峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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さきがけ

2008年07月19日 | 学校教育
昨日は、くるみさんの通う橘香館の体育大会を見に出かけた。

橘香館は、いわゆる普通の高校とはずいぶん異なった学校だ。そもそもは向陽学園という学校法人の高校の普通科・特進コースなのだが、本体の高校とは全く別の敷地にそのコースだけが独立した形で存在している。
もっとも、向陽高校には橘香館だけではなく「パティシエコース」とか「エステティックコース」とか「調理科」など、ユニークなコースが存在する。高校というより、むしろ専門学校的な在りようだ。

昨今の少子化で私立学校は安穏【あんのん】とはしていられない状況を迎えている。全国的に生き残りをかけ、多くの学校でさまざまな改革が行われているようだが、向陽高校の特化したコース設置もそうした流れの中にあるのだろう。

経営面を第一義に学校が変わっていく傾向を決して好ましいとは思わないが、大分県の教員採用汚職事件に象徴される今日の教育者の在り方、あるいは、理念なき教育行政に翻弄される学校現場を目の当たりにするとき、とりあえず、学校に関わる者の変わろうとする心に一縷【いちる】の望みを見出す。
向陽高校の取り組みは、教育という概念が滅びることを前提にしているかのようでもある。つまりは、自ら進んでやろうと思ったことしか身につかないことを向陽学園の理事長はご存知なのかもしれない。

たしか、橘香館には当初校則がなかった。それほど制約がない。また、学校祭のようなものもない。部活動もない。大学進学を目標に主体的に勉強さえやってくれればそれでいい。そういうことなのだろう。
体育大会は一昨年から始まった。それも少しずつ変わっている。昨年までは学年別対抗だったが、今年から縦割りになった。平日に行われることもあってか、保護者への案内はない。今回も保護者は数えるほどしか来ていなかった。
ただひたすら生徒たち自身が楽しむために行われている。実際、競技中、ある生徒が仲間に「楽しもう!」と声をかけていた。教師はそれを微笑ましく見守っているという感じだ。その在りようは私にも心地よかった。


橘香館の体育大会でもっとも盛り上がるのが仮装競争だ。学級対抗でクラスの担任を仮装する。担任はされるがままだ。昨年、森川先生はご自慢のひげをそり落とされた。その仮装競技のためだけにである。

最後の生徒全員によるフォークダンスでは、ダンスの途中に生徒たちが教師に駆け寄り、踊りの輪の中に引き込んだ。

くるみさんは、相変わらず応援団のメンバーとして張り切っていた。

写真は、仮装競技での1年1組の担任の姿。彼は、仮装を最初に紹介されたが、その後、みなが次に注目していくため、この炎天下の中、気の毒にもしばらく写真の姿のまま放置されていた。
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