ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日米安保体制にボディーブローが

2020-06-30 12:28:52 | 日記
河野防衛相の放ったボディブローが、さっそく効果を発揮しはじめたようだ。このボディブローを受けた「日米安保体制」という張りぼての虎は、その枢要部分のあちこちで亀裂を見せはじめている。

河野防衛相が放ったボディブロー、それは、イージス・アショアの配備計画を中止する構想である。サイトAERA dot.は、6月29日配信の記事《「やめるなら地上イージスより辺野古だ」 元防衛大臣・副大臣が新基地見直しに言及 》の中で、次のように記している。

「政府が秋田、山口両県への地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』配備計画停止を決めたことなどをきっかけに、安倍政権が沖縄で推進している辺野古新基地建設にも疑問の目が向けられている。背景には、新型コロナウイルス対策に巨額の国費を投入するため、防衛費を圧縮せざるを得ない政府の事情がある。
『開発の費用や期間を考えれば、残念ながら配備は合理的でないと言わざるを得ないと判断した』
 6月15日の会見で河野太郎防衛相がイージス・アショアの配備計画を停止する理由に挙げたのは、迎撃ミサイルを打ち上げた際に切り離す推進装置『ブースター』の落下だ。候補地の山口県に対し、防衛省は自衛隊の演習場内にブースターを確実に落下させると説明してきたが、『ハードウェアを改修しなければ、確実に落とせると言えなくなった』(河野氏)というのだ。
イージス・アショアは本体2基の購入費や30年間の維持費など、米国への支払い分だけで4664億円を見込んでいた。ここに用地取得費用などが加わる上、ブースターを演習場内に落とすための技術改修には2200億円以上を要すると試算され、停止の判断に至った。
 沖縄県の玉城デニー知事は翌16日、『コストと期間を考えたら、辺野古の方がより無駄な工事ではないか』と政府の二重基準を批判し、『普天間(飛行場)は即時閉鎖、返還、運用停止を』と訴えた。」

「辺野古の見直しを!」と声を上げるのは、沖縄県知事だけではない。与党・自民党の現職国会議員・長島昭久氏も、同様の意見をツイッターに投稿した。

「『コストと配備時期』が理由というなら、あと15年もかかり、コストは青天井の辺野古移設計画も同じように決断し、10-15年先を見据えて、真に役に立つ防衛装備に国民の税金を有効活用してほしい。」

この声は、ほかならぬ長島昭久氏の要望だからこそ意味があり、重みがある。AERA dot.は長島氏の経歴を次のように紹介している。

「長島氏といえば、ワシントンに豊富な人脈を持つ安全保障通というイメージが強い。真っ先に浮かぶのは、普天間飛行場の移設先は『最低でも沖縄県外』を掲げた09年の鳩山内閣で防衛政務官を務めた経歴だ。内部告発サイト『ウィキリークス』が暴露した米秘密公電によると、鳩山由紀夫民主党代表が首相に就任した直後の09年10月、鳩山首相の命を受けた長島議員が防衛省高官とともに、非公式の日米協議に臨んでいたことも明らかにされている。
長島氏は『辺野古』に回帰した菅内閣や野田内閣でも防衛政務官や防衛副大臣を務め、現在に連なる防衛政策の立案、整備に深くかかわってきた。17年4月に民進党を離党。離党を決意した最大の理由として、共産党との選挙共闘という民進党の方針が受け入れ難く、『保守政治家として譲れない一線を示す』ためだったとブログにつづっている。その後、小池百合子都知事が立ち上げた『希望の党』に合流。長島氏は希望の党の解党後、無所属などを経て19年6月に自民党に入党した。現在、衆議院安全保障委員会の筆頭理事を務める」

注目すべきは、「辺野古見直し」の声を上げたのが、この二人にとどまらないことである。防衛庁長官や防衛大臣、安全保障法制担当大臣を歴任した中谷元・衆院議員も同様である。

「設計変更が沖縄県に提出されていますが、今の県政はあらゆる手段をもって反対すると言っています。おそらく裁判になって国と沖縄が対立することが予測されます。しかも設計変更が認められたとしても、完成までにはさらに10年以上もかかる。巨額の予算と労力を投じて、今のように沖縄県と政府が対立したまま強引に造ってしまう形で本当にいいのか」

中谷氏の場合、「辺野古見直し」の声は「米軍だけではなく、自衛隊も沖縄北部の人たちも合わせて使える飛行場」の建設をめざす立場からのものであり、長島氏や沖縄県知事とそっくり同じものではない。だが、「安倍政権が辺野古の不合理性にほおかむりを続ける現状」を問題視し、この現状に風穴をあけようとする点では、この二人と共通している。

沖縄県の玉城知事にしても、自民党防衛族の長島氏にしても、また元防衛大臣の中谷氏にしても、河野防衛相のイージスアショア配備計画停止発言は、自分たちの異議申し立てへの強力な援護射撃として、心強く思われたに違いないのである。

日米安保体制の不合理は、ほかにも多々あるのではないかと思われる。
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潰された専門家会議

2020-06-29 11:30:17 | 日記
政府の自粛緩和策はコロナ防止よりも経済の活性化を優先する方向に舵を切った結果だ、と私は書いた。きのう本ブログでそう書いてから、眠気覚ましにネットの森を散策しがてら、サイト「リテラ」を開いたら、こんなタイトルが目に入った。
《「専門家会議廃止」の裏に緊急事態宣言解除めぐる安倍官邸との対立! 今井─西村ラインが経済優先を批判する専門家会議に逆ギレ》
(6月27日配信)

この記事によれば、安倍官邸が緊急事態宣言の解除に積極的だったのに対し、専門家会議はこれに消極的だった。つまり、安倍官邸が経済の活性化を優先させようとしたのに対し、専門家会議はコロナ防止を優先させようとし、両者の間には厳しい意見の対立があったというのである。

「そもそも、安倍首相および安倍官邸は緊急事態宣言の発出に消極的だったが、それを動かしたのは専門家会議による『欧州のように突然、爆発的に感染が広がる可能性がある』といった提言があったためだ。だが、経産省出身で『経済優先』の立場に立つ今井尚哉首相補佐官を筆頭とした官邸サイドは一刻も早い宣言解除を実行したがっていた。しかし、そこでも『障害』となったのが、解除に慎重な姿勢を示した専門家会議の存在だった。」

聞き捨てならないのは、安倍官邸が専門家会議の意見を力によってねじ伏せたことである。安倍官邸は専門家会議の意見を黙殺し、ついには専門家会議の存在そのものを抹殺したのである。

「昨日、全国でコロナ感染者が再び100人を超えたことを考えると、明らかに専門家会議の判断のほうが正しかった。ところが、安倍首相は緊急事態宣言の全面解除を強行。そして、その約1カ月後に、それに反対した専門家会議の廃止を発表したのである。」

結局のところ、政府にとって専門家会議とは何だったのか。安倍政権にとっては、専門家会議は「責任押し付けと政治利用の道具でしかなかった」と、この記事は断じている。要するに専門家会議は、安倍政権にとってはアリバイ作りの手段でしかなかったのだ。

検察庁法改正問題といい、河井案里氏選挙支援問題といい、この政権は徹頭徹尾、腐っている。頭から尻尾まで腐っている。腐っても鯛であればそこそこお目出タイのだが、そうは問屋が卸さない。法を甘く見、人の命を屁とも思わない政権の、その末路は見えている。
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収束しないコロナ禍は

2020-06-28 12:04:22 | 日記
文明の先進国・アメリカは、コロナ禍に関しても日本の二歩も三歩も先を歩んでいる。だからその拡散の(無惨な!)有り様は、日本の近い将来を暗示していると私は思っている。きのう、こんなニュースを聞いた。

「アメリカで新型コロナウイルスの一日の新たな感染者が4万5000人を超えて、これまでで最も多くなりました。
ジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、アメリカの26日の新たな感染者の数は4万5000人を超えて、2日連続で過去最多を更新しました。累計の感染者数は250万人に迫り、世界の感染者の4分の1を占めています。一日で新たに約9000人の感染が確認されたフロリダ州と、約6000人が確認されたテキサス州は、バーの中での飲酒を禁止するなど、再開した経済活動を部分的に停止させました。また、アリゾナ州やノースカロライナ州など9つの州が経済再開の次の段階に移行しないと発表しました。」
(テレ朝news 6月27日配信)

このニュースが伝えるアメリカの現状は、「世界は(パンデミックの)危険な新局面に入った」とするWHOの警告を裏づけているように私には思える。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、グローバルに見れば、間違いなく加速しているのだ。

では、現在の日本の状況はどうなのか。アメリカと比べれば桁が違うが、これはのほほんと見過ごせる状況ではない。

「新型コロナウイルスの国内の感染者は26日、午後9時半時点で新たに105人が確認され、累計で1万8379人になった。1日あたりの感染者が100人以上となるのは5月14日以来43日ぶり。死者はいなかった。
東京では新たに54人の感染が確認された。24日に50日ぶりに50人台となり、25日も48人と、50人前後の確認が続いている。26日の54人のうち、接待を伴う飲食店従業員ら『夜の街』関連の感染者は31人。この日までの1週間で確認された291人のうち、夜の街関連は全体の42%の123人に上る。この7割が新宿区に集中しているという。」
(朝日新聞DIGITAL 6月26日配信)

政府は県をまたぐ移動の自粛に対し、6月19日からこれを緩和する方針を打ち出したが、この日からきのうまでの間に、コロナの新規感染者は確実に増え続けている。にもかかわらず、だれも「おお、第2波の到来か!」と騒がず、「方向性を変えることは考えていない」(西村経済再生担当大臣)として、自粛緩和策−経済活性化策を見直そうとしないのは、「この程度の人数なら大丈夫」、「この程度の増加率なら大したことはない」と高をくくっているからだろう。だが、ホントにそれで良いのだろうか。

政府の自粛緩和策は、コロナの防止よりも経済の活性化を優先する方向に舵を切った結果だが、これは、コカインの依存症患者がコカインの摂取を絶てない状況に似ている。コカインを止めれば、患者は禁断症状の苦痛に見舞われる。この目の前の苦痛を避けようとして、患者はまたコカイン(経済活動)に手を出してしまうのだ。その結果、もっと大きな苦痛に見舞われ、時には命の危険にすら曝されることがわかっているのに。

自由を奪う移動の自粛を受け入れることは、辛く、そして苦しい。自粛に伴う経済不況はもっと苦しい。だがこの苦しみを克服しなければ、我々日本人は蟻地獄のような麻薬の悪循環の、その罠から脱け出すことはできないのだ。さあどうする、日本人。さあどうする、日本政府。頼みますぜ、西村大臣!
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コロナ禍と中国通販

2020-06-27 11:29:42 | 日記
コロナ禍の影響は、私にとっても切実な問題である。海外輸送の遅延、これが半端ではないのだ。目下、私が首を長くして待っているのは、中国の通販でポチった4.5インチの android スマホなのだが、ポチってからもう1か月がたつというのに、これがまだ届かない。ポチったときには、「通常は13-22日で届きます」と表示されていた。実際、コロナ禍の前なら2〜3週間もすれば届いていたのだが、今はコロナ禍の最中とあって、1か月前にポチったこのスマホがまだ届かないのである。最近、「この商品が8月3日までに届かなかった場合は、弊社までご連絡ください」と表示が変わった。「8月3日までには届きますよ」ということなのだろう。あと1か月以上も先のことである。気の長い話だ。

私がなぜそこまでしてこのスマホにこだわるのかというと、この手のスマホ(4.5インチの android スマホ)が日本では手に入らないからである。私は胸ポケットに収まる小ぶりのタイプが好きで、以前は3.5インチの iPhoneSEを使っていた。しかし、これはあえなく壊れてしまい、iPhone はもうこりごり。iPhone とは相性が良くない私は、使いなれたandroid タイプを探し、2.5インチという極小のスマホをやっとアマゾンで見つけた。現在はこの機種を重宝して使っている。ところがこの機種は、小ぶりで使い勝手が良いものの、内臓リチウム電池の容量が小さいためか、電池の持ちが悪く、一日に2回は充電の必要に迫られる。それが不便で、私は新しい機種に買い替えたいと思っていた。しかし日本で売られている androidのスマホは、小さいものでも5.5インチ。ケースを装着すると、これでは私の半そでポロシャツの胸ポケットには収まらない。

2ヶ月ほど前、私は中国の通販サイトで9インチのLinux PCを見つけ、これを購入した。これも日本ではまず手に入らないタイプである。このときにも商品が届くまでには2か月以上かかり、私はかなりの間やきもきさせられた。こんなことなら、もう中国の通販で買うのはやめよう、と思ったのだが、それも束の間、私はまたしても同じ轍を踏んでしまったことになる。

でも、これもまあ仕方がないことなのだ。なにしろこの手のスマホは中国の通販でしか買えない。それに、日本で買えば3万円は下らないスペックのスマホが、な、なんと!3,000円で買えてしまうのだ。

好い目を見るためには、何事も辛抱が必要だということなのだろう。それにしても、コロナ禍さえなければなあ・・・。
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歌舞伎町から

2020-06-26 14:24:30 | 日記
筆一本で立つとは、こういうことなのだろう。今、日本で一番危ない街、--暴力と無秩序とコロナウイルスが蔓延する新宿歌舞伎町の、その街角に身をおき、実体験のルポルタージュを認(したた)める。この街を長年棲み処としてきた筆者ならではの迫力とリアリティーがそこにはあふれている。筆者は日野百草(ひの・ひゃくそう)氏。1972年生まれのルポライターである。
以下の記事(PRESIDENT Online 6月25日配信《「実はコロナかも…」「誰も気にしない」クラスター多発の歌舞伎町の闇と実情 》)は、日本一危ない街からの貴重な現場報告である。

「6月中旬の歌舞伎町、私は今日も朝までこの街を徘徊(はいかい)する。30年来当たり前の行動だが、ひとつ違うのは各所でコロナウイルスによるクラスターが起こっていることか。もっとも今だから書くが、緊急事態宣言の間も路地の小さなホストクラブからコールの声が響いていたし、デリヘルの車は女の子を乗っけて待機していた。もちろん大半は自粛していたので数そのものは少ないが、国も自治体も民間の経済活動に介入することは不可能だ。誰も助けてくれやしない世界で生きる人にとってはこれが現実である。」

日野氏が報告する「誰も助けてくれない世界で生きる人」の現実とは、では、一体どういうものなのか。日野氏はこんなふうに書いている。

「そもそも誰もコロナの心配なんかしていない。ここではみんな金しか興味ない。バカにするかもしれないが、コロナより経済を取った日本の縮図が歌舞伎町だ。現にこの状態で19日には夜の店も都道府県の横断も正式に全面解除となった。」

これが只のありきたりな一般論だったら、「ああ、そうですか」というだけの話だろう。だが、実体験からくるリアリティーの重みがこの話に妙な説得力を与えている。こんな具合だ。

「『ホストったってピンきりだからおっきいとこはともかく小さいとことか、ホストもどきも含めてコロナとかわかんないでしょ、デリなんかもっとわかんない』
『わかんない』とは『国や都が把握できっこない』ということだろう。実際お手上げのようで、とりあえずの検査と要請を大手ホストクラブを中心に呼びかけただけ。そしてこの取材の数日後、19日にはライブハウスや接待を伴うナイトクラブなどの休業要請が全面解除される。警察車両は通るがのんびりしたもの、お巡りさんの声掛けも本当に声掛けで笑顔と笑いに満ちている。警察官もある意味、歌舞伎町の仲間だ。」

日野氏はさらに次のような歌舞伎町の「現実」も報告している。

「『私、じつはコロナだったかも~。熱すごくて家にずっといたもん』
女の子があっけらかんと話す。冗談ではなく本当にコロナだったかもしれない。結局、日本人の大半は検査を受けられなかった。
『もうみんなコロナになっちゃったし、ホスト遅れてね?』
流行に乗り遅れているということか。なるほど歌舞伎町ではコロナも流行のひとつでしかない。パンデミックという流行は、ファッションという流行に置き換わる。」

ほかにも歌舞伎町ならではの面白い話が満載だが、日野氏はこの記事の最後にこう締めくくっている。

「コロナはうやむやのままに19日、この歌舞伎町の飲食を伴う接待含め全面解除となった。もっとも、そんなものは最初から誰も気にしていない。国も自治体も蚊帳の外、歌舞伎町は歌舞伎町の掟(おきて)で動いている。(中略)ホストクラブにクラスターが起こるなら、オフィスにだってクラスターは起こるはずだ。金のためならコロナなんか気にしないのはサラリーマンも水商売もお互い様、もうみんな、コロナより金が大事だ。ゆえに国もコロナより経済を優先した。この歌舞伎町と同じように、多少の犠牲を覚悟して。」

決して明るい話ではない。この記事を読んで、私の懸念は大きくなった。日本の中心、東京都庁の足下にこんな現実があるというのに、日本はホントに「第2波」を乗り越えられるのだろうか。「多少の犠牲を覚悟」すれば、それで済むのだろうか。このルポルタージュとは別に、きのうの朝日新聞にはこう書かれていた。

「新型コロナウイルスの国内感染者は24日、午後9時時点で新たに96人が確認され、累計で1万8192人になった。(中略)東京都で新たに確認された感染者は55人。50人以上は5月5日の57人以来、50日ぶり。国の緊急事態宣言が全面的に解除された5月25日以降最多となった。(中略)。都は同じ職場に勤める人たちのクラスター(感染者集団)が生じたとみている。都内での1日あたりの感染者数は、7日連続で20人超となった。」
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