悪人とみなす常識的一般人の偏見の域を一歩も出ていない。この記事は、「武田鉄矢」という、旬を過ぎた芸能人をおちょくるだけのゴシップ記事になってしまっており、その点が残念である。
きのうはデイサービスへの「出勤」の日だった。着座して行う集団体操の後で、個別のリハビリを待つ空き時間に、私は(2つの絵を見比べる、子ども騙しのような)「間違い探し」をやるように言われた。
同じにしか見えない2つの絵なのだが、違いが8個あるという。目を皿にして探しても、私には5つしか見つからなかった。気分が悪いので、残りの3つがどれかを、スタッフの(比較的)若い女の子に訊いてみた。
「えーと、ここと、ここと、あとはここですね」
言われてよく見ると、たしかに違っている。
「な〜んだ。参ったな」
私は頭を掻いた。
これと同じ思いを、私はけさ次の記事を見て味わったのである。
「たしかに、そう言えばそうだよな」
起きがけのベッドで、私が目にしたのはこんな記事だった。
「26日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した俳優・武田鉄矢(73)。東谷容疑者について『人の悪口を言っただけ』『(悪口を)公に言わない、言った、それだけの差で国際指名手配? パスポートを取り上げられるんですか? どう考えたって、法のはかりがあったら合わないんですよ!』と持論を展開した。」
(日刊ゲンダイDIGITAL 3月28日配信)
参院議員だったガーシーこと東谷義和氏(51)は、国会への欠席を続けたため、懲罰として除名処分を受けている。東谷氏は海外にいて帰国できないため、国会へは出席できなかったのだが、なぜ帰国できないのかというと、芸能人や実業家などの著名人に対する暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉棄損で逮捕状と旅券返納命令が出ているためだという。
東谷氏に逮捕状が出されるに至った経緯について、私はそれまで全く疑っていなかった。東谷氏といえば、YouTubeで芸能人のスキャンダルを暴くうるさ型の人として有名だったが、逮捕状が出されたからには、それだけ悪いことをしたのだろう。「カネを払わなければ秘密をバラすぞ!」と、芸能人に対して、脅迫を常習的に行っていたに違いない、そう思っていた。
しかし、これはあくまでも私の想像に過ぎない。東谷氏に逮捕状を出した警察が嫌疑の具体的な内容について話したことではない。だから、嫌疑はただの嫌疑にとどまり、実際には東谷氏が脅迫行為をはたらいていなかった可能性もあることになる。
とすれば、武田鉄矢が言うように、東谷氏は「人の悪口を言っただけ」ということになる。東谷氏は高々「名誉毀損」の罪を犯したに過ぎないのだ。したがって東谷氏は「公に言わない、言った、それだけの差で国際指名手配の対象になり、パスポートを取り上げられる」ことになる。これは「 どう考えたって、法のはかりがあったら合わない」ということになる。
武田鉄矢は、(だれもが考えてもみなかった)東谷氏が冤罪をこうむる可能性を気づかせてくれたと言えるだろう。ところが武田の発言を紹介した「日刊ゲンダイ」の記事は、これを「老害」のなせる業とし、東谷=極悪人とみなす常識的一般人の偏見の域を一歩も出ていない。この記事は、「武田鉄矢」という、旬を過ぎた芸能人をおちょくるだけのゴシップ記事になってしまっており、その点が残念である。