峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

光と影

2009年03月17日 | 学校教育
きょうは、佐々中学校の卒業式に参列した。

卒業生は男子74名、女子64名の計138名。
担任の先生に名前を呼ばれた卒業生は、一様に大きな声で返事をし、校長先生の前まで進み出ると深々と頭を下げ、卒業証書を受け取った。

授業参観や卒業式で見る限り、数年前から中学生が、すっかりおとなしくなった。男の子も女の子も、見るからに不良を気取っている子がいなくなった。
それでは、みんな「真面目」になり、学校が荒れていないかというと、決してそうではない。塾で、子供たちの声を聞く限り、問題は何一つ解決されてはいないようだ。むしろ、それらを覆い隠そうとするからか、問題の根は地中に深く増長しているように思われる。

かつては、卒業式で名前を呼ばれても返事をしない生徒、お辞儀をしないで卒業証書を受け取る生徒などがいた。授業を抜け出したり、学校をサボったりする生徒もいた。
しかし、そんなやんちゃな子供でも、卒業式には出た。

この日、6名の卒業生が卒業式に出席していなかった。
校長始め、だれ1人として欠席している6人の生徒のことには触れなかった。
学校長式辞、教育委員会告示、町長祝辞、次々と学び舎を巣立ち行く生徒たちの洋々たる前途を祝し、輝かしい未来を称えた。

人生の中で、数度しか味わうことのできないそのような晴れがましい場に出ることを拒む、どんな理由がその6人の子供たちにあるのだろうか。
私は、まばゆい春の光が降り注ぐ式場で彼ら6人のことを思っていた。

おとなしくなった中学生を、彼らをそうさせてしまった社会を危ぶむ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 思い出のアルバム | トップ | 異変 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学校教育」カテゴリの最新記事